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No.1313 キス・くらい!?

略称は「キスクラ」だそうですが、ご存知ですか?
 
「キス・アンド・クライ」は、「フィギュアスケートで、競技終了後に選手と監督が採点発表を待つための、リンク脇のスペースを言う。発表を聞いて喜びのキスを交わしたり、悔し泣きをしたりする場所の意。」のことで、すっかりおなじみとなった言葉です。
 
その命名者は、フィンランドのフィギュアスケート役員のジェーン・エルコと言う人物だそうです。1983年(昭和58年)にヘルシンキで開催された世界フィギュアスケート選手権大会で、イベントに先立ってテレビ局の技術者と共にアリーナを訪れた際に、この場所の呼び方を訊かれ、エルコが「キス・アンド・クライ」と名付けたというのです。
 
「生のドラマの舞台として相応しい名称」だと思います。ジェーン・エルコなる人物の感性と想像力に「ピタッと君!」の敬称を贈呈したいくらいです。数々の名場面で世界中の人々を魅了して来た「キス・アンド・クライ」は、去年40歳を迎えていました。
 
1964年(昭和39年)10月10日、東京オリンピックの開会式で、NHKの北出清五郎アナウンサー(当時、42歳)の第1声が、世界に発信されました。それは、60年前の歓喜の声でした。
「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます。」
 
昨日、2024年パリオリンピックの開会式が、雨の中で開催されました。各国の選手たちがセーヌ川を船に乗って入場行進するという大胆な演出に、32万人もの観客が酔いしれたと言います。型破りで世界中を仰天させる一大企画でしたが、式典では、雨に泣いた演出家も出演者もいたことでしょう。泣く子と地頭と天気が思い通りにならないのは、フランスも同じでしょうか?
 
大会の直前に起きたフランス高速鉄道の施設を狙った放火攻撃は、交通の混乱を巻き起こしました。更に、大会開会式での大雨が追い打ちをかけます。地上も天上も荒れ模様の船出(セーヌ川の行進)となりましたが、きっと「雨降って地固まる大会」を象徴するような展開になって行くのだろうと期待しています。
 
ところで、オリンピックと言えば、選手の誰もがメダルを掴もうと、全身全霊をささげて挑みます。そんな中、優勝者が「金メダルを噛む」ポーズが画像で紹介されます。一体いつ、誰が最初に行ったのでしょうか。
 
諸説ある中で、1988年(昭和63年)のソウルオリンピックの競泳男子200メートル自由形で優勝したダンカン・ジョン・アームストロング選手(オーストラリア)が、その始まりだとされているそうです。「金メダルが本物の金かどうか確かめようとした」といいます。
 
頂点に立った者しか味わえない「喜びのポーズ」ですが、私の中では、2004年(平成16年)のアテネオリンピックの柔道女子48 キロ級で優勝した「ヤワラちゃん」こと谷亮子選手が、愛しい恋人と結ばれたかのように金メダルにキスした時のポーズが、とても印象的で素敵に思われました。噛むよりも、「キスくらい」が麗しい!
 
日本選手だけでなく世界中の選手たちが、パリオリンピックの舞台で、鍛え上げた技と能力をいかんなく発揮して、自分の中で最高の結果がもたらされますようにと祈ります。毎日、応援しています。私たちの歓声と称賛は、あなた方選手のものです!

角田選手(48キロ級女子柔道)、金メダル第1号、おめでとうございます!そのお名前の通り、夏にみごとに実りました!


※画像は、クリエイター・飯田二歩さんの、タイトル「オリンピック開催前」の1葉をかたじけなくしました。「フランスのパリで開催されるパリオリンピック2024に因んで自分なりにコラージュアートで作りました。画像素材はAdobe stockの無料素材を使用しています。」という丁寧な説明も添えてありました。お礼申し上げます。