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ヤクシマザル先生が僕らに教えてくれる

こんにちは、今回は当園で飼育しているヤクシマザルの観察を通して感じた事、考えさせられた事などを書いてみようと思います。
皆さんも見たことがあると思いますが、ヤクシマザルは毛繕い、声、表情、マウント、ハグ、その他様々な方法でコミュニケーションをとり、それら1つ1つにちゃんと意味があります。
毛繕いを例に出すと、ゴミを取ってあげて仲良しだね!兄弟なのかな?と思いますよね。
しかし実際は、毛繕いを何度もしあっているから仲良しでいられるのです。頻繫に毛繕いを見かける2頭がいて、片方が他の個体に攻撃されている時にもう片方が助けにくる姿はこどもの国でもよく見かけます。
当園で飼育している『ぽんすけ』と『やくまる』がそういった関係ですね。毛繕いを行うメリットとしてシラミやゴミを除去するのが1つと、長期的に見て様々な「恩恵」を受けられるというメリットがあります。
恩恵の例を挙げると、先に述べたような抗争の際に手助けがあるほか、異性で毛繕いを行うことで、繁殖期にはお互いを許容し得やすくなる、違う家系の子育てを手伝うなどがあります。
メスは基本的に親が産んだ子の子育てを手伝うことで、その経験を元に大人になって子育てを行いますが、親がおらず親から学べないメスもいます。
そういったメスは他の大人メスに毛繕いを行い、行ったメスの子に触れ合う許容を得ることで子育てを学ぶことが出来るのです。

皆さんどうですか、愛らしいなと思いながら見ていた毛繕いには様々な意図があるのです!

担当は毎日どういった意図で毛繕いをしているのか、どういった意図でコミュニケーションをとっているのかを考えながら観察しています。
群れ社会や彼ら1人1人の関係の変化を見ていると、人間にも当てはまることがよくあるのです。
いざとなった時に助けてくれるのは家族や親友ですよね?
子育ての細かい事を教えてくれるのは誰ですかね?
母親や仲の良い身近な人ですよね!
案外あてはまるのです(笑)
親友はどうやって出来るかって考えたら、些細な相談や小さな助け合いが仲を少しずつ深めますよね。
いざとなった時に支えてくれる家族や親友は些細なやりとりや助け合いで成り立ち、些細な助け合いが大きな恩恵に繋がるかもしれません。
この考え方は、勝手ながらヤクシマザル先生の行動から解釈しました(笑) 

解釈の仕方は人それぞれかもしれませんが、動物達を観察すると考えさせられることがよくあるので皆さんも色々な視点で観察してみてください!

※このブログは、2021年11月に沖縄こどもの国ゆんたくコミュニティにて掲載されたものを再掲しています。