33歳&「がん」　＃第5幕・いい人生、幸せな日々。

がんになって

髪が抜けて、眉毛が薄くなっても、
みじめに吐いて、手足の指がしびれても、
免疫落ちて熱が出て、
止まらない咳や鼻水に苦しめられても、
大きな口内炎ができて、食べることさえしんどくても、
仕事もまともにできない日々の中、罪悪感に苛まされても、
大量の点滴投与に苦しんでも、
落ち込んで不眠になって、悩みに沈んで涙しても
オレは、オレです。

それでも、オレは笑ってられます。
大好きな人たちが送ってくれるたくさんの言葉や、心のこもった贈り物。
涙が出るほどの、みんなの暖かい心のおかげで、
オレは、笑っていられます。

いつも作ってくれる、手作りのお菓子。夜の電話。
お見舞いのお花や本に、果物。長野の友からのリンゴやお米。
東北の仲間が贈ってくれたお品。一缶のドロップ。
お守り。絵が描かれたレトルトカレー。
はるかオーストラリアから届いた綺麗なブックマーク。
作っては壊す楽しいおもちゃ。一杯の淹れたてのコーヒー。
四国の道。たくさんの手紙。

「この日会えるなら会おうよ」と気軽に誘ってくれる、その言葉。
「元気？」「無理しないでね」「待ってるよ」の、たくさんの心。

みんなのおかげで、がんと闘いながらでも
オレは毎日笑っていられます。

いい人生、幸せな日々。

この病との戦いがどうなるかは、正直まだまだ全然わからないけれど
みんなとの日々をずっと過ごせるように
苦しみも幸せも、自分の弱さも、受けた愛も
全部全部受け入れて、諦めずに一日ずつ、一瞬ずつ、生きていきます。

こんなオレだけど
これからもみんな、どうぞよろしくお願いします。
いつも本当に、ありがとう。

2023・11・26  オケ