陸運事務所前にバス停があった
沖縄県浦添市港川にある沖縄総合事務局陸運事務所の前に、かつてバス停が設置されていたことがあった。
バス停の位置
設置位置を地図で示すと以下のあたりである。バス停名は立地そのままで陸運事務所前バス停であり、周辺は工場や企業事務所ばかりのエリアである。
国道58号にある港川バス停の次が陸運事務所前バス停であり、その間には県営港川市街地住宅もあるのだが、バス停は設置されずで通過していた。
発着していた路線
陸運事務所前バス停に停車していた路線は下記の2路線であり、いずれも陸運事務所前が終点であった。
・88番・陸運事務所線(那覇バスターミナル~陸運事務所前)【琉球バス】
・96番・浦添港川線(馬天営業所~陸運事務所前)【東陽バス】
88番・陸運事務所線
琉球バスの88番・陸運事務所線は、既存の88番・港川線(那覇バスターミナル~港川)を1区間延長する形で運行を開始した。1993年5月に運行を開始したようである。
前身の88番・港川線は、1979年8月1日時点のバス路線一覧$${^1}$$には記載がなく、翌1980年7月1日時点のバス路線一覧$${^2}$$には記載があることから、1979年8月~1980年6月の間に運行を開始したと想定される。なお、運行開始当初であろう1980年7月1日時点$${^2}$$で那覇向けのみの平日3本のみ、1993年3月末時点$${^3}$$で那覇向けの平日1本のみの運行であった。
これが陸運事務所線となった後の1994年3月末時点$${^4}$$で、1日12本と大幅増便され、さらに那覇発の便も運行を開始している。
しかしながら、利用状況が芳しくなかったのか、前述の引用の通り、2年ももたずの1994年12月末には廃止されたようである。
96番・浦添港川線
もう1つの発着路線であった東陽バスの96番・浦添港川線も、当時の91番・城間線(馬天営業所~城間)(現在は廃止)の終点を、城間から陸運事務所前に変更した路線として運行を開始した。
開始時期の詳細は不明だが、1990年3月末時点のバス路線一覧$${^5}$$には記載がなく、1993年11月1日時点のバス路線一覧$${^6}$$には記載があることから、1990年4月~1993年10月の間に運行を開始したと想定される。
こちらは運行開始当初の1993年11月1日時点$${^6}$$で1日3本のみの運行と、88番よりもかなり少ない本数であったが、港川エリアから浦添市役所などがある仲間や安波茶へ乗り継ぎなしで行ける利便性が功を奏したのか、21世紀まで生き延びた。
ただ不採算路線ではあったようで、東陽バス民事再生法申請(2002年)後の路線網の整理・縮小に伴い、2003年11月30日をもって廃止されている。
注釈
昭和53年度 業務概況(1979年 沖縄県陸運事務所発行)p.29
昭和54年度 業務概況(1980年8月 沖縄県陸運事務所発行)p.29
平成5年度 業務概況(1993年7月 沖縄総合事務局陸運事務所発行)p.29
平成6年度 業務概況(1994年7月 沖縄総合事務局陸運事務所発行)p.27
平成2年度 業務概況(1990年7月 沖縄総合事務局陸運事務所発行)p.29
運賃及び粁程表 平成5年11月1日改定(1993年11月 沖縄県バス協会発行)
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