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ポストプロダクション。MAという仕事、思い出話編。

ポストプロダクションに10年居たことがありまして、
強烈に印象に残っている仕事があります。

それはCS放送が始まったばかりの頃、
1週間分の1時間番組7本を、約9時間位で仕上げてた事です。
内容はMTVみたいな、MCが音楽を紹介する番組で、深夜放送でした。

これ、予算の都合で営業さんが毎週末9時間しかスタジオを抑えてなかったのです。当時はこんな事が普通でした。
それをクリアするのがエンジニアの仕事ですから、作戦を練りました。

素材は編集されたデジタルベーターカムというテープメディアに4ch分の音が入ってました。ステレオ素材が1.2ch、セリフが3.4ch。

これをDAWにコピーするのに、1時間、作業するのに2時間、DAWからテープに戻すのに1時間。(選曲や音響効果も自分でやるスタジオでした)
普通のエンジニアだったら、このようにすると思います。
でも、それでは時間内に終わらないので自分はこうしました。

まず以下のような定義を勝手に作りました。
「CS放送の深夜枠なので、見ている人はそんなに居ない。音は鳴っていれば良い程度であろう。セリフがしっかり聞こえればいいので、BGMは雰囲気があえばよしとする。カット変わりからBGMスタートが好ましいが、フェードインでよしとする。効果音もフェードインする音を選んでおく。」

上記を踏まえて、
デジタルベーターカム(デジベ)→SSL→DAW→SSL→デジベという、
コピースタイルにして、映像ごと新しいテープにコピーしてしまうのです。

話し手のセリフをしっかり聴きながら、BGMをCDでフェードインスタートさせ、効果音はサンプラーからキーボードで叩くようにして
1時間の番組を、約1時間ちょいで終わらせてました。

この時に身についたのが以下でした。
「定義を作る。セリフをしっかり聞く。次にどんな映像が来るか予測する」
という事です。

さらに、映像編集スタッフとのコミュニケーションも大事という事がわかりました。
ステレオ音楽を必ず1.2chに入れてもらう。ピンマイクは3ch、ガンマイクは4chという風に、映像編集エディターに協力して頂いてました。

この時、21才くらいだったと思いますが、若さあって思い切った事をしたなと思いますが、この時の作業が今でもとても役に立ってます。

以下、宜しければお使いください。


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