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どうせ2日で終わる日記-41-【1/31-2/13】

どうも、おきあみです。
先週は卒業論文のこともあり猫の手も借りたいほど忙しく、日記を更新することさえままならなかった。
今週は少しばかり余裕がーーとは言っても教員からの返信待ち程度の余裕だがーーあったため、こうして二週間分の日記を一気に投稿することにした。

今週食べたもの

そんなドクター中松じゃないんだから、などと思わないで欲しい。
大抵ここでは今週読んだ本などを紹介するのだが、それも叶わなかったここ最近だと、こうして紹介することが食べたものしか無いのだ。
ただ、やはりこうして特別何か形として記録を残す以上、普段の食生活を好評するという訳では無く、ちゃんと面白かったものを紹介しようと思う。

さて、先週末くらいの話だが、知人からこんなものを貰った。

七條甘春堂の「京豆水」だ。
僕は初めて見たのだが、なんでも小豆豆腐と言う食べ物らしい。
ただ、見た目はどう見ても羊羹だ。
羊羹の母体みたいな形をしている。おそらくここからみんなが食べている細長い羊羹が出てくるのだろう。あれは子供の羊羹だったのか。

食べてみると普段食べている羊羹とはどこか違う食感だった。
味は完全に羊羹なのだが、かなりモチモチとしており、水まんじゅうを食べているような感じだった。
原材料を見てみると葛粉が入っていたので恐らくこれであのモチモチ感が出たのだろう。
名前にあるような豆腐のような食感は無く、また見た目のような羊羹様の食感も無かったので、何だか食べていて不思議な気分になった。
それでもこのモチモチ具合はクセになり、上品ながら甘味も強く感じることができ、大変美味しかった。

ただ一つ気になったのが、

真相は闇の中

この小豆豆腐のパッケージの裏にこの様な豆知識が書いてあった。
日頃クイズで余暇を過ごすくらいにはクイズが好きということもあり、この様な雑学には目がないため、最初は「へ〜」などと言いながら興味深く読んでいたのだが、ふと気になって調べてみるとどうにとこの「小豆のとうふ」なる諺を見つけることができない。
個人ブログ程度ならいくらでも見つかるのだが、それ以上のしっかりとしたソースが見つからないのだ。

もしかしたらこれはこのお店の造語なのでは??

などと言う考えが頭をよぎってしまう。
まあそうは言ってもそれすら裏取りが出来ないため、口に頬張った小豆豆腐と共にモンニョリとした知識を味わうことになった。


さて、今週は実はもう一つ面白いものを食べた。
それがこいつだ。

そう、皆さんご存知ミドリフサアンコウである。
え?知らない??なんで?????
かのミドリフサアンコウをご存知ない???アンコウ目フサアンコウ科フサアンコウ属に属し日本近海の大陸棚から大陸斜面上部にかけて生息する緑の斑点が特徴的なミドリフサアンコウをご存知ない!?!?!??!?
鰓腔内に水を溜め体を膨らませることができて、底引網で良くかかるクセに食用には殆どならなくて、そのくせ丈夫だからと水族館で比較的良く見ることができる深海魚としてその見た目のブサかわさと相まって人気が高く、おっとっとの深海魚版が出た時にはそのパッケージを堂々と飾るまでしたあのミドリフサアンコウを!?!?!?!???

……ふぅ、申し訳ない。
僕としたことがつい昂ってしまったようだ。
さて、そんな訳で今週このミドリフサアンコウを食べた。
なぜ食べたかと言われれば、手元にあったら以外言いようがない。
強いて言えば、僕が懇意にしていただいてる漁師さんから要らないからと頂いたのだ。
それで、この魚、あまり食用にはならないのだが、東海地方の一部じゃアカアンコウなんて名前で売り物になっているらしく、それにこんな見た目だが一応アンコウの仲間なので、それならば食す価値ありということで、食べてみることにしたのだ。

そういう訳で早速冷凍したものを家に持ち帰り流水で解凍していたのだが、帰ってきた親に「気持ち悪い見た目だね」とニベもない言い草をされてしまった。なんでや!可愛いやろ!

