入居者を食い物にする施設・介護グループ

前回の続きです。
(介護に関するかなりマニアックな話ですので、介護系に関わったことがない方は内容が一部ちょっと難しいかもです)

そう、金融庁の立入り検査が入った損害保険会社系列の施設の話です。
○んぽケア、いやいや、そ○ぽケアの話。
(明らかにおかしいことをしているので、ほぼ公表みたいになっちゃってます)

施設長から、施設長の知り合いの「N病院の精神科に受診させたい」という申し出があったことを書きました。
しかもなぜか

・家族は付き添わなくてよいと、事前に家族に伝えていた。
・受診当日家族が付き添ったら、なぜか家族を診察室に入れてくれなかった

という不自然な行動があったことも書きました。
このからくりが判明しました。

精神科からの処方薬でドロドロになり、ほぼ一日中寝るようになってしまった患者さん。
意識朦朧としながらも動こうとして転倒を繰り返すようになってしまった患者さん。

いよいよ食事が取れなくなってきてしまいました。
それまでは自分でしっかりと取れていたのにです。

しかも施設が連絡あった時の内容が、驚きです。
「この1週間食事がほとんど取れていないのです」

えっ!?1週間も放置??
(ここからしておかしいでしょ)

すぐに診察に伺い、まずは点滴がしばらく必要と判断しました。
しかし低アルブミン血症(体のタンパク質が少ない状態)で、点滴をバンバンやれば、体はむくむし、肺にも水がたまって痰が増える結果となります。
ですからそこまでいかない程度の点滴量を数日指示しようと考えました。
ちょうど暑い日が続いていましたし、脱水にならない程度に補液をしようと考えました。

ちなみに暑い日が続いていたといっても、部屋にはクーラーがありました。
しかも毎回部屋がガンガンに冷えているのです。
暑がりの自分でも寒く感じてしまうくらいです。
この頃は結構こまめに患者さんのところへ診察に行っていたのですが、毎回ガンガンに冷えているのです。
痩せ細ってしまっている90代の高齢者なのにこの冷房の設定はあり得ません。
たぶん介護者に合わせて設定していたのでしょう。
介護者は動き回りますから、相当暑くなりますし。
自分が診察に行ったときは毎回「おやすみモード」みたいなモードにこっそりと変更していました。
でも、また次の時行くと、エアコンはフル稼動なのです。
これじゃ凍死しちゃうわ、という感じに。
相当暑がりの自分でさえ寒く感じるくらいなのです。
で、またこっそりと設定を変えておくという繰り返し。
このエアコンだけみても、施設のレベルがわかるでしょ?
入居者本意じゃないことが良くわかります。

話は戻りますが、数日点滴が必要と判断しました。
こういうときは、自分も一人しかいませんし他に患者さんがいますから、訪問看護師さんに協力してもらうことになります。

で、スタッフさんに今後の方針を伝えると、
「訪問看護師が入っているので聞いてみます!」
とのこと。

えっ!?訪問看護師入ってる???
自分、この患者さんに指示書なんて書いたことないけど…。
通常「訪問看護」は主治医の指示書がないと入ることができません。

よくよく確認すると、なんと「精神科訪問看護」が入っているとのこと。

なんも聞いてないし…。
ケアマネから一言も聞いたことありません。

どうも施設長の知り合いがいるN病院の精神科から、自立支援を利用した精神科訪問看護指示書が出ていたようなのです。

意味わからんです。

そしてご想像の通り、その精神科訪問看護をおこなっている訪問看護ステーションは、○んぽケアグループの訪問看護です
あっ、そ○ぽケアグループのね。

つまり精神科受診し、自立支援制度を利用した精神科訪問看護を利用させていたということです。
この仕組みでは医療保険が利用されることになります。

この辺、介護系の知識がない方はいまいちわからないかもしれませんが、少し知識のある方ならなんとなくわかると思います。

つまりはグループ企業を利用してまで入居者を食い物にしているということです。

というかそもそもこの患者さんがいたところは「介護付有料老人ホーム」になります。
看護師が常駐しているところです。
わざわざ精神科看護なんて入れなくたって、施設に看護師が常駐しているのです。
意味わからんですね。

