劇場版サンシャインもラ・ラ・ランドもとにかく脂が足りないという話

劇場版ラブライブ!サンシャインを見てきました。
サンシャインという作品の話がこれで全部出揃うわけで、元々そうなってから全部を見通した上でしっかりとしたサンシャインへの想いを書こうかなとは前々から思っていたりいなかったりしたんですが……。
とりあえず劇場版単体を今日見ただけでも吐き出しとかないと若干モヤっとする感覚を得てしまったので、密かにここに書いて流していこうかなと思います。王様の耳はロバの耳的に。


さて、実は先に見てきた人達がここ数日TLにぼんやり流してくるネタバレと言うほどでもない情報からなんとなく「もしかしてこうなのでは…?」という作品へのアタリをつけていたりしたんです。
そして、今回なんというか見終えてからの個人的な感覚ではありますが、それが見事に的中してしまって自分でも驚いております。
つまり、『無印の劇場版がグレイテストショーマンっぽいのに対して、サンシャインの劇場版はラ・ラ・ランド的なのでは?』という予想だったのですが。
これがもう割とビッタリ自分の中で例えとして完璧にハマってしまって、何かグダグダと長ったらしく感想書くよりはもうその一言で簡潔にまとめちゃってもいいんじゃないかなと思うくらいに。
それくらい、サンシャインの劇場版を見終えた時の自分の感覚はラ・ラ・ランドを見終えた時と奇跡のように合致してしまいましたね……。
まあ別に、お話とか映画として似ているというわけじゃなくて(似ているところも個人的には少しはある気もしますが)、見た後の感覚が本当にそっくり。
その感覚……それこそつまり、『イキたい! イカせてくれ!と思いながら最後までイケないまま終わってしまった映画』という感覚なのです。

……いや、いきなりド下な例えで申し訳ないんですけども、本当にそれなのよ……イケないのよ!
微妙にイケないまま終わっちゃうのこの映画!!
なんでだよ!!
TVシリーズではあんなに頑張ってこっちのことイカそうって、過剰なくらい気持ちよくしようとしてくれてたじゃん!!?
そんなご奉仕の集大成である劇場版で何でこんな……快感ゲージが八割くらいまでしか溜まりきってないままで終わっちゃうかな!?
俺はね、今日ここにギットギトの二郎系ラーメンみたいな映画を食べに来てたの!!
劇場版のラブライブっていったらもう原液醤油そのまんまみたいな濃厚エモスープの脚本と、ごんぶっといキングオブ炭水化物みたいなエモ映像のドカ盛り麺で作ったクソエモラーメンの上から恥知らずなくらいエモだけ煮詰めて作った楽曲というエモエモ脂をこれでもか! これでもか! とぶっかけてハイ! もう胸焼け必至のエモ以外の細かい味とかよくわかんねえエモ爆盛りラーメンいっちょあがり!! でしょ!?
それが前作の劇場版ラブライブであり、グレイテストショーマンでもあり、期待されてたのはそういう系の映画のはずでしょ!?
それが何!? 何故!?
こんな……昔ながらの中華そば的なごく普通の美味しい醤油ラーメンみたいなのをお出ししてきよってからに……!!
違うだろうが!! もっともっと(Motto Motto)脂を入れろよ!! エモの脂をよぉ!!!
全然足りないのよこれくらいじゃ!!
もっと恥ずかしいくらい、恥知らずなくらいに入れてくれなきゃイケないんだよこっちは!!
楽曲とかもこうさぁ……見ろよこの前作の脂の塊みたいな挿入歌!! 食べ続けてたら健康に悪くて体壊すからたまにしか聴けないくらいの!!
こういうの!! こういうのが欲しかったの!!
それなのに何かそれも微妙に脂が足りてなくて……。
……いや、それは結局個人的な感じ方の差かもしれんけども……けども少なくとも最後の曲とかに関してはやっぱもうちょっと脂!! 脂欲しいの!!!
それが全体的に本当に足りてないんだよ!!

……そうなんですよ、僕は今回この映画を見る前、あの前作の時のようなエモの暴力にボコボコにされる想像をしては若干の恐怖すら抱いていたわけなんですが、終わってみればなんとも拍子抜けするくらい殴られた箇所が少なかった。
それはもしかしたら僕自身がサンシャインにそれほどの思い入れがないことも一つの原因ではあるかもしれませんが、それを差し引いても尚この映画に関してはやはり脂が足りていなかったのではないかという感想を抱かずにおれません。
いや、恐らく普通に考えるならば脂は十分足りているのかもしれません。
その脂の質だって悪くはないと思います。
でも、もっと暴力的な脂で殺してくるような作品だとばかり自分は思い込んでしまっていた。
それ故に、お行儀の良い量の脂しか摂取出来なくて何だか物足りない。
そういう感覚をして、劇場版サンシャインがラ・ラ・ランド的だという感想を抱いた次第でした。
というお話。

ここからは多少余談になりますが、まあ他にも鑑賞後感だけじゃなく、本編の色々細かいところがこの二作品は似ていたりもするんじゃないかと個人的には思っていたりもするんですけども。
映画始まってすぐに一番エモい歌とシーンが来て、「この後もこのレベルのが続くのか!?」と思ったら別にそうじゃなかったなーみたいな構成とか。
その開始すぐのシーンがとても非現実的な全ての人間を巻き込むミュージカルな辺りとか。
それで歌のシーンに関してはそんな非現実的なものが続くのかと思いきや、以降の歌が歌われるシーンは妙に現実的な形が多かったりとか。
そして歌って踊ってのエモパワーで強引に全部解決!なストーリーかと思いきや、両者ともそうは言っても仕方のない部分は仕方ないよねみたいな冷めた部分が多かったりとか。
なんか、そんな辺りのテイストも両者の共通点だなぁみたいに自分としては感じてしまいました。
そして、何よりそれは決して悪いことではなくて、むしろ人によっては大きく評価出来るところだと思うんですよね。
世の中を簡単に二つに分けてしまうというのもどうかと思いますが、ラ・ラ・ランドの方が好きな人とグレイテストショーマンの方が好きな人の二種類いるとして、
まあ僕はどうしようもなくグレイテストショーマン派なので、こんな感想になってしまったのかもしれないし、
ラ・ラ・ランド派の人なら、サンシャインはむしろ前作劇場版より刺さるところ多いんじゃないかなとも思います、勝手な想像ですけども。
そして実際シリーズの伝統としてしまって味なんか完コピでもいいところを、敢えてここまで劇場版のテイストを変えてきたという、どこまでも前作から脱却しようと頑張っている感じは素直に評価に値すると思います。
ただまあ……その変えた味があんま舌に合わなかったな……という、結局どこまでいってもサンシャインに対する結論はそれになってしまうんですが。
でもそこら辺は抜きにしてしまって、色々言いましたがフラットに見るなら面白かったです、劇場版サンシャイン。
自分は微妙にイケなかったですけども、まあこれはこれで……これだよね。
ラ・ラ・ランドも、そんな感じでしたし。面白かったけどイケない、って。
結局シモで締めるんかい馬鹿ッッ!!

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