減薬と断薬

一部の人はご存じかと思いますが、自分は減薬・断薬を積極的におこなっています。
今さらですが。

高齢の方は何十種類も飲んでいる方も時折おられ、ご本人もご家族も「本当にこんなに必要なの?」と思っていることも多いようです。
本当にこんなに必要ないことが多いのです。

というか、薬が悪さをしている場合も多々あります
治しているフリして新たな不調を作り、さらにそれに対する薬が追加される…。

血圧やコレステロールの薬なんぞは、基準がどんどん厳しくなっているおかけでお客様(患者さん)がたくさん増え、これらの薬を飲まれている方が多くいます。
血圧の薬は完全にゼロにできないケースもありますが、減薬・断薬は目指せます。
単純に0.5錠ずつ減量し、その後の血圧の変動をみていけば良いのですから。
あまり変わらないことがほとんどだったりします。
1~2週間問題なければまた0.5錠減量するみたいに勧めていけば良いのです。

血圧の薬を複数飲まれている方は、どの薬から減量するかは指導する医師のセンスにもよるかもしれませんが…。
あと最近は「合剤」と言って、2種類の血圧の薬が組み合わさった薬が処方されているケースがあります。
昔からあるAという血圧の薬と、Bという血圧の薬を合体させて、Cという新しい血圧の薬を作り出すのです。
何でこんなことするのかというと、製薬会社は「飲む錠数を減らすため」とか「飲み忘れを防ぐため」とかいいことばかり言いますが、単純に販売から時間たって特許も切れ、薬価が安くなってしまったA、Bという血圧の薬を売り続けていても儲からないから、合体させてCというさも新しい血圧の薬を作ったかのようにみせかけ、高価な薬を作り出しているだけです。

こういう合剤の時は、自分は一度A、Bという薬に分け、そしてそれぞれを少しずつ減薬していきます。
ですから減薬すると言いながら最初はC1錠が、A1錠+B1錠と増えてしまうことになるのですが、そこはしっかり説明して勧めていきます。

血圧の薬は比較的減薬により比較的実感しやすいパターンで、「元気になった」「活気が出てきた」「めまい・ふらつきが無くなった」など感じることが多いようです。
そりゃ、その人にとっての適正な血圧になるわけですから、脳血流を始め内臓の血流も改善していくので元気になるでしょうね。

そして意外と、降圧薬を減量・中止しても、血圧が上がらなかったり、あるいは逆に飲んでいたときよりも血圧が低くなるという嘘のようなほんとの話もあります。
(「嘘のようなほんとの話」ってイソジン事件のときの大阪府知事みたいで嫌ですけど…)

血圧の薬を飲んで強引に下げても、人の体は必要な血圧まで上げようとする力が働きます。
生きるために脳血流維持、臓器の血流維持をおこなおうと、がんばって血圧を上げようとするのですね。
そこで病院に行くと「血圧下がらないねぇ~」となってもう一錠追加されちゃったりします。
そんなことしていればどう考えても体が疲弊してきますね。
血圧の薬のせいで逆に高血圧を引き起こしてしまっている側面もあります。
ですから薬をやめると、逆に血圧が落ち着く場合もあるのです。

コレステロール薬なんかも無駄な薬の代表作のようなものです。
家族性高コレステロール血症など特殊なケースを除いてほとんどの人には必要ありません。
コレステロールは細胞やホルモンの減量になるものですから、無駄に飲んでいれば老化が進むのは必須。
更年期の頃の女性はコレステロール値が高くなりがちですが、それは必要があってのことです。
海外では更年期の年代の女性にコレステロール薬が処方されることはほとんどありません。
コレステロールの薬について本気で書き出すと超長くなるので、またの機会にします。

インシュリンも中止できるケースが多いですね。
もちろん内服薬に切り替えるのですが、自己注射のインシュリンをやめると、元気になることがほとんどです。
それまで体調不良が頻繁に起きていたのがウソのようにおさまったりします。
頭もしっかりしてくる場合もあるくらいです。
医療機関からしたらインシュリン処方して、自己血糖測定をしてもらうと儲かるんですね。
そんなものは必要ありません(もちろんすべてのケースではないですけど。症例数は少ないですが今のところ全例インシュリン中止できています)。

