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どうせ2日で終わる日記-40-【1/24-1/30】

ども
今日は休日だというのに過去の自分に押し付けられた仕事を一手に引き受け大学に行った。
休日ということもあるため研究室に殆ど人がいなかったという点ではこのご時世の活動として正解なのかもしれないが、1日で到底終わる量では無かったので家に辿り着いた頃には居間のテレビに深夜番組が映し出されていた。

そうした訳でこの日記の更新も日が変わってからの更新になってしまった。
卒業研究は計画的にやらなければならないという事は念を押して後輩たちに伝えていきたい。そうしないと疲労困憊で泥になりたい気分のまま日記を書くことになる。

今週読んだ本

久々のこのコーナーを飾るのはこの本だ。

このサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』は科学書としては珍しくベストセラーとなった稀有な例であり、読んだことのある人も多いのではなかろうか。
例に漏れず、この本も高校生の頃購入してから本棚でじっくり熟成し続け、今週やっと食べ頃と見極めた。

内容といえば、一言で表すなら「スマブラ(数学)」だ。
本書には厳密な数学的な議論が殆どなく、一般向け科学新書よろしくふんわりとした解説がついている。一応いくつか少し厳密な話はあるが、そこまで難しい内容ではなく、高校生でも容易に理解できる程度には噛み砕かれていると思う。
この本はこうした数学的な議論よりも、数学者のフェルマーの最終定理を巡るドラマに多くの紙面を割いている。

そういう訳で、この本には非常に多くの数学者が登場する。
ピタゴラスから始まり、ユークリッド、ディオファントス、フェルマー、デカルト、オイラー、ガロア、ガウス、ヒルベルト、ゲーデル、ワイルズ……と著名な数学者は殆どすべて登場すると言っても過言では無い。
日本人も何人か登場する。
特に、ワイルズがフェルマーの最終定理を証明するにあたって非常に重要な役割を果たしたことで有名な志村五郎と谷山豊のエピソードは非常に深く語られている。
フェルマーの最終定理から派生し、女性の数学者にスポットを当てた話も語られ、時代に押し付けられた重荷を天才が背負わされていたかも語られている。
フェルマーの最終定理といえば、一般的にはフェルマーとワイルズ、そしてその証明に大いに貢献した志村五郎と谷山豊のエピソードを述べることに腐心しがちだが、この本はそうでは無く、フェルマーの最終定理という問題にどれほどの数学者が魅力され、困惑させられ、感動させられたかを歴史に沿って述べる構成を取っている。
フェルマーの最終定理はそれがフェルマーによって提示されて以降殆どの数学者が目を輝かせてきたため、必然的にほとんど数学史を辿るような構成になったのだ。

付け加えれば、フェルマーの最終定理が分野横断的であったこともこのスマブラ感を強めた要因だろう。
何はともあれ、数学に興味を持ち始めている高校生や問題を解くのは苦手だけど数学の話を聞くのが好きな人は特におすすめかもしれない。


革新的サブスクリプション

Geoguessrというゲームが好きだ。
この話は以前もしたと思うが、改めてGeoguessrについて簡単に簡単に説明すると、このゲームはGoogleMapのストリートビュー機能を使ったクイズゲームだ。
ランダムにストリートビュー上の地点に飛ばされ、そこから制限時間内にヒントを探し出し今いる場所がどこかを当てる。

このゲーム、やってみるとわかると思うが簡単で地味なルールの割に存外面白く、中毒性がある。

ただ、このゲームを友人とプレイする際には、マッチングルームを作る必要があるのだが、これが有料アカウントでしか作ることができない。
つまりサブスクリプションだ。

この現代社会においてサブスクリプションという形態のサービスはもはや当たり前の存在となった。
企業としても安定した収入が入るのは嬉しいし、顧客としても毎月1000円程度でサービスが使い放題ならいいだろうとつい財布のひもを緩めてしまう。
サブスクリプションは社会の取引においていまや欠かせない存在となった。

