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38歳になった

38歳になった。といっても2か月前のことだ。4月7日に発令された緊急事態宣言が全都道府県に拡大されるという報道でメディアは持ち切りだった。新型ウイルスという未知のものに対して、あまりにも漠然に不安をあおるマスメディアの伝え方に辟易していた。誕生日だからといって浮かれるような年齢でもないし、もともと毎年ひっそり先祖に手を合わせるくらいのことしかしていないので、「コロナのせいで誕生日を盛大に祝えなくて残念」などという気持ちは毛頭ない。

たまに会っていた男の人が、「玄関のドアノブに花束ぶら下げておいたから」とラインをくれた。もう会うのをやめようとずいぶん前から勝手に決めていたので、勝手に複雑だった。花に罪はないけれど、気持ちが通じてしまったのか、家にある他の切花と同じように手入れしていたのに、その花束だけ枯れるのが早かった。

38歳になったと、たまに意識的に書いたり言ったりしていないと、咄嗟に自分の年齢がわからなくなるときがある。ナチュラルにサバを読んでしまうときすらあるので、最近はもう40と言っている。28とか29くらいのときも、30と言っていた気がする。私は母親とちょうど40歳差なのだけど(計算しやすい)、以前「自分の年齢だけ聞くと、中身の伴わなさにびっくりする時がある」となんとなく言ったら「わかる。お母さんも!びっくりするよねえ」と言われたので、そうか一生こんな感じなのかもしれないと悟った。

誕生日前には体調を崩すことが多くて、もはや年中行事としてのデトックスと呼んでいるくらいだったけど、今年は3月半ばにはセルフ・ロックダウンと銘打って一人自粛生活に突入していたこともあってか、すこぶる元気だった。自分がどんなことにストレスを感じていたのか改めてわかって良かった。とはいえ、体力や免疫力の低下はそれなりに感じる。出産するならそのリミットが迫っているのは知っている。産もうと思って可能な身体なのかは、調べたことがないのでわからない。そもそも、子どもが欲しいかどうか、いまだに自分のなかではっきりしていない。出産と子育てと結婚と恋愛が、一本の線で繋がらない。まったくもって相変わらず、こんな調子です。

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