で、結構難しいのが精神薬です。
精神薬を減薬・断薬するのは本人の覚悟も必要です。
依存性のある薬なども多くありますから、かなり難しいです。

精神薬も本当に必要としているのはごく少数だと思っており、無駄にあるいは安易に処方されているケースが非常に多いと感じています。
本当に必要としている場合は、減薬・断薬ができないことが多いのは当然のことです。

一時のうつ傾向で安易に処方された抗うつ薬、抗不安薬を長期間飲んでいた場合、減薬がスムーズにいく場合もあればいかない場合もあります。
そして上記の様に血圧の薬が逆に高血圧を引き起こすことがあるように、不安を取り除く薬の副作用が「不安」だったりします。
普通に添付文書に書いてあります。
逆に作用してしまっているのにそれに気づかないと、どんどん負のスパイラルに陥り、薬漬けの沼にはまっていきます。

ちなみに自分は精神薬の減薬・断薬を目指す際にも、必ず採血でビタミン・ミネラルの確認をし、不足していればしっかり補充をして体作りと並行しながら行っていきます。
というのも種々の神経伝達物質が作られていく際に、補酵素としてビタミン・ミネラルが必要になってくるからです。
自分で安定した神経伝達物質を作れるようになるために体作りは必須です。
それに並行して心をサポートできる作用が期待できるCBDオイルなども併用したりします。

精神薬の減薬・断薬についても書き出すと超長いブログになってしまうのでこの辺にしときますが、ビタミン・ミネラルや神経伝達物質とかだけを考えていれば解決するというものでもなく、カウンセリング的なことが必要なことも多いでしょう。
必要ない人が精神薬に足を突っ込んでしまい、それを減量する際にはカウンセリング的なことは必要ないかと思うかもしれませんが、薬のせいで病気が作られてしまうように、自分ではなんとも思っていなかった過去のことだとか、自分の心の中とっくにで処理できたものが引き出されてしまうケースもあるように思うのです。
ですから、精神薬の減薬・断薬は一筋縄ではいきません

今回はある方のブログを紹介したいと思います。
この方も薬の断薬等目指していた方でした。
遠方に住んでおられ、自分のメール相談にお申し込みされたのがきっかけで関わらせていただくこととなりました。
メール相談で解決できることもあるのですが、やはり直接診察するのとは訳が違います。
自分が知りたい採血検査項目などもメールではわかりませんし…。
で、なんとこの方、札幌に移住されたのです。
この行動力にはびっくりしましたし、自分のことを頼って移住されるなんて嬉しいやら責任重大やら。
でも嬉しかったですね。

ただ札幌に来て、これでもかというくらい不幸な出来事が重なり、結局短期間で地元へ帰られてしまいました。

この辺の顛末はこちらのブログに書かれています。

断薬記(3) 引越し

お褒めの言葉を書いてくれていてとてもむずがゆいのですが…。
診察では雑談を交えながら信頼関係を作っていくのですが、この方のお話はこれでもかというくらいいろんなネタがあり、自分も看護師さんも興味深く聞かせてもらっていました。
これからどう改善していくか自分も楽しみだったのですが、ブログにもあるとおり、純粋なCBDだけではない成分のものを摂取してしまい、そこからガタガタとなってしまいました。
当時、お電話ももらったのですが、様子があまりにもおかしかったので「違う成分が入っていたのではないか?」と思っていたら案の定そのようでした。

結局短期間だけの関わりとなってしまいましたが、地元に帰られてからも不思議なご縁でいろいろな方と関わり合いができ、お元気になられたようです。
久しぶり見メールをいただいたときはとても嬉しかったですね。

ちなみにこの方の人生は本当に濃厚で、ブログの回顧録というシリーズを読めばどれだけ濃厚な人生を歩んでこられたかわかるかと思います。

阪本宗純の「なんでも見てやろう」

現在新しいブログに引っ越し中のようですので、こちらもご贔屓に。

阪本宗純の西洋薬戦記

回顧録1を見ても、札幌に来たことからもわかるようにもともと行動力のある方です。
必ずや自分の目標を達成できるでしょう。
今後の彼が楽しみですし、ブログにも書いてくれていますが、いつかまた患者と医者という立場ではなく再会できる日がくるとことを信じています。

無駄に医療機関の食いものにされないように、自分でできるケアなど役にたちそうな情報を大公開していきます。