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ココアピクルス追悼記 #4

4と言えば、僕の誕生日が4月です。
今年で21歳かと思うと、え?もう21歳?!って思います。
21歳なんておじさんですよおじさん。そんなおじさんが今日も演劇のことを書きますよーと。


ぶっちゃけ今日見たのは面白かったから早く記事を書きたい!!


今回はこちら。

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「スープ」
The 黒帯
2009(2013)

どんどん知らない劇団になっていきますね。
今回も昨日の「荒人神」と同じで、2018年に行われた観劇三昧のランキングイベント「観劇三昧手のひらフェスティバル2018 演劇関ヶ原」のノミネート作品から選びました。

せっかくなので、イベントのリンク貼っときましょう!色々見れるよ!

https://v2.kan-geki.com/festival/kan-fes2018-awards-list

「スープ」はどんなお話かっていうと、

~あらすじ~

”囚人達は残された時間をどう生きるのか”

街の中心部からさほど遠くない場所にある、拘置所の一角。
囚人達は、心のケアとしてのグループセラピー、および集団処遇再開のモデルケースも兼ね、来週視察に訪れる法務大臣の前で『オズの魔法使い』を上演することになっていた。
そんな折、彼らの担当として新人刑務官「伊那村」が着任したのだが・・・

と、こんな感じ。

おや、ヒューマンドラマ系かな?と思って見始めたのだけど、

めっちゃフィクション入ってくる。

さも「私普通の劇ですよ」って顔しながら、

いきなり超展開になったりする。

この、先の読めん展開がすごく良いんです。クセになります。
あれですな、ディズニーの「魔法にかけられて」での急な実写化に驚くみたいな現象と同じイメージですな。


はい。

ジャンルとしては、人間ドラマ&ファンタジーなのかな?
不思議な体験をしたい人おすすめ。

冒頭30分の体験映像もYouTubeにあったよ!

https://www.youtube.com/watch?v=we73b-C0-ho


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つまりミシュランです。

好き   ★★★★★
夢っぽさ ★★★★★
異空間  ★★★★☆
笑い   ★★★☆☆
人物像  ★★★★★
舞台の幅 ★☆☆☆☆

好きだーーー!!

なんというか、時間を気にしなかった。シークバーを一度も見なかったよ僕は。
それこそ魔法のような不思議な魅力があります。

惹きつけられる一番の理由は、テーマの一つである「夢」を、Mや照明をつかって全力で表現している点だと思います。

夢というものの曖昧さや危うさみたいなものがビシバシと伝わるので、こっちも目を離せずにはいられません。
関係ないかもだけど、見てて「まどマギ」を思い出したなぁー。なんかそんな感じの曖昧さ。
正直ああいう不思議な世界観が僕の趣味なんだろうな恥ずかしながら。

舞台の幅は、僕が所属している某劇団三日月座の舞台くらい狭いです。笑えるくらい狭いです。
しかしながら、その中で舞台装置(主にゴム紐)(ゴム紐?!)を使って牢屋や壁や台座や洞窟みたいなものや迷宮やライオンの尻尾や証明書や髪の毛などを表現していく様は圧巻。全部ゴム紐なんやでこれ。もはや中盤から、次はどんな風にゴム紐が使われるのだろうとワクワクする始末。

でもどんだけゴム紐が使われようと、まあいっか夢のお話だしなって思っちゃうのよね。すごーい。

笑いどころはあまりないです。はい。

あとは、なんか登場人物がすっごく愛らしく描かれてるんですよ。

「この人たちとお話ししたいなー」って思うのよ。

はい。そんな感じです。有料会員登録したらぜひ見てみてください。




ネタバレ&感想!!!!

まず世界観がヤバいね。何だ「夢に入れる」って。
序盤に、謎の回想シーンがあるなぁ。回想シーンにしては現実の人がいるなぁ。どういうことやねん。って思ってたらな。夢かーい!!!

でも、ここは拘置所。そんな人たちが見る夢は大体自分のトラウマの夢なんですね。

そんな人たちの夢の中に入っていくというのがこのお話です。

主人公で、新人看守の伊那村は、過去に自分が父の夢に干渉したことで父を自殺に追い込んでしまったことから、夢への干渉をしないと心に決めていました。

しかし、同じく夢の中に入る力を持つ、囚人の「バース」と出会い、彼は少しずつ変わっていきます…。

いつのまにかあらすじになってる!!!


真面目にやりましょう。

伊那村さんは、夢に干渉しないと言ってましたが、彼は夢だけじゃなく現実の人にも干渉していなかったよなと、見終わった後に思いました。

彼はオズの魔法使いで言うところの、ブリキ人形なんですよね。中盤、バースの態度に対して怒りを表したときも、バースに言われるまでそれが「怒り」であることには気づきませんでした。

しかし、バースとともに囚人の塚田を夢の中で助けたことで、恐らく伊那村の中で「人に干渉すること」に対する考えが変わります。

ラストシーンで伊那村は、初めて自分の夢を見ることになります。その夢は、囚人たちが見ていたような過去のトラウマの夢ではなく、バースの夢でもあった、オズの魔法使いを全員で演じる夢でした。

そこで伊那村は自分をブリキ人形であると認めますが、その代わりにバースの遺品を見ながら、夢の中のバースに向かい「もう心はもらった」と言い、幕が下がります。

囚人と看守という関係でありながら、伊那村は自分の中の心のありかを、囚人であるバースに気づかせてもらえたのでしょう…

ってあらすじになってる!!!!


はい。

多分感想を加えられないくらい、わかりやすい作品だったんでしょう。とにかく面白かったです

それだけ!!



(流石に塚田の夢のシーンは一部無理があるなと思いました。竜巻とか。でも塚田の夢に入った瞬間のピアノの音とか狂気的MAXで最高でしたね。これもう一度見ましょう。)

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