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病院で「ブラック・ジャックで見たことある!!」と叫んだ話

 

こんにちは。「それは手塚漫画が通過済み」が口癖のよしきちです。
漫画が大好き。 

手塚治虫と言えば、言わずと知れた漫画の神様ですね。 
 
非常にレアケースだと思いますが「手塚……?知らない」と言う方が居ましたらリンク先で確認して1分以内※に戻ってきてください。
※それ以上見ていると、のめり込んでしまいこちらのことを完全に忘れるからです。


そんなわけで手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』はご存じでしょうか?
勿論皆さん知ってますね。愚問でした。

ご存じの通りブラック・ジャックは数ある手塚作品の中でも圧倒的人気を誇る作品です。
 

ですが 

「漫画だし全て作り話。フィクションだよね?」

そう思ってはいませんか?

いえいえ、そんなことはありません。
なぜなら実際にありえる話だからです。

……それではおまたせしました。 

「ブラック・ジャックで見たことある!!」 と叫んだ話、開幕です。


不発弾


20XX年、冬。

当時、新しく導入された装置でワンオペ試験をしていたよしきち。


試験内容をざっくり言うと
『金属を数百℃まで加熱し、レーザー顕微鏡で観察する』
ってな感じです。  


高温レーザー顕微鏡の概念 


そしてこの試験では、観察対象が今何℃かが非常に重要になるわけで。
温度管理が大事なわけで。

温度を測るための準備として、観察する試料(直径5mm)の端っこに
髪の毛の細さ且つ長~い熱電対(装置と接続させる)を
乗っけまして。

※詳しくは下図

熱電対の先端と試料を、でっかいピンセットみたいな器具で挟み込み、
電気を通してバチン!とやりまして。
この二つをくっつける必要があったわけなんですが、
これが中々難しい。

これ以上ないわかりやすさ


直径5mmほどの試料ですが、真ん中は観察面なので触れてはいけません。
ですので端っこギリギリを攻めて狙い撃ちする必要があるんです。  


……ちょっと待てよ?
どこを持って作業したらいいんだこれ。
だいたい物理的に手が一本足りなくない???

 

散々格闘し、なんとか上手いこといったら。
びろーんと熱電対を垂らした試料を、
今度はギリギリ入る大きさの試料台にセットして……


なんだこの繊細さしか無い作業。 



折り鶴が全く折れず、戦力外通告を受けたことがある、
そんな女に、定時後に任せていい仕事じゃない。

残業に疲れ果て「キー!!キキー!」とモンキー丸出しで戦っていたら
手が滑り、熱電対が砕け散って手にブッ刺さった。


21時を過ぎた、1人きりの試験室。
終わりの見えない作業に心身ともに疲れ果てていた為、
刺さった熱電対は冷静にピンセットで除去。

念の為、刺さった部位を顕微鏡(NOT高温)で確認してから
引き続き作業をしたとさ。

 

帰ってきたあいつ


熱電対が刺さってから4年後、春。

気が付いたら手のひらに立体感が出てきた。
ゴリっとしてる。うっすら黒い。

微かに痛い。めっちゃ痛いんじゃない、微かに。

なんかが居る


なんか居るだろこれ。

……まさかとは思うけど4年前の???
あの時のあいつがまだ生きて?
いや、そんなバカな。もう4年だぞ……? 


まさかとは思えど右手は疼いてきた。
こうなると、どんどん気になってくるし
嫌なボディピアスに思えてくる。 

このままだと進化してミギーみたいになるのでは?
寄生獣と共存できるかしら? 
いや、人間こそが地球の寄生獣じゃないの?


 
「現実逃避やめろ」
「早く病院に行けばよくない?」
「答え出てますよね?」

読んでいてそう思うだろう。 
書いていて私もそう思う。 


じゃあなんでウダウダ言っているのか?
それは



掻っ捌いて 肉を開いて 出す


そんな単純且つ、蛮族じみた医療行為になるのが目に見えているからである。

異物感はめちゃくちゃ気になる。でも捌くのは怖い。 

捌く……捌かない……切り裂く……このまま……。
どっちも嫌だ。
寝たふりしてる間に出て行ってくれ。


そんな感じで過ごすこと数日。
出て行かなかったので病院を探すことになるのであった。


医者はどこだ


手を掻っ捌いてくれそうな病院は、徒歩10分の場所にあった。

行くのを決意したものの、嫌なものは嫌だ。
歩いて10分の距離が滅茶苦茶長く感じる。
掌をパン!とやってボン!と地につけたら出ていかないかな、この塊。  


 ……出ない。 



仕方ないから腹を括り来院だ。 
ここからはアイコンが喋ります。



勢いが良過ぎたので仕切り直し。 


経緯を説明したらまず触診。 




レーザーで砕いたりとかできないかしらと期待するも。 




ホスピタル


医者はてきぱきと看護師さんに麻酔の準備を指示。
違う部屋へと案内される。


処置室の雰囲気怖い


ひんやりした部屋。すさまじい緊張感。もう帰りたい。


なにこのベッド。患者を寝かせて腕を固定して?
完全に今から薬物注射で処される感じなのでは? 



看護師さんが入ってきたぞ。 





 手に注射をするって 痛いんだなあ。よしを。

 

 


~医者再び登場~ 




2人に阻まれて見えない右手。そして何かされてる感覚。
切られてる感覚が気持ち悪い。あとどうしたって痛い。

でも以前指を縫われた時よりはマシだなあと天井を見る。 


ときには真珠のように


単純な手術だったので、印入れてズバーっと切って貰ってですね。

2人の声が響いたんです。 



やはり予想通り熱電対があったか。
捌かれ損にならなくて済んで良かったな~



何故かそれを切り始める医者。

 

 



「ブラック・ジャックで見たことある!!」

  



BJ『ときには真珠のように』より引用

 

 

 

~切った痕を縫合中~ 



出てきた米粒(仮)と熱電対を見つめる医者




しめくくり


そして……。 


術後すぐ病院で撮った


捌いたあとを縫って貰いまして。  

 


 ※傷口注意!!!※ 


 

術後の状態


徐々に治っていきまして。 

 


傷を宿す


絆創膏で済む傷口になり 

 

 

~完治~


今はこんな感じです。
切った跡が解らない、治癒力ってすごい。


そしてブラック・ジャックは最高なので「ちゃんと読んだことがないよ~」って方は是非読んでください。


一から読めるのハチャメチャに羨ましい。

 

因みに今回の記事のサブタイトルは全部ブラック・ジャックからです。
とにかく読んで欲しい。

 

個人的には豪華版が重厚感もありおすすめです。


~fin~


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