大体点滴が必要となったときも、施設看護師はしらんぷり。
協力しようとしませんでした。
一体何のための看護師なのか。

そもそも、90代の高齢者(軽度認知症)の方に自立支援制度を利用した精神科訪問看護が入ることが不自然なのです。
長年訪問診療やっていて聞いたことがありません。

中医協(中央社会保険医療協議会)の資料にはこんなものがあります。

精神科訪問看護は「30~50歳代の利用者が半数以上」で、90代なんてごくわずか。
統計上は100人中1人もいないことになるのです。
しかも「利用者の主傷病うち、最も多いのは統合失調症等」
今回の患者さんにはまったく当てはまりません。

自立支援を利用した精神科訪問看護指示書を出す方も出す方です。
つまり、ここのところが、施設長と精神科病院であるN病院の副院長が結託しているところなのでしょう。
N病院にしたって、患者が増えれば収益が上がりますからね。
悪くはない話です。

あくまで想像ですが、○んぽ系の入居者には同じようなことをされている人が他にもいるかもしれません。
ちょっとでも認知症っぽいところがあったらN病院に受診させられているかもしれません。
そして適当な精神疾患の名前で自立支援を利用した精神科訪問看護指示書を発行する。
○んぽ系、精神科お互いにとってwin-winの関係ですからね。
不必要なサービス入れられて犠牲になっているのは入居者とその家族。
家族も介護のシステムなんてよくわからない方が多いですから、お任せにしちゃっているケースがほとんどだと思うのです。

こういうスキームを使って、収益のことしか考えていない可能性があります。
家族を診察室に入れなかったのは、密室でこういうことを話合うためだったからなのかもしれません。

ビッグモーターとあんなことやらかしている企業体質ですからね。
えげつないことをしていてもおかしくありません。

患者さんの話に戻りますが、結局指示書はN病院から出ているので、こちらから指示は出せません。
なので、点滴指示を出してくれるようこちらからN病院にもかけあってみたのですが、ダメ。
「点滴の指示書出しません」って、きっぱり断られました。
このN病院にもビックリです。
なんのための訪問看護でしょうか。
なんのためのN病院受診だったのでしょうか。
まったく意味をなしていません。
まぁ、「なんのため」って、「カネ」のためなんでしょうけど。

で結局新たな訪問看護ステーションを探してもらって、そちらにお願いすることとなりました。
でもそこも、○んぽ系の別の訪問看護ステーション。
まぁ、ここは急な話だから仕方ありません。

ちなみにマニアックな話ですが、この施設は「特定施設入居者生活介護の一般型」に当てはまり、介護サービスは自前でおこなわないといけません。
介護に関わることはすべて自社でおこなうことになります。
しかし医療系のサービスは自社である必要はないのですね。
精神科訪問看護は○んぽ系である必要はまったくないのです。

点滴してもらうことになった訪問看護ステーションも、特別指示書での対応となりましたから「医療保険」を利用しての訪問看護となります。
ですからこれも○んぽ系である必要はありません。

でも、結局すべて○んぽ系。
○んぽ祭りです。

で、患者さんの話に戻りますが、患者さんがドロドロに横になっているところで、スタッフから質問があったんですよね。
「内服ができないのですがどうしたら良いですか?」
とのこと。

すかさず
「精神薬でこんな風になっているんですよ?
このまま飲ませたら殺すことになりますよ!
すぐに精神科にも確認してください!」
と厳しく伝えました。

「こんなことも判断できないのか…。」とがっかりです。

で、後日スタッフに「精神科に問い合わせたか」を確認したら、
「精神科としてはは内服はそのままで減量も中止もしない」
との返答だったようです。

信じられません。
意識混濁、声かけにも開眼しないのに、1日3回も精神科薬を継続って。
「殺す気だ」
と本気で思いましたね。

患者さんをまったくみていません。
こういうところがあるから、良い精神科の先生もいるのに、「精神科」のイメージが悪くなるのです。
ちなみに、内服していた精神科からの薬は、普通の人が1錠飲んだだけでも眠くなってしまったりふらつきが出ます。
それが体重30kgちょっとしかなく、しかも薬の代謝機能も落ちてきている高齢者に1日3回も処方しているのです。
体重60kgの若年成人に処方するのとは訳が違います。

