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新年度が始まった4月。惣一郎も幼稚園に入園した。
入園したと言っても、入園式に出ただけでまだ何も始まっていない。

惣一郎のスイッチは入っていた。
入園式始まる前、ダメ元でいったトイレ。
初の立ち小便を敢行。
家に戻って大便もトイレでしたとか。
意識が変われば、行動が変わる。
すごい!!すごいぞ!我が子!
と排出行為に涙する。

お祝い事が続いたので、義理の父母・兄さん家族と共に食事をした帰り道のこと。明日から登園が始まるという緊張感からなのか、今までにないわがままを言い始めた。

「バァバとお風呂に入る」
何もなければ、父の私と風呂に入り、夜いない時、嫌われた時はママと入るのが通常モード。バァバと入る??そもそも住んでいる家も違うし、いつもの時間より少し遅いし、明日は早起きせなあかんし、何を言うてんねん!と
バタバタ暴れる体をチャイルドシートに押し込めて、強行突破。
家まで車を走らせる。

いつもと違うのは、その強情さ。Uターンしてバァバの家に戻れ!ここで車を止めろ!私の話を聞け!とワンマン社長顔負けの強情さに、話を逸らしたり、大好きなスピッツの音楽を流してみたり、あれこれやってみるが、今日ばかりは手に追えない。泣き、叫ぶ、蹴る。

もうすぐそこまでお家が迫った頃、話が変わった。
「じゃぁ、どっか連れて行け!」
バァバの家に帰るとは諦める。だけど、どこかに連れて行って、私を満足させろ!と代替案を出してきた!
なに〜??もう夜の22時。子どもを連れて行くところなどないし、これから何かをして過ごすほど、悠長にしていられない。
だって明日は、初登園の日。

泣き叫ぶ惣一郎を抱きかかけ、ねじ伏せることもできたかもしれない。
でも、代替案を出してきた息子にしたいして、0回答は親として無しだと思い咄嗟に考えた。車から出る行為は、寝る時間を遅らせるだけ。
さぁ、どうする?

わかった!!!
倉敷と総社を分ける山がある。山の頂上あたりは確か、キラキラと夜景が見えるはず。夜出かけることのない惣一郎はもちろん、夜景を見たことはないはず。しかも、車から外に出る必要もない。これだ!!

夜景を見た惣一郎は、顔はぐちゃぐちゃのままだったが、ご満悦で帰宅。
私と一緒にお風呂に入り、一緒に床についた。

成長する子どもに親はどこまでついていけるのか?
さぁ、明日から新しい社会が始まるよ!
あなたらしく、頑張ってきてね。
そう心で思いながら、一緒に寝ましたとさ。

2024年4月14日(日)

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