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エスペラント語の筆記試験の思い出


やぁ!みんな元気かい?

毎日メタファーしてるかな??

前回「エスペラント語の面接試験の思い出」を書いたら、すごくたくさんの反響があったよ。

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ほらみて!!!!!



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bonulo:「これなら余裕で満点合格ですね」


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bonulo:「凄い。」


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ね??


すごいでしょ?



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(え?「反応、多くないじゃん」って???)


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は???



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は?????





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みんながよろこんでくれて、とってもうれしいよ!


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そんなわけで、今度は筆記試験について書こうと思うよ。

もちろん今回話すのは公的な性質をもつCEFRに準拠したエスペラント語の試験「KER試験」のことで、日本エスペラント協会さまが運営している「エスペラント語学力検定試験」とは無関係だから、そこだけ注意してね!

さてさて、ぼくがエスペラントを知ったのは中学生のころだから、エスペラントの勉強をしてもう結構長いんだよね。だから2018年にKER試験の受験の意向を表明したとき、そういうことを知っている人から「いまさら試験なんて受けなくてもいいのでは?」なーんてことも結構いわれたんだよね。

どうなんだろうね...(笑)

でも、エスペラント語の教室を始めてるからには範を示さないといけないし、KER試験を応援したいとも思ってたから、自分もKER試験の受験をすることに決めたんだ。

実はね、ぼくは日本青年エスペラント連絡会っていう全国組織の代表を3回やったことがあってさ。3回目は共同代表だったんだけどね。

その2回目の代表任期のとき、「KER試験」と「日本エスペラント協会さまのエスペラント学力検定試験」の受験料全額補助事業っていうのを始めたんだ。(これはいまも継続されてるみたい。)

で、そもそもどうして青年団体で「語学試験の受験料補助」をやろうと思ったか気になるでしょ?

すこし個人的な話をするね。ぼくは10代から20代半ばまで、日本でのエスペラント語の歴史を調べてたんだ。1900年代から1980年代くらいまでを関係者へのインタビューとか資料さがしとかで興味の赴くまま、導かれるまま調べていたわけ。いまの活動はそのころに気づいたことがベースになってるなと自分では思うよ。そんなわけで日本のエスペラント語運動について思うところがあったんだけど、なかでも、しっかりした学力を持ったひとが、やっぱりどうしても必要だってことをずっと感じていたんだ。

ところがこんなことを感じるのはなにも「歴史の話」にかぎったことではなくてさ。

たとえば2020年末から2021年にかけて話題になったグーテンベルクオーケストラ社の商標登録問題でぼくは海外の団体(UEA, ウーエーアー)とのやりとりを担当してたんだけど、ある団体の関係者がUEAからのメールについてびっくりするような誤読をしてて、ぼくらも「どうしたらこんなふうに読めるんでしょうね」ってまじめに悩んだりね... 協力者のなかには一部表現が完璧でなくてもちゃんとコミュニケーションをとれる、こころから尊敬できる人たちもいるんだけど、「派手な誤読」に基づいて議論を展開しようとするひとには心底おどろいたね。読み手がその根拠を求めなければ「誤読」が「真実」みたいになっちゃうよ。で、実際そうなった部分もあると思う。それっぽいことを言ったらほんとうにそうなっちゃうのは、つくづく言語のおそろしさだね。ある程度影響力のあるポジションにいるひと、対外的なやりとりをするひとは、一定の語学力は必須だし、そうでないなら、情報をきちんと共有して自分が誤読するリスクを軽減する工夫を施すのが誠実な態度じゃないかなって思うよ。


つまり全員がすごーくできる必要はもちろんないんだろうけど、ちゃんとできるひとがほとんどいないっていう現状がいまあるとすれば、それは結構深刻な問題だって言わざるを得ないんじゃないか。...(ぼくいまマズイこと言ってないよね?大丈夫だよね??









もちろん、あたりまえのことだけど、エスペラントをすきなひとはそれだけでいいんだよ。すきということには理由も、釈明もいらないし、もちろん資格証明も必要ない。そうだよね。(これが今日言いたい一番大事なことだよ。









でももし、もしもだよ?