施設の対応も対応だし、このままここにいたら殺されると思い、自分の心の中では避難させる意味合いも込め入院させることにしました。
当然入院には理由が必要ですから、そこは「脱水、食事摂取不良」です。
連携病院に問い合わせしましたが、当時は救急車出動回数が異常なときで、病院のベッドもどこも満床。
そこをなんとかお願いし、数日後に入院予定という段取りとなりました。

しかしもう少しで予定入院というときに、血圧低下、酸素濃度低下が急に起こり救急搬送となってしまいました。
その後搬送先の病院で加療を受けたあと、予定していた連携病院に転院しました。

しかしその連携先病院で半月後くらいに亡くなってしまいました。

本当にやりきれない気持ちです。

「特定施設入居者生活介護」の話をちらっと書きましたが、介護保険課に問い合わせすると、ケアマネも当然自社でおこなうことになります。
で、驚いたことに、ケアプランを主治医に送る必要はまったくないらしいのです
市からの説明では「必ずしもケアプランの提示は必要ない」との回答でした。
在宅医療と介護と協力してやっていかなければならないのに、これにはびっくりしました。

そりゃ知らないところで精神科訪問看護を入れたりするわけだ。

「特定施設入居者生活介護(一般型)」というのは、報酬は「包括報酬」となっており、要介護度別に1日当たりの報酬算定が決まってしまっています
ですからグループとして、それ以上に報酬を上げるにはどうするか考え、今回のケースでは自社グループの自立支援を利用した精神科訪問看護を入れたのではないかと思われます(患者さんには必要性はないのに。○んぽ系にはカネという意味合いで必要性はあったのかもしれないけど)。

正直なことを書けば、どの世界もきれい事だけではやっていけない部分もあります。
例えば今回のケースのように、要介護4がついていながらも介護量が多いために単位を使い切ってしまって、介護保険を利用した訪問看護を導入することができずに、やむなく自立支援を利用した精神科訪問看護を入れる方法もあるのかもしれません。
ある意味裏技的なやり方なのかもしれません。
今回は「包括報酬」のケースですから関係ありませんが。

大体介護保険点数をめいいっぱい使ってしまったというなら、まずは区分変更をかけるべきですね(それでも介護度が上がらないこともあるのですが)。

そしてそもそも今回のケースでは、「施設に看護師が常駐」しているので、介護保険を利用した訪問看護はもともと入れないのですね。
そのための施設看護師なのです。
でも、施設の看護師はなんの役にも立っていない。
そこで無駄な精神科看護の導入となったわけです。しかもそこもいざとなったら役に立たないという有様でした。
ただただ無駄な報酬を国や自治体、家族が支払っていたということです。

今回の件は、自立支援の適応にならないような患者さんなのに、それを利用しているのです。
公費を無駄に、そして不当に消費しているのです。

しかも同じ系列の訪問看護ステーションを導入している。
そこが素晴らしいなら別に良いですけど。
というか、自社でなくてもよいのに、同じ系列の訪問看護ステーション
不当な理由で自立支援を利用したのですから、その○んぽ系の精神科訪問看護の報酬も不当なものとなります。

そして今回の様に緊急時には、なんの役にも立たない。

というか、あれよあれよという間に不穏がどんどん強くなり、薬も増えて意識朦朧となりました。
普段の精神科訪問看護も意味があったのかまったくわかりません。
上記に書いたように、体重が極端に少ない高齢者にあれだけの薬を飲ませたらどうなってしまうかなんて医療者でなくとも普通わかります。
「精神科」訪問看護として入っているなら、指示書を出していたN病院に意見ぐらい言ったらどうなのって思います。
まぁ言いづらいとは思いますが、それでも普段の様子を事細かに医師に報告すべきです。
報告していたのに、N病院の医師が無視していただけかもしれませんけどね。
食事も取れない意識混濁状態なのに、薬の減量も中止もしようとしないところですからね。

