二次ドルコンテンツにおけるメンバー卒業を経て思ったこと


コンテンツや演者にとって、果たして何が最良の道なのだろうか。
単なるファンとしては大きくなれればなれるほどいいじゃんとも思うが、デカくなりゃなったでついていけないという人も出てくるし、面倒事だって増えていく側面も否めない。
一体どこが丁度いいのかなんてこっちが決めることじゃないし、決められることでもない。
自分が推しコンテンツの発展を望むのだって、「その成功体験に自己を投影して何かしらの承認欲求を満たしたいだけじゃないのか?」とは常に自問自答し続けてきたことだけれども、
今回タイトルの通りのイベントに参加した際に初めて自分が何となく推し量ってきた以上の生々しい"もっと"を望んでいた向こう側の声を少しだけ聞いてしまって、なんだろう……ハッとさせられたというか、そういう話なんですが。
考えてみれば当たり前なのかもしれないけども、こちらが望んでるのと同じくらいに、下手すりゃそれ以上に向こうだってもっと大きくなりたいと思ってて、そこから辿り着けるかもしれない未来に希望を抱いて歌って踊ってるんだよな……いやそりゃ当たり前なんですけども。
けれど何だかんだ言って本職アイドルこれ一本ってわけでなく、二次ドルってあくまで声優としての仕事の一つという側面があり、今の時代モノによっては役就任即アリーナなりドームでのライブ登壇というケースもあって、そこまでの帰属意識がメンバーの中にあるものだとはあんまり思っていなかった。
なので本当に新鮮な驚きがあったし、それ故に……余計につらくなってしまったよね……。
卒業していくメンバーへの手紙の中で「一緒にもっと大きなステージに立ちたかった」と涙ながらにこぼしていたのは、まあまあ中々聞けない本音ですよね……大抵どんなイベント、どんな会場でも普通は持ち上げるとこからMCって入るじゃないですか。
「こんな大きなとこで〜」みたいなね。
でも本当はここよりもまだまだもっと大きなとこに行きたいし、行こうとメンバーは思っていたわけで……。
それは本当にまあエモいと同時に、この道半ばの場面で聞くのはつらいとも感じてしまった。
そうさせてあげられなかったという申し訳なさみたいなのとか様々な感情が駆け巡ったし……それでもハニプラはまだこの先があるにはあるのでマシなのかもしれないですけども。
だけれども、このある種プレコンテンツ終了みたいな雰囲気出ちゃってるような場面で聞いちゃうと、それは他の志し半ばにして散っていったコンテンツの場合を思うことにも飛び火してしまって、
美しく、潔く、いい思い出として終わっていったと外から見る分には思えても、やっぱり本当は悔しかったり、もっと大きなとこまでとか、もっと生きたかったとか望んでいたのかな、いたんだろうな……というのを考えてしまって。
もうそりゃ超しんどいですよそれは……メンバー卒業に際してポロっとこぼれた本音ですらこれなのに、況んやサービス終了をやですよ……。
特に今年……まあ今年に限らず二次ドル界、全然跳ねないまま終わるコンテンツが多いんで、その一つ一つにやっぱりこんな本音はあって、そしてこの先もどれかが終わる度にそこにもこんな思いがあるんだろうと意識するようになるかと思うと、
まあ気が重たい……重たいですよね。
新しく付与されてしまった呪いかもしれないですよ、これは……。
それはこの先万が一、いや正直十に一つくらいの可能性かもしれない厳しい現実もありますが、エビストが中途半端なところで終了してしまう時にはきっと意識してしまうだろうし、
それ以上にやはりこの世界、上のステージに登っていけるのはほんの一握りなわけで、そのためには同じようなコンテンツと数少ない椅子を奪い合わなければならないというシビアな現実もあって、
その時に蹴落とした、あるいはリタイアしていったコンテンツを見る度にこの子達も必死に生きていたいと願っていたんだろうな……と思うことになるのかというのがもう、しんどい……しんどいですね。
何も殺さず生きられないとは言いますが、一度こういう生のものに触れてしまったことで意識せざるをえない今この二次ドル界で自分の推しコンテンツの発展を願う裏に発生する罪深さみたいなものは、そりゃまあそういうコンテンツ全部を推せるほど、救えるほど器用でもないしそんな力もないんですが、せめてそのことに自覚的でいようとは今回のことで思ったと、そんな話でした、長々と。
まあ自覚していくことでその内全てに嫌気がさしてしまいそうな予感もありますし、それでどうなる話でもないかもしれませんが……これから先、こんな痛みが全てのところにあって、それを心に留めておくことは大事だよね、と。
何が言いたいか結局よくわからなくなってきたので、そんないい話風で終わっときます。

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