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No.1259 大物?

先生代の東関親方・高見山大五郎(1944年~)さんは、2023年(令和5年)9月7日放送の「徹子の部屋」に出演しています。今年、6月16日には、傘寿を迎えるそうです。
 
徹子さんが、高見山関が現役の時、ディナーパーティーでご一緒した時のお話です。高見山さんは実にジョークの好きな人で、いろいろ話してくれたと言います。
 
「レーガン大統領が、この間、大統領に就任(1981年1月21日)して、その就任式の式典は、テレビでも中継されて、日本でも見たけど、あの豪華なバラエティー・ショウのすべてを取り仕切ったのは、フランク・シナトラだった。大成功の、この式典のあとで、大統領がシナトラに、いった。
『いやあ、本当に、ご苦労様だった。お礼に、君をイタリアの大使にしてあげようと思うのだが!』
 シナトラがイタリア系の歌手っていうのは、誰でも知っていることだからね。ところが、フランク・シナトラは、当然のように、こう答えたんだって。
『いえ、どうせ、やらせて頂けるんなら、ローマ法王のほうが、いいんですが…』」
みんなは、もう、どっと笑った。ほんとうかどうかは、わからないけど、マフィアとも関係がある、といわれているシナトラだけに、これはジョークだ。こういう洒落た話を、チャンコ鍋たべながら、どこから高見山さんが仕入れるのか、私には不思議だった。(『トットの欠落帖』新潮社、1989年、「相撲」P51~P52 より)
 
さて、フランク・シナトラの大物ぶりのほんの一端を垣間見たわけですが、私は第40代アメリカ合衆国大統領ドナルド・レーガンを大物認定したいのが、次のジョークです。大統領就任から69日後の1981年3月30日、ワシントンで25歳の青年に銃弾で胸を撃たれました。そんな中、絶命の危険性がありながらも妻にかけた言葉に驚きの「ほ」の字です。
 
「Honey, I forgot to duck.」
「ハニー、(銃弾を)避けるのを忘れちゃったよ。」
胸に弾を撃ち込まれ出血しながらも、このジョークで妻の緊張や不安を少しでも軽くしようとの思いでしょうか?誰でもできるかと言えば、「否」でしょう。
 
また、レーガン大統領は共和党議員ですが、緊急搬送先の執刀医に対して、
「I hope you all are Republicans.」
「あなた方が、みんな共和党員だといいんだがねぇ。」
 
重症の中でもジョークを忘れないレーガンの精神力の強さには、呆れるほど感動します。銃弾を摘出する執刀医がライバルの民主党を支持していたら最悪ですが、「事実は小説よりも奇なり」です。実際は、執刀外科医は民主党員だったのだとか?それでも、
「大統領、今日一日、われわれはみんな共和党員です」
と返答してレーガンを喜ばせたそうです。臨機応変の執刀医、イイネ!
 
69歳という高齢で大統領(1981年1月20日~1989年1月20日)となったドナルド・レーガンでしたが、ホワイトハウスを去ってから4年後の1993年に、アルツハイマー病に診断され、2004年6月5日、93歳で旅立ちました。丁度20年前の今日のことでした。


※画像は、クリエイター・「JUNです。」さんが、「ワシントンD.C.に旅行に行ったときに撮った」というアメリカ合衆国議会議事堂の1葉です。お礼申し上げます。