解凍中のミドリフサアンコウ。皮がゆるゆるな所為でしわくちゃになってしまった。

さて、解凍も終わりいよいよ捌くという段階に入るのだが、実はこの魚、簡単に捌けてしまう。
というのも先程述べた様に、この魚はエラに水を溜めて体を膨らますことができるのだが、これは言い換えれば皮膚の下に水を溜めるということでもあるのだ。
そう言う訳で、実はこの魚、肉と皮膚が分離しており、口元に切り込みを入れるだけで簡単に剥けてしまうのだ。
鱗も皮膚に埋没したような状態なので、皮膚さえ剥ければあとは簡単。

たらこ唇もいいとこ

という訳で剥いた。
包丁だとやりにくかったので、ハサミで口の周りをチョキチョキと切っていき、あとは力任せに引っ張るだけ。
こうなると流石の僕もグロさと可愛さの中間地点くらいには到達したと感じる。
大きくつぶらな瞳がこちらに何か訴えかけているような気がしたので、早めに全て剥いてあげることにした。

これほど綺麗に剥けるとは思っていなかった。

全て剥き終えた時、覆面キャラの覆面を無理やり引っぺがしたような、そんな罪悪感に包まれた。
ミドリフサアンコウが恥ずかしそうにこちらを見ている……。

剥いだ皮はかなり丈夫でいくら引っ張っても破ける気配は無かった。
以前Twitterでこの皮を使ってランプシェードの様なものを作っていた人がいた様な気がするが、まあそれくらい伸縮性と強度に優れていた。

さて、ここからはもう簡単だ。
内臓を取り出し、口や鰭などの要らない部分を取り除いていく。
アンコウだからあん肝!とも考えたが、そこまで鮮度が良い訳でもないので今回は見送ることにした。どうしても魚の内臓は食べるのに勇気がいる。

え、誰?

そう言う訳で全ての処理を終えたのがこちらだ。
もはやあのカラフルでブサかわいい姿は見る影もなく、これから食用になるぞという気概だけが感じられる姿になってしまった。
しかし、こう見るとあの毒々しくとても食用には思えなかったミドリフサアンコウも、中々食用魚としての風格が出ているのでは無かろうか?
体の半分ほどが頭なのであまり食べるところがないのが玉に瑕だが。
何はともあれ下処理は終えたので、後は鍋に入れるだけである。
既に煮込んであった野菜と共にグツグツと煮出していく。

ものの5分もすればこの通り。
元々水っぽい体だったこともあり、煮出した瞬間から身が見る見る縮んでしまい、元の体の四分の三程度の大きさにまでなってしまった。

温泉に浸かってるみたいで可愛いね

という訳で無事完成した。
果たしてあのカラフルでキュートなベイビーは、どんな味がするのだろうか。
早速皿にとりわけてみる。

こう見ると最早普通の白身魚だ。
さて、お味の方は……

……

…………

……ふ……

……ふつ〜〜〜〜〜!!

え!?ナニコレ!?
すっげぇスタンダード!!
駆け出し冒険者用の白身魚!?!?
めちゃくちゃ標準的な味がする!!!

……いや、美味しいよ。
確かに美味しいが、これと言って特筆すべき旨味がある訳でも無く、かと言ってタラのようなホロホロと崩れる身の食感も、モチモチとした食感もある訳ではない。
良くも悪くも普通の白身魚という感じだ。
アンコウの仲間なのだからアンコウらしさがあるのかなと期待したが、そこまで柔らかくない。
家族と食べたのだが、皆「あっ、うん、うん……美味しいんじゃない?」くらいのリアクションだった。

一般的に深海魚は身に油分が多い傾向があるのだが、この魚はそんな事はなく、どちらかと言えばあっさりとした雰囲気があった。
改めて言うが、美味しいことは美味しい。
多分スーパーに売ってたら普通に買う人がいるくらいには美味しい。
ただ、高級魚となり得るかと言われるとそこは首を傾げてしまう。
そういう意味では庶民向けの魚なのかも知れない。
近年は深海魚の需要が高まっていると聞くし、この魚はいずれスーパーにサンマやタラと肩を並べて陳列されるようになるポテンシャルを秘めているように思えた。

もし読者の皆様でミドリフサアンコウを入手する機会があったら、ぜひ一度食べてみて欲しい。そしてそのポテンシャルをその身で体感して欲しい。


さて、そういう訳で今回はここまでとする。
一トピックしか無かったが、思った以上に書けたのでまあ良いだろう。
たまにはこういうブログらしいブログがあっても良いじゃないか。
また来週あたりは忙しさがぶり返して更新できるか怪しいところではあるが、その時はまた連絡するので、よろしくお願いします。

それでは。

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