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ココアピクルス追悼記 #19

効率化が進む世の中。この記事もどんどんスマートにしていきましょうね。

今回は、経済学部の友人に勧められた作品です。アカデミー賞らしいので、そこら辺にも期待して見ていきましょう。




今回はこちら。

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「ビューティフル・マインド」
シルヴィア・ネイサー
2002

友達からは、天才数学者の話だよ~とだけ聞いてました。何そのざっくりとしたあらすじ

んー、「ビューティフル・マインド」ってタイトルだから、自己啓発系かなぁ?
と思ってた時期が僕にもありました。

めっちゃ重かった。特に中盤。

とりあえずあらすじ

ジョン・ナッシュは、天才であるがゆえに国際的な諜報活動に巻き込まれ、その先に待つ衝撃の真実に立ち向かう

Amazonプライムのあらすじからどうでもいいところを削ったらたった3行になっちまった!!

シンプルイズベストとは言いますが、ここまで来るとシュールですね。

ジョン・ナッシュは経済学で有名で、ゲーム理論とかの生みの親です。ノーベル賞を受賞してます。このお話も実話を元にしたお話で、ヒューマンドラマです。




ネタバレあらすじ

てか、ジョン・ナッシュを演じるラッセル・クロウの演技が滅茶苦茶上手い。
ナッシュは、典型的な「天才」タイプの人間なのですが、その挙動不審な感じや人を寄せつけない雰囲気などが、非常に作り込まれてました。

はい。

物語の序盤は彼の大学時代のお話。
周囲とのコミュニケーションが取れないナッシュが、悪友かつ唯一の親友「チャールズ」と出会い、彼に励まされ成長していく過程が描かれます。

時は流れ、ナッシュは大学の准教授になり、そこで後の妻アリシアと運命的な出会いを果たします。
チャールズにも姪っ子ができ、幸せな生活が始まると思った矢先、物語の中盤に差し掛かる所で「諜報員」や「ソ連の原子力爆弾」、「暗号解読」などの物騒な単語が並び始めます。
なんとナッシュは自身の数学の才能を買われ、極秘任務として国際的な諜報員を任されるようになったのです。

しかし、物語の中盤で全てが覆ります。

物語の中盤、「ナッシュは統合失調症である」と告げられます。

「諜報員」という仕事は、彼の病気の影響で創り出された妄想であり、それだけでなく、「チャールズ」という友人でさえ、彼の妄想であったことがわかります。

中盤からは、彼とその妻アリシアが、どうやって統合失調症と闘ってきたかを描いた映画になっています。
この先はご自分で鑑賞をしてみてください。


かんそー

過去に「ト音」という作品をやったんですけど、その話も「イマジナリーフレンド」という妄想の友達が出てくるっていう作品でした。

この作品でも、ナッシュは「チャールズ」という妄想の友達を作り出してしまいます。

でも、ナッシュにとってチャールズがめっっっちゃくちゃ大切な存在ってことは見てればわかるんですよ。だけど、チャールズが居るせいで、ナッシュは狂気に走ってしまう。そこが見ていてめちゃくちゃ辛いんですわ。
ナッシュにとっては正常な世界が狂気であり、統合失調症を治療するということは、チャールズの支え無しで狂気に飛び込めというようなものなんですね。
だから、物語中盤から始まる日々の治療生活は、まじで見ていて苦しい。

「ト音」ではイマジナリーフレンドというものを、良くも悪くも綺麗に描き切っていたが、「ビューティフル・マインド」のそれは絶妙に生々しかったです。


しかしながら、妻のセリフにもあったように、「人の力を超えた何か」を信じるということがナッシュの回復の一番の鍵だったように思える。

数学を得意とし理論を追究するナッシュが、最後に信じたものが「人の力を超えたもの」というのは、何とも素敵だと思いませんか?


また、彼の人生が開花するのは、大学時代でも、教授時代でもなく、一人の人間として図書館に入り浸っていたおじいちゃん時代でした。

このことに、学問と人生と「何か」を信じ続けた、ナッシュとアリシアの「豊かさ」があるなと感じました。

冒頭に戻りますが、
目に見える先のことだけを見据え、効率化に進んでいくこの世の中です。しかし、そうでない「豊かさ」が果たしてあるのではないでしょうか?と、そんなことを思わせてくれる作品でした。

ちゃんちゃん



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