怖い話 存在しない場所

これは高校1年生の時に起きた出来事です。
その日は泊まり行事のキャンプがありました。5人〜10人の班に分かれて小さい木造の小屋に泊まるのですが僕達の班の隣の小屋が焼けてしまっていてすごく嫌な雰囲気がしていました。ただなるべく気にしないようにしてお昼ご飯を作ったり探索をしたりしているうちに気が付けば日も暮れ始めていて夕食をみんなで作って食べ終わりお風呂に行くことになったのです。お風呂は別館にあるため1キロほど歩いて行くことになりました。夕食を終えお風呂道具を取りに小屋に戻ったのですがどうもあの焼けた小屋が気になるのです。明らかに人がいるような気配を感じたのです。勇気を出してライトで照らしてみるともちろんそこには何もいません。気のせいと思い班のメンバーとお風呂に行き湯冷めしないうちに小屋に帰ろうと思い来た道を戻ろうとしたのですが道に迷ったようでした。目の前には見たことのない森が広がっていて道が1本だけあったのです。今思えば明らかにおかしいのですが空が紫だったのです。もちろん時間は21時頃で真っ暗です。僕達は来た道を引き返すことにしました。あの時は怖くて言えなかったのですが森の中から異様な気配を感じ引き返す時に一瞬振り返ったのです。そしたらなんと森の中から謎の登山客のような人影が見えた気がしたのです。そして来た道を引き返していると他の友達や先生と合流でき一緒に帰ることが出来ました。
そして夜寝ている時のことです。友達がトイレに行きたいと言うので着いて行くことにしました。用を足し小屋に戻ったのですが小屋の壁をノックされたのです。僕達は驚き最初はイタズラかと思いました。しかし気付きました。誰かのイタズラなら足音で気付く筈です。そして僕達は青ざめすぐに毛布を被り眠りに着きました。その夜酷い金縛りにあったのを覚えています。そして朝を迎え朝食を取るために夜お風呂に入るために行った別館の食堂に向かいました。そして行事は終わり帰りのバスに乗り込みキャンプ場を後にしました。
そしてずっと焼けた小屋が気になっており夜の出来事も含め担任の先生とバスの中で何気なく会話していたのですがどうやらあのキャンプ場では火事が起こり登山客数人が亡くなったそうです。そして先生の次の話で僕達は何も言葉が出なくなってしまいました。 火事で燃えてしまった小屋は全て取り壊し綺麗に建て替えられたというのです。そして焼けた小屋はそもそもキャンプ場に存在していなかったのです。そして夜のことも聞いてみたのですが僕達が迷った時に見た森のことを話したのですが先生は 「森なんてなかったしそもそも周り全部原っぱだから森なんてないよ」とのこと、つまり僕達が見た森も焼けた小屋も存在していなかったのです。あの時森に入ってしまっていたらどうなっていたのでしょうか、もしかしたら今頃この世にはいなかったかもしれません....
思い返して見ればあの夜小屋を叩いて来たのはもしかしたら火事で閉じ込められ助けを求めていたのかもしれません。そして友達から後で聞いたのですが僕達の小屋に夜中たくさんの人影が入っていったのだそうです。そして気付きました。あのノックの音 外じゃなくて内側だったと......


以上で終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございます!少しでもゾッとして頂けたら嬉しいです笑

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