どちらにしろ薬漬けをきっかけにして殺したようなものだと思っています。

本当にひどい。すべてがひどい。
身近にいながら10年以上の付き合いのある患者さんを守れなかったことはとても心苦しいです。
しかし知らないところで精神科訪問看護を入れられたり、そういう報告をしないケアマネがいたり(報告の義務はないらしいですが、それでも普通は言うでしょ)、言い訳ではないですが防ぎようがありませんでした。
ギリギリで気づいて入院させて避難させる手はずを整えたけど手遅れでした。

介護にはいろいろなサービスが関わります。
ケアマネ、ヘルパー、デイサービス、訪問看護などなど。
でもすべてが同じ会社だと、連携はしやすいのかもしれませんが、おかしいと思った人がいたとしてももの申す人がいません
なんなら全員が全員自社の利益のことしか考えていないかもしれません。
これだとただただ介護を受ける人とその家族が犠牲になるだけです。

できれば介護サービスは一社に限るのではなく、いろんな会社を導入すべきです。
ケアマネもヘルパーもデイサービスも訪問看護も違うところにです。
そうすればお互い監視の目が行き届きます。
あからさまなおかしなことができません。

今回はすべて自社でおこなわなければならない介護システムの施設でしたから、他社のサービスを導入することはできませんでした。
これは特定施設入居者生活介護(一般型)の弊害だと思います。
介護サービスがみんな同じグループですから入居者の情報をスムーズに共有できるというメリットはあるかもしれませんが、
施設もボランテァイアでやるわけにはいきませんので、結局収支(カネ)のことを考えてしまいます。
特に大きな介護グループですと、よりそのような傾向があるように感じます。
大企業なんていかにも「現場を知らないトップが、現場の人間に負担を強いて、無謀な収入アップ・ノルマを押しつけてくる」ってことがありそうですよね。
ホームページにはきれい事ばかり書いてあるけど、自分からしたら「偽善者」にしか見えないし、鼻で笑ってしまいます。

もちろんまっとうな考えでおこなっている施設・介護グループも多くありますよ。
でもまっとうだけでやっていくと、介護も病院もクリニックも歯科も、採算は生きるか死ぬかのギリギリのところになります。
「生きるか死ぬか」は言い過ぎですけど、贅沢なんて決してできません。
厚労省は本当にうまく医療点数やら介護報酬を設定しています。

これからは高齢者がますます増えます。
今回関わった介護グループはますますがめつくなるでしょうね。
表向きは良いことばかり言っているけど。
でもこんなところに関わったら本当骨の髄まで吸い尽くされますよ。
ハッキリ言って今回の様に自社による無駄な精神科訪問看護入れてまで報酬を上げるとか、ハイエナのようにしか思えません。

上記に書いたように、どの世界もきれい事ばかりではやっていられないのかもしれません。
グレーなところがあるのは百も承知です。
グレーな部分がないとうまく回らないこともあります。
でも今回の件はあまりにもえげつないですしひどすぎる。

最後なんてぐちゃぐちゃになってました。
声かけにも開眼しないほどドロドロなのに、N病院は減薬すらしない。
点滴が必要になっても施設看護師は協力をしようともしない。
精神科訪問看護がなぜ入っていたのかも意味不明。

ことの始まりは今年2月に施設長が替わってから。
あれからあれよあれよという間にいろんなことが変わってしまいました。

全国的な大きなグループだから安心というわけでは決してありません。
建物とか立派だからといって、良い介護が受けられるとは限りません。
どちらかと言えばこじんまりとした施設の方が、現場を知らない経営者が余計な口出ししてくるというリスクが減りますし、良い施設長だったりすればその意志がスタッフに行き渡りやすいので良い介護が受けられるかもしれません。

○んぽのことを考えているだけでおかしくなりそうです。

んっ、なんか最後の一文は誤解を与えるようで変?

無駄に医療機関の食いものにされないように、自分でできるケアなど役にたちそうな情報を大公開していきます。