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老いと愛

この世界には不老の生物がいるそうだ。
ベニクラゲ
ハダカデバネズミ
両者とも、病気や怪我で死ぬことはあるので不死ではないけど、細胞の老化を回復できるそう。
(なのに、ハダカデバネズミの容姿が若々しさを連想させないのはとても興味深い)

私達人間は老化を嫌う。
もちろん、死に対する生物的本能だと思うけど、それだけではなくて若さに対する劣等感も大きい。

でもね、不老になってしまったら、いつまでも性欲が落ち着かず、人口はどんどん増え続けるし、
若者=活力に溢れていると言えるが、血気盛んとも言え、そんな人間ばかりの世界では、なんともバランスが悪いイメージしか湧かない。
角が取れて丸くなった人間は必要だし、老化があってこそのバランスの良い世界なのだと思う。

おじいちゃん・おばあちゃんになり、肉体的に次のステージに進み、第一線を退き、
孫を育てたり、若者に寄り添って導き、ますます精神性を高める事は、世界平和への貢献であるし、老化を受け入れる事は、私達が生きる世界への愛になっていると思う。

私はgrandmotherと言う言葉が好きだ。
「grand:壮大な」
壮大な母とは、なんとも敬意や尊敬を感じる。

祖母の「祖」は、「はじめ」や「親」と言う意味らしいけど、敬意や尊敬は特に感じない。

私の周囲だけかもしれないが、日本は高齢者が若者に負い目を感じ、気を使う雰囲気があるように思う。
「迷惑をかけたくない」「お荷物になりたくない」そんな気持ちがあるのだろうけど、そこにいつも違和感を感じてきた。

高齢者=弱者

そんな世界だと思えば、歳を重ねる事にネガティブな気持ちになるのは当たり前だ。

だけど、老化を受け入れ、壮大な母なるステップを踏む事は、それだけでこの世界を愛する行為なのだと思えば、なんとも素敵なステージアップではないだろうか。

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