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Clouds / Joni Mitchell

title : #Clouds
artist : #JoniMitchell
genre : #FolkRock , #Folk
release : 1969/5
label : #RepriseRecords
producer : #JoniMitchell , #PaulARothchild

REVIEW
 シンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルのセカンド・アルバム。この作品には「Both Sides Now」「Chelsea Morning」という彼女の代名詞とも言える名曲が収録されている。アルバム自体もオールタイムベストで上位に常にランクインされている歴史的名盤といってもいいだろう。アルバムのジャケットも自分で描いた自画像なのだから、アート全般に才能が溢れていたのだろう。デビュー・アルバムも悪くはなかったが、この作品の知名度・完成度には及ばない。
 それにしても「 Both Sides Now」でどうして邦題が「青春の光と影」なのだろう。ジョニ・ミッチェルが飛行機に乗っていた時に、子供の頃は見上げていた雲を、いまは見下ろしている。物事にはすべて裏と表、両面があるということで、「 Both Sides Now」というタイトルになり、アルバムも「Clouds」になった。「青春の光と影」はちゃんと歌詞や背景を掴んでいたのか、と思いたくなるタイトルだ。日本の邦題はひどいのがたくさんあるので、これでもまだマシな方ではある。
 「 Both Sides Now」といえばアカデミー賞を受賞した「コーダ あいのうた」で作中でルビー役を演じていたエミリア・ジョーンズが歌っていたのが記憶に新しい。多くの人にカヴァーされている、いまなお愛され続ける名曲中の名曲である。歌詞もメロディもなにもかもが素晴らしい。
 このアルバムで「Both Sides Now」や「Chelsea Morning」を取り上げるのは少しばかりもったいない。あえて、この2曲をはずして「 Songs To Aging Children Come」をオススメしたい。「高齢の子供たちのための歌」。その名前の通りに高齢になっても子供のままでいる人たちに歌った歌。高齢化社会に悩まされる日本社会に暮らしている私たちこそこの歌を聴くべきかもしれない。アダルトチルドレンへのレクイエム。

RECOMMEND
Songs To Aging Children Come

TRACKLISTS
1 Tin Angel
2 Chelsea Morning
3 I Don't Know Where I Stand
4 That Song About The Midway
5 Roses Blue
6 The Gallery
7 I Think I Understand
8 Songs To Aging Children Come
9 The Fiddle And The Drum
10 Both Sides Now

PERSONNEL
#ヘンリー・レヴィ – エンジニア
#ジョニ・ミッチェル – 作曲家、カバーアート、ギター、キーボード、プロデューサー、ボーカル
#ポール・A・ロスチャイルド – プロデューサー
#スティーヴン・スティルス – ベース、ギター
#エド・スラッシャー – アートディレクション

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