ただ、この一見人畜無害な兎のようなサービスは、一度利用総額を見たら最後、野の獣となり猛り狂いながら突如として牙を剥き始める。
毎月1000円だと仮定すると、確かにひと月1000円ならいいか、などと考えてしまいがちだが、これを支払い続けていると、半年で6000円、一年間で1万2000円がかかる。
ありがちな計算だが、やはりこうしてみると少しギョッとする自分がいる。クレカの個々の支払いは覚えているのに総額に身に覚えのないあれと同じだ。ラテマネーの一種なのかもしれない。
それに、「いつも使ってるもんな~」と加入して利用してみると、意外と使わないということが起こりうる。
使わないのだったら解約すればいい話だが、また使う時に再度契約しなおすのも結構面倒臭い。
こういう事態に直面した時、「俺、搾り取られてんなぁ~~~」と実感することができる。

実を言えば、僕もニコニコ動画のプレミアムアカウントなんかも未だ継続中だ。ほとんど使ってないのにだ。
まあ、これは僕がニコ生や動画投稿をしている以上、一度走り出したら止まれないので仕方のない側面もあるが。
ともかく、サブスクリプションは計画性も記憶力もやる気もない人間にとっては危険なものになりうる力を秘めている。あな恐ろしや。

さて、話を戻すが、実を言うとGeoguessrも去年の冬の初め頃に有料アカウント登録して以降、登録しっぱなしだった。
有料、といっても月数百円程度で、今後も遊ぶだろうと考えたから登録したわけなのだが、意外と年末から現在にかけて忙しくなってしまい、あまりプレイする時間が取れなかった。
そしてなんならGeoguessrの有料アカウントを作ったことも忘れかけていた。

そんな時分、研究の休憩がてら友人と少しだけGeoguessrで遊ぶことにした。
その時になってやっと自分がこれにお金を払い続けていることを思い出した。
「あ~、そういえば払ってたっけなぁ~……結局あんま遊ばなかったし、無駄遣いしちゃったなぁ~……」
などと考えながら2時間程度遊び、つかの間の休息を終えた。

研究を進めながらふとメールをチェックすると、1通のカードの利用メールが届いていた。
何か買った覚えはない。
少し嫌な予感を覚えながらメールを開いてみると、取引先はGeoguessrだった。

その時、僕は軽い衝撃を受けた。
そういえば遊ばなかった先月引き落とされた記憶もないし、メールが届いたのも先程のようだった。
ということは、もしやこのGeoguessrのサービスは、利用した月のみ料金が発生するシステムなんじゃなかろうか!?!?!?!??
思わず感涙に咽ぶ。

これは画期的だ。
これまでサブスクリプションといえば、基本的には毎月どれだけ使っても定額が引き落とされる。
これは裏を返せば、どれだけ使わなくても定額が引き落とされてしまうのだ。これは消費者にとっては痛手となる。
しかし、このGeoguessrはちゃんと利用した月だけ引き落としてくれる親切さを兼ね備えていたのだ!
このようなサービスが増えれば、消費者と企業が共に歩み寄り添った優しい社会の形成が叶うのではないだろうか。騙し騙され、生き馬の目を抜くような厳しい社会はこの革新的サブスクリプションでおさらばだ。嗚呼、素晴らしきかなGeoguessr……!


……という日記を書こうと思って途中まで書き進めていたのだが、ふと気になってもう一度メールを確認してみると、僕がGeoguessrをプレイする一時間も前に引き落とされていたことが判明した。
つまり、結論から言えばこの話は全て僕の勘違いであり、Geoguessrはこのような革新的サブスクリプションサービスを展開していないし、そもそも先月も遊んでいたし、ちゃんと先月引き落とされていた。
折角社会に対して希望の光を見出していたのに、一瞬で光は暗雲に閉ざされ、僕の心という大地は冷え切ってしまった。文章が途中からやや雑になっているが、そこの切れ目は僕がこの事態に気が付いたことを示している。

しかし、かといってここまで書いたものを丸々消して違う内容を書きなおすのもなんか癪だ。
したがって、これは僕の黒歴史としてインターネット墓標にしっかりと刻み込んでいくことにした。
この卑しき道化のおきあみを、どうか、笑ってやってください。

う……

うぅ……

うぅぅぅ…………



まあ泣いてばかりいても仕方がないので気持ちを切り替えていく。
冒頭でも話した通り今日は帰るのが遅くなったので更新が日付を跨いでしまった。
できれば日付を跨ぐ前に更新したいという気持ちは一応あるので、今後はなるべくこの日記も研究も後回しにしないで計画性をもって進めていきたい。いければいいな。

それでは。

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