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笑にもすがる思いで

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自身のガン治療中は藁にもすがる思いでしたが、笑にもすがることが多かったです。ガン治療実体験の中でクスッと笑える出来事や面白話をまとめてみました。時には全く治療に関係ないのもありま…
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2021年7月の記事一覧

#24 おじさんなんだけど、この病気は若い類になるの?

第1クールの投与から3.4日経つと体はだいぶ楽になった。 1日目がツラいのと今だにご飯があまり食べれないくらいで、 ゆっくりと治療前のいつも通りの体に戻ってきているのがわかる。 看「岡安さん回復早いですね、やっぱり若いから」 と言われた。 え? 若い?いや若くないでしょ。もう41歳だよ。 多分看護師さんより全然俺の方が歳上だと思うし。 ん…確かに一緒の病室のメンバーの中だと最年少だ。 でも同じフロアにするとそうでもない。 普通に若い大学生くらいの人がいるから、

#25 ベットカーテン越しに聞こえてきた煙論と正論。

投与して一週間。だるさもなくなり食欲も80%くらい戻ってきた頃の病室の話。 岡安の病室は4人部屋で、同じような耳鼻咽喉科系の方とは別に泌尿器科の患者さんもいた。 その方々は何の病気かは詳しくはわからないが 大体2〜4日で手術して退院して行く。 だから、隣の人とお話するとか病気の情報を共有したりといったコミュニケーションはなかった。 でもカーテン越しには色々聞こえてくる。 イヤフォンしてんだけど歌っちゃう人や 昼寝の寝言がハイパーでっかい人も。 裁判中の速記係?ってく

#26 退院前日に出た病院のチャーハン

色々検査をして免疫力の低下などもなく、 日常生活に特に問題がないと診断してもらい、 ついに明日退院が決まった朝。 いつもと違う昼食メニューが献立表に記されていた。 炒飯!!!! えーーーーー!うそーーーーー! なんという事だ! いつも白飯におかずが何品かなのに、まさかの炒飯。 岡安の大好物だ。 これは2週間の入院で初めて。 しかも明日から一時退院。 タイミング的にはまるで退院祝いだ! これは嬉しい。 朝ご飯を終え、薬を飲んで、 歯を磨きうがいの いつもの口腔ケアルー

#27 ロビーに響き渡る『岡安』

退院当日。 帰り支度、途中で放射線、次回の入院の日取り決め、と少しバタバタしたが忙しかが、初めての入院生活が一旦終わる。 広いロビーに並んだカラフルなパステルカラーソファーに座り、色々なお会計を待っていた。 目の前にある大きなテレビから流れるニュースを ぼんやり見ながら、この何週間の出来事をプレイバックした。 喉の違和感から始まり、あっという間に検査、治療も決まって入院、1回目の抗がん剤治療も無事に終わった。 副作用も思ったよりも出なくて安心した。 最初は少し迷った