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キャロットケーキの人参のすりおろしについて

キャロットケーキは自由度の高いお菓子。100人が作れば、100種類できると言っても大げさではないはず。とはいえ、よっぽどの変化球でないかぎり、主要材料は具、粉、ふくらまし粉、スパイス、砂糖、油、卵でしょうか。

その中で一番大切なのは具の人参。これが入っていないと、さすがにキャロットケーキは名乗れません。この人参をどんな風に処理して入れるかで味、食感、生地の質感、見た目がガラリと変わります。私がキャロットケーキを作るうえでこだわっているポイントです。

あれこれいろんな道具を試してみて、私が好きなのは沖縄の調理道具「しりしり器」に落ち着きました。といっても、食べてくれる人の好み&仕上がりに合わせて使い分けています。

※ちなみにこれはキャロットケーキのマニアックな世界のお話。使い分けなくても、包丁とまな板があればなんとかなるのが、キャロットケーキのよいところです。

今回、7種類のすりおろしをレポートしたいと思います。それぞれ100gずつ軽量しています。

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1)おろし器(大根おろし)

「繊維をすりつぶしながら」すりおろす道具。完全なペーストではなく、多少繊維は残り、汁が出やすいのが特徴。汁をしぼって繊維だけを使うと、生地の中で具が沈まず、べチャッとしにくくなります。シフォンケーキやスポンジケーキのようなふわっとした生地におすすめです。

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余さず使いたい方は、しぼった汁はオレンジジュースに入れて飲んじゃって!

▼2)グレーター:細タイプ

西洋式のすりおろしの道具。(1)との大きな違いは「繊維を切りながら」おろすところ。私が使用しているのは四面で、そのうちの細と太の二面を使っています。こちらは細タイプ。断面はギザギザで、ひょろりと細長くつながった状態におろせます。

(1)よりは少ないですが、汁が出やすいのが特徴。しぼって繊維だけ使ったり、そのまま全部入れてしまうこともあります。生地なじみがよく、見た目や食感も残りにくいので、スポンジ系で横半分に切ってクリームをはさむようなときに使いやすいです。

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▼3)四面グレーター:太タイプ

先に説明した細タイプよりも、4~5倍くらいの幅ですりおろせます。

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断面がギザギザしており、ペロンと薄い。生地になじみながらも、(そっと寄り添うような)上品な人参感が出るのでよく使います。レーズンやくるみといっしょに入れても存在感が出るのでおすすめです。

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▼4)しりしり器

「しりしり」は沖縄の方言で「せん切り」のことだそう。つまりしりしり器は野菜をせん切りにする道具。沖縄には穴の大きさが違うものがいろいろあるそうです。ほかのも試してみたい!

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断面はギザギザしていて生地なじみがよく、四面グレーター太タイプと同じ幅でありながら、厚みがあるので人参の存在感が残ります。ドライいちじくや煮豆などのしっかりした具にも負けないところがお気に入り。たぶん、一番使っている道具だと思います。

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▼5)せん切りスライサー

20年くらい前に買ったせん切りスライサー。四面グレーター太タイプやしりしり器よりは細い3mm幅ですが、張りがあって焼いてもしっかり残ります。断面はスパッと切れているので水分が出にくいのも特徴。(焼いているときにじんわり生地に水分が出ているので、入れすぎ注意)

※スライスしたまま生地に混ぜ込むともツンツンと飛び出てしまい、そこだけ焦げてしまうので、包丁で長さを半分くらいに切るといいですよ。

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▼6)包丁

包丁なら細くも太くも切れて自由自在。ピーラーで薄くそいでから、包丁で好みの太さに切ってあげると四面グレーターの仕上がりに近づきます。

私が包丁を使うときは5~8mmくらいの棒状にしたいとき。ゴロゴロした人参入りのケーキは、見た目もボリュームも◎。生地よりも具がたっぷりの焼き菓子タイプにおすすめです。

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▼7)フードプロセッサー

数秒でみじん切りになる、とっても便利な道具。断面がスパッときれているので、汁が出にくいのも特徴。(焼いているときにじんわり生地に水分が出ているので、入れすぎ注意)

シフォンケーキのようなふわっとしたものだと沈みやすいですが、パウンドケーキ系なら大丈夫。クッキーのような焼き菓子にも混ぜ込みやすくておすすめです。

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これで全部だと思っていましたが、ほかにもバーミックスのようなハンディーブレンダーで完全にペーストにして入れたり、大きめに切って蒸して入れるようなレアな方法もありました!

あとはドライにして入れたりしてもいいかなと思ったり。でも、ドライにするなら太めに切って、低温オーブンなのか、天日干しなのか。などなど、なんかワクワク! 状態です。

ということで、次回に続くにさせてください。

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