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水彩画を習っていた頃

満70歳になって仕事を辞めたのを機会に、たっぷり時間はあるので、水彩画を始めました。最初の入門は、NHKオープンスクール(国立)で、平成16年8月から始めました。でも2ヶ月でやめました。小さな絵ばかり描いているのが物足りなく感じたからです。思い切って、レベルの高い新宿のアサヒカルチャセンターの水彩画田中実先生の木曜クラスに平成16年10月から入れていただきました。

①田中クラス忘年会04年

 朝日カルチャセンター(新宿)の田中実先生は、水彩画専門で洋画をやって来られた方で、当時、水彩連盟理事長、日展参与、光風会名誉会員であり、81歳とご高齢ですが、大変実績のある先生で、人物画が専門です。平成16年10月からクラスに入れていただきました。20名ほどのクラスの生徒も長く続けている方が多く、レベルが大変高いと感じました。落ちこぼれないように努力することを決心しました。クラスは、始めの三年間は基礎科、その後は研究科となります。このクラスは30年ほど前から続いていて、長い人では約28年間続けている人もいました。10月は静物画、11・12月は人物画、1月は静物画、2・3月はまた人物画という風に描いていきます。私は、F15からF20程度の大きさの紙に描いていました。研究科の先輩たちは、F40程度の大きさの絵が多かったようです。

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水彩画田中クラスの授業制作の様子

 先生はモチーフが大変に良いので、描いていても楽しく感じました。先生が実力者なので、モデルも、プロのなかでも大変いいモデルが派遣されて来ているとの噂でした。

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 生徒の絵を見つめる田中実先生

 朝日カルチャセンターの水彩画教室木曜田中クラスでは、毎年3月と10月の学期末には、最後の授業で、全員に対する先生の講評がありました。先生が中央で、批評を受ける生徒が隣に座り、その他の出席の生徒20名ほどはその左右と後方に座って、壁側に立てかけた各人の年度の作品(約6作品)をひとまとめに並べて、先生が一人ずつ講評をされました。一人の半年間の作品をまとめると、その人の傾向がよくわかります。先生は、長い人には、これから先どのように進めるかについて、コメントをされました。例えば、

○日本画のように平面的になっている、色が暗すぎる、

○きれいな絵であるが、主張がない、来年は展覧会 (水彩連盟展) に出品しても、もうよいのでは・・等々でした。

初心者に対しては、励ますコメントが多かったように感じました。私についても、「初心者ですが、色がいいと思いました。全体に、清潔感のある絵でした。人物に関しては、服の襞も工夫して、よく描いている。静物に関しては、(個々の静物)皆が主体になっている。このまますすめてください。」との講評を頂いた時もありました。大変励みになりました。

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上の静物(20号)を、4回で描く最終日、先生から4回指示を頂いきました。①手前のクロスは、ブルーをとった方がいい。ブルーブルーしている。急いで筆に水を含ませ、色を出来るだけ落とす。しばらくして、②右奥のツボはもう少し色をつけた方がいい、また、③左奥のツボ、よく見て、もう少し描いは・・、 クロスは、薄く色をつけておく程度でよい、④右奥のツボは、中央部白い、汚れないようにして、少し色をつけては・・・、一番最後に、⑤一通り出来ているので、これで終わってもよい とのコメントであった。 あせらず、また次に向って一歩一歩進めて行くつもりです。

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人物(コスチュウム)の初期作品であす。モデルが良いので、描くことが楽しかったと記憶しています。

一度だけ大変褒めていただいた人物画(コスチュウム)があります。下の左側の20号の絵です。右側の絵は先輩の絵です。バレリーナ姿のモデルでした。多分バレリーナのたまごが、バイトで生活費を稼いでいたのででしよう。私は時間が足りないので、一人のモデルだけに絞って描きました。

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2007年3月の講評会で、褒めていただきました。「衣装が、白い鳥の羽のように広がってるのがよい。パックとのバランスもよい」と。「褒めて育てる」とはよく言ったものです。

 平成17年4月から、平行して、別の先生(羽田先生)の講座「デッサン入門」を月2回を受けることにしました。形をしっかり描けるようにしたいと思って、デッサンにも励むつもりでした。

水彩画を初めて 6年間がたちましたが、満足の絵はとてもかけませんでした。才能がないのでしょう。でも、あるときは楽しく、あるときは苦しく、絵を描いていました。

そのうち、田中先生がご病気で、先生が変わり、その後、クラスが生徒数の減少で、木曜クラスが維持できなくなり、土曜日のクラスに吸収されました。私も環境保全活動が大変忙しくなってきて、水彩画は、続けるのが難しくなってしまいました。


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