動物園を巡回していると・・・
動物園の獣医師はとにかく歩きます。
1日1回、園内の巡回をします。
そして、診察を依頼されれば動物舎に向かいます。
試しに歩数計をつけてみたら、夕方帰宅する頃には一万歩超える日もありました。
なんと健康に良い仕事なんでしょうか!
巡回では動物の状態や展示場に異常がないかを観察しています。
動物舎の前にいると、子供達から声をかけられることがあります。
ある日、オオアリクイを観察していると、「アリクイさんにあげてください」と、指にアリを1匹チョンと乗せて持ってきてくれた子がいました。
オオアリクイは確かにアリを食べるのですが、動物園で毎日一日分のアリを用意するのは大変なので、ドッグフードやミンチ肉などをドロドロにミックスした餌を飼育員が毎日手作りしています。
オオアリクイは歯がないのでペロペロ舐めて食べます。
声をかけてくれた子にはそんなアリクイの餌のお話をしました。
またある日、アークおきまるで、「コウモリに血を吸われない?」と聞いてきた子には、オオコウモリは主に果物を食べているんだよ、というと安心した様子でした。
これは私が質問されたことではありませんが、あるスタッフが、「ゾウさんは一日何kgお肉を食べますか?」と聞かれたそうです。
ゾウくらい体が大きいとお肉を食べていそうな気がしなくもない?ですが、ゾウは牧草や木の枝、果物を食べる植物食の動物です。
ちなみにゾウの飼育員に琉人と琉花の一日の餌の量を聞いてみたところ、琉人は220kg、琉花は150kgの餌を食べているとのことでした!
それから、動物の種名を間違えている子たち(たまには大人も!)を見かけることもちょくちょくあり、そんな時には正しい種名を伝えています。
よくある間違いが、ゴリラ、ヒョウで、たまにフラミンゴ、ペンギン、マントヒヒ、アフリカゾウです。これらは全て沖縄こどもの国で飼育していません。
さて、正解はわかりますか?順に①チンパンジー、②ジャガー、③アカショウビン、④ゴイサギ、⑤マンドリル、⑥インドゾウです。
また、動物がどこにいるかわかりづらい動物舎では、子供達は「いなーい」とすぐに通りすぎてしまいがちなので、「ここには○○がいるよ!誰が先に動物をみつけられるか競争しよう!」と声をかけて、一緒に動物を探すのを楽しむこともあります。
こんな風に巡回中に来園者の皆様とふれあうことは私の楽しみの一つです。
もし獣医師らしい人物を見かけたらぜひお気軽にお声掛けくださいね。
※このブログは、2021年11月に沖縄こどもの国ゆんたくコミュニティにて掲載されたものを再掲しています。