エスペラントがある程度できたらそのことで目の前の課題を解決できるかもしれない。あるいは、場合によっては、だれかを助けられるかもしれない。

そういうこともあると思うんだ。









まあ、わからないけどね。(笑)







それでそのころ、ほかの青年エスペランティストのひとたちに「受験料全額補助事業」の活用を勧めながら、ぼく自身は受験しなかったわけだけど、おなじ青年団体役員には「受験したら満点は当然だし、満点でなければ問題の作成者か採点者がまちがってる」とか言ってたんだよね。

(ぼくはだいたいいつもこんな感じだよ。)

ただ「問題の作成者がまちがってる」っていうのは、そんなにありえない話ではなくて、実はすでにいろいろあるんだ。

これを書いている2021年2月11日現在まで、ぼくは結構いろんな試験問題のまちがいを発見して訂正したり、関係団体に訂正依頼してる。さいきんだとKER試験のリスニング問題の間違いを指摘してるし、その前は筆記試験の設問の間違いも指摘してる。あと、日本エスペラント協会さまの問題集(2016年版)は未訂正の間違いを模範解答のほぼ全ページにみつけたりしててね。(日本エスペラント協会とか聞いたらエスペラント語の権威機関っておもうよね?でも2016年度版にまとめられた問題の間違いの多さは、うそみたいだけど、ほんとのことなんだ。)

ツイッターではこんなこともあったよ。

(ちなみに日本エスペラント協会エスペラント学力検定試験の2級の模範解答の間違いを指摘したので「名誉2級」とかもらえるかなと思ったけど、いまのところそういうことはないよ。)

でもね、ひとつ言っておかないといけないことがあるんだ。試験問題ってつくるのめっちゃ大変なんだよ。問題の水準を一定にするのだって相当大変。専門家でないと無理だよね。さらに、試験作成に関わる人がかなりしっかりエスペラントのことを知ってて、広範な議論を把握していないといけない。すると、いったいそんな人材どこにいるのかってことになっちゃうんだ。...

試験問題をつくったことがあるきみなら、わかるよね?

だから、ひとさまのつくった試験問題にはとやかくいわないほうがいいだろう...となるかどうかはもちろん状況判断だね。

そんなわけで、ここからはぼくが受験したKER試験のC1について思い出を書いていくね。もちろん、試験実施者の経験もあるから、具体的内容について言及するリスクはおかさないよ。そういうのは合格した級を毎回受験して試験問題をリサーチしてるひととかに直接頼んでね。(笑)


まず受験前の話をするね。

まずなにをするかって、KER試験のサンプル問題集をやってみるよね。

サンプル問題集はここにあるよ『ESPERANTO DE NIVELO AL NIVELO』https://edukado.net/ekzamenoj/ker/specimenoj
「ESPERANTO」と書かれたみどりいろの画像をクリックしてみてね。
ちなみにこのサンプル問題、リスニング試験の問題と音声もついてる。
(*ただし不適切問題もあるのであんまり深追いすると面倒なことになるかも。注意してね!)

で、このサンプル問題集『Esperanto De nivelo al nivelo』、受験を考えるずいぶん前にすでにやってて、「超かんたんじゃん!」って思ってたんだ。(それで実は受験する気がおこらなかった。)

これはわりと知られていることなんだけど、CEFR準拠の語学試験は日常生活での言語運用能力をみるわけから、ふつうはレベルが高くなると単語も文法も難しくなる。でもね、エスペラント語の場合は、表現することが複雑になっても、だからと言って特別文法が難しくなるとか、難解な単語が出てくるというわけではないんだ。まあそりゃ、多少は難しいよ?でも少なくとも筆記試験については、B1とC1の差は小さい。

だからB1に90%以上の得点で合格できたら、たぶんC1も筆記なら十分合格圏に入ると思う。

だからぼくがCEFR準拠のC1の筆記試験をみて、たちまち解いて、「超かんたん」って思ったとしてもぜんぜん変な話ではないんだ。エスペラントならね

(ほんとこういうところにエスペラントの特徴ってでるよなぁ。)

そんなわけで事前の準備はまったくしなかったよ。


試験中(試験以外のこと)

KER試験では試験中の飲食が規約でみとめられてる。そんなわけで、山口県下関市でKER試験が実施されたときには、バイキング形式でトッピング自由な「そうめん」とか「サンドイッチ」とか「おにぎり」とかいろいろ用意してあったんだ。飲み物もいろいろあった。

ぼくは楽しいことがだいすきだから、試験中はもちろん「そうめん」を3杯たべたし、飲み物も3種類くらい飲んだと思う。

でも、それって結構時間を喰っちゃうんだよ。(「試験が終わってから食べる」って言ってた人たちは賢かったと思うよ。)

C1の試験時間は4時間。これ、長いっていう人いるけど、実際は結構あっという間だよ。

使える白紙は1枚だか2枚だかそんな感じだったと思う。で、筆記用具は黒か青のボールペンのみ。(もちろん、まちがえたらぐちゃぐちゃって線で消して、わかりやすいところに書き直すのはありだよ。)

ぼくからみんなに伝えたい教訓は「食事は許されているけど、素麺を3杯、サンドイッチ、おにぎり、のみもの3杯はやりすぎ」だよ。覚えてね!


