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死刑にいたる病

【みんな、彼を好きになる】


櫛木理宇原作のサスペンス小説。
東京の二流大学に通う主人公、筧井雅也(岡田 健史)は有名学校の受験に失敗し教育一家の家庭からは一家の恥と云われ疎まれていました。
そんな中、彼にある人から一通の手紙が届きます。

差出人は…榛村大和(阿部サダヲ)。
雅也が中学生の頃、勉強漬けだった彼が通っていたイートイン出来るパン屋さんからの物でした。
しかし、榛村大和は24人の高校生を殺害していた連続殺人鬼でした。

彼からの手紙の内容はこうです。

「久しぶりだね。君に頼みたいことがあってこの手紙を書いています。」

拘置所に向かう雅也。
そこには、懐かしいですが連続殺人鬼の顔をした榛村の姿がありました。

榛村は、24件の事件のうち1件だけ自分がやっていない事件があると話します。「僕はもう死刑が決定されている。それでもいいと思ってる。それでも、その事件だけは僕がやったものじゃない。」
23件の事件は自分がやったと認めています。
その1件の事件は、冤罪だと云うのです。その事件を調べて欲しいと雅也に云うのでした。

冤罪とは「やっていない事件を自分のせいにされる」ことです。
警察ではたまに、冤罪で捕まってそのまま有罪になってしまったことがある人がいるそうです。
雅也は、榛村の言葉を信じ担当弁護士の事務所のバイトの待遇で事件の内容を調べることにしました。
高校生ばかりを殺していた榛村の犯行の中で、最後の1件。
根津かおるだけ年齢が当てはまっていないことが分かります。
彼女は、高校生ではなく26歳と年齢が高かったのです。遺体も隠さず放置されているとの状況から雅也はこの事件を調べることにしました。

事件を追ううちに、榛村は子供時代に親から虐待を受け、支援する女性の養子となったこと。更には雅也自身の母親も同じ女性の養子であり、榛村と親しかったことが判明した。
雅也は、連続殺人鬼の榛村が自分の父親なのでは無いかと思い始めます。

ここから話が複雑に混ざり合い、事件に関わっていくうちに雅也は榛村に魅せられていきます…
実の父親なのでは無いかと…。

ここで榛村の殺害方法について書きたいと思います。
榛村は昔、パン屋を営んでいたこともありイートインを使い勉強に励む学生達に、飲み物の提供をしたり熱心に仕事に取り組んでいます。
パン屋に来た高校生達を、ある意味吟味しているんです。
そこで、誘拐…拘束、爪を剥がすなど…
逃げ場の無い恐怖感…。
阿部サダヲ演じる 榛村の演技がとても怖く、目のハイライトは入っていないような目の色…実際真っ黒なのです。
ここの時点で、あぁ普通の人間ではないと思いますがパン屋の時点では老若男女がそのパン屋を訪れ接客態度もいいことから評判でした。
パン屋さんに訪れた人は皆口をそろえて云うんです。
「気前のいい人で、優しい人だよ」と…。
そんな人間が、残忍にも24人殺しているかと思うと怖いですね…

映画の冒頭のシーンで、榛村が川に何か宙からパラパラと落ちす描写があります。
最初はなんだろう?と思ってパンフレットを見たとき、思わず言葉を失いました。
何を投げたかは…映画を観て頂けると分かります。

今回、死刑にいたる病を紹介してきましたが率直な感想を言うと…
阿部サダヲさんのサイコパス具合が怖いなと思いました…
もちろん、役柄とはいえ目の色真っ黒でしたよ?
カラコンでも入れたのかなと思うくらいの真っ黒…。
それがより、怖かったです。

映画のラストも、ある意味衝撃的で連続殺人鬼などをやる人って案外(?)頭がいい人が多いのではないかと思いました。
衝動的では無く。ちゃんと計画性を持って、次のターゲットを決める。

そう考えると、やっぱり一般の人間からしたらそこの道に行くことはほとんど無いんじゃないかなと思います。

*榛村は、もちろん人を殺している殺人鬼です。
ですが、周りの人の頑張りや努力しているところをちゃんと見てくれる人なようで周囲の人は「みんな、彼を好きになる・・・」

個人的には、映画のグッズのオリジナルTシャツを買ったのですがデザインが好きで買いました。
大事に着ています。

*注意としては、この映画はかなりグロい描写が多い為見るときは自己判断でお願いします。




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