見出し画像

ハイサイマーズの飼育員やいびーん

ハイサイ!うちなー飼育員の安座間です。

マレーグマのマーズが来園して1年が経過しました。(祝)
※2022年2月のブログです。

マレーグマの飼育に関しては初心者の僕でしたが、特に何の問題もなく1年が経過し一安心です。
人気者のマーズを担当するにあたってプレッシャーはありましたが、最近はトレーニングを通して体重測定などもできるようになり、少しだけ距離が縮まったように感じました。

マーズがフィーダーを使ってエサを食べる姿は、とても愛らしくお客様からも好評です。

フィーダーとは給餌道具の1つで、簡単に餌を食べることができないように飼育員が用意しているものです。動物自身が頭を使わないと餌が出てこない仕組みにしたり、少し餌を取りにくくすることで、動物に刺激を与えることができます。

来園当初はほとんどのエサをフィーダーに入れて複数回与えることで、マーズの器用さを来園者の方々に見てもらうようにしていましたが、盲点がありました。

フィーダーを使う事によりエサを食べている時間は伸びましたが、自ら歩き回ってエサを探すという行動が少なくなることに気づきました。
マーズと言えば、フィーダーを使ってエサを食べる姿が印象的かと思いますが、私は本来マレーグマが持つ自然界での姿も見せたいと考えているため、フィーダーの回数を減らしながら新しい給餌法を実践することにしました。

それは、細かく刻んだ餌を放飼場全体にばら撒くという方法です。

放飼場を歩き回るだけでなく擬木に登ったりと、マーズが運動することにもつながり、お客様が索餌の様子を観察することが出来ます。本来野生下ではエサを食べる時間より索餌行動が圧倒的に長いので、これは野生に近い行動が引き出せるのでは?と考えています。
この方法がうまくいけば、マーズ自体の暇な時間が減り、常に刺激的な環境を提供することができます。

現在は放飼場の緑化計画の進行中で、より一層索餌の行動を引き立てられるよう日々工夫中です。

もちろん、フィーダーも野生に近い行動を引き立てる道具の一つで、舌や爪を使って、マーズ自身が考えながら餌を食べます。

マーズにとって少しでもより良い環境をこれからも模索して工夫して行きたいです。

※このブログは、2022年2月に沖縄こどもの国ゆんたくコミュニティにて掲載されたものを再掲しています。