試験中試験のこと

試験の問題用紙は12ページで、表は名前とか書くところだから、問題は10ページ。長文を書くところが1ページ×2だから、実質8ページだった。


試験中(最初の4ページ)

最初は接尾辞とか品詞語尾の問題。それほど難しくない。「B1では?」みたいな内容。

あとはやっぱり基礎的な事柄がつづく。

やっかいだったのは問題に下線がひいてあって、一見そこに回答するように指示しているのかとおもいきや、最下段に「回答欄」があって、そこに書かないと無得点というところ。ぼくは中学生のころ音楽のテストはずっと満点だったんだけど、中学3年生のとき、この回答欄間違いをやってしまって、定期試験で11点/50点だったんだ。(いや14点だったかな。)回答欄まちがいは本当に気を付けないといけないよ。KER試験は下線の長さとかいろいろ雑なので、出題者の意図を感覚的にとらえようとすると混乱すると思う。そこは注意点だね。

とにかく1~4ページはとても簡単な、基礎的な問題。もちろん一部ひねった問題もあるんだけど、大きく失点することはないんじゃないかなと思う。


試験中(論説, komentariado)

C1の論説問題は約200語(20~25行)で書くよ。結構長い。そして含めるべき要点を整理すると結構ぎりぎりになる。余計なことを書く余裕はない。白紙をつかって構成を考えて書いたんだけど、かなり時間を使うんだなと思ってびっくりした記憶があるよ。ちなみにこのときは「世界エスペラント協会が年鑑(Jarlibro)の発行をとりやめようとしているが、それにはこういう事情があり、これに対して会員はこういう反応を示している、あなたの考えをのべよ」みたいな内容だったと思う。年とか予算とか、具体的な数字がいくつか出てきたように思うよ。


試験中(論述, skriba memesprimoまたはskriba sinesprimo)

つぎは二つのテーマから1つを選んで、自分の意見を書くという問題。手紙の様式が指示されていたよ。これも約200語(20~25行)。さっきのkomentariadoもそうなんだけど、この文量を守るということがとても大事なことなので普段から100語で書くとか200語で書くとか、慣れておくといいね。

ふたつのテーマは、それぞれ「世界エスペラント協会(UEA,)の会員減少に対して有効な施策を提案せよ」と「スマホアプリAmikumuについてどう思うか友達に手紙を書け」だったと思う。UEAのことはとくにこれを書きたいということもなかったので、スマホアプリAmikumuについて言いたいことを書いたよ。

もちろん自由に書くだけではだめで、5つくらい含めないといけない要件が指定されてるから、それに応えるような内容で仕上げる必要があるよ。

文量をちゃんとまもって、含める内容をちゃんと含めれば、それほど難しくない。ただ長いから大変だね。(笑)


試験中(長文読解A, lega komrepno A)

長文読解はおもったより複雑な内容だなと感じたよ。「これって、なにをさしてるんだろう?」って2箇所くらいでちょっと迷った記憶がある。

設問は「正しい、誤り、それに関する情報は書かれていない」の3つから選ぶ問題と、短い文で内容に関する質問にこたえる問題があったよ。

試験中(長文読解B, lega komrepno B)

で、最後のページは長文読解B。これは難しかったね。すごく単純なことなんだけど、「知らなきゃ答えようがないよ(笑)」とおもっちゃった。エスペラントの教養が問われるような、そんな内容だったとも言えるんじゃないかな。エスペラント思想史上重要なひとの文章だったんだけど、多くの人はたぶんみたこともないテキストだったんじゃないかと思う。原作を知らずに解けた人もいるとおもうけど、ちょっと複雑なパズルみたいな感じ。20点満点で8点とらないとだめという箇所なんだけど、なかなか厳しいぞと思ったね。

そんなわけでこれがぼくのC1筆記試験の思い出だよ。アルゼンチンのブエノスアイレスでC1を受けた友達はみんな「ne malfacila, sed ege laboriga(難しくはないけど、ものすごく作業を要する)」と言ってたんだ。それは辞書を引かせるという意味だった。でもぼくは辞書を引くことはなかったよ。

ただ、たしかにlaborigaだとは感じた。たとえば約200語で書く課題が2つ出るでしょ。さらに長文読解はどちらもちょっとめんどうな内容。

日頃から正確な文章を書いて、正確に文章を読む練習が必要だろうね。そして「C1レベル」に関しては試験前に対策できることは限られている。そういう気がしたよ。

そんなわけで今回はあんまり具体的な話をしないようにつとめたんだけど、どうだったかな?参考になることがあって、自分も受験したいなっておもうひとがひとりでもいたらぼくはとってもうれしいよ。

それから、ぼくは個人としてエスペラント教室を運営しているけれど、ほかの教室の主宰者のひとたちもぜひここで書いた点を意識してみるといいんじゃないかな。運営上むずかしさを感じることがあったら気軽に相談してね。そして主宰者のひとたちもぜひKER試験を受けようね!


KER試験の筆記試験についてはbonuloさんの記事も参考になるはずだからぜひチェックしてみてね。








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