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 スティーブン・キング『マイル81』を読んだ。廃棄されたサービスエリアにいる……何か……に襲われる人々を描いた天丼ホラーなんだけど、登場人物たちがいちいちリアルで、おい、やめろ!その車に近づくな!志村!後ろ!と叫ばずにはいられなかった。スティーブン・キングの頭の中にはいったいいくつの都市があるのだろう? 少なくとも脳内人口百万人はくだらないと思う。

 映画版『うさぎドロップ』を見た。松山ケンイチと芦田愛菜の演技がひたすらうまい。わたしのともだちはみんな子役が大嫌いで、子役の三文字をきいただけで人差し指と中指をクロスさせ、道につばを吐きかけるといったふうなのだけれど、わたしは芦田愛菜だけは許してやってほしいと思う。ともだちは言う。でも芦田愛菜も泣きの演技があざといし、大人の要求をちゃんと理解して、完璧にこなせてるところがイヤなんだよ。それに、芦田愛菜を通して、芦田愛菜をいいように使って、いいように消費する大人たちが見えるのが嫌だ。主張の一部は理解するが、それでもうさぎドロップは、何かそういう構造的なものを考えずにたのしめたような気がした。だけどそういうことを考えているうちに、うさぎドロップの芦田愛菜がどんなものだったかわすれてしまった。

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