UndertaleのRTAは英語版でやろうという話

ニコ動やようつべに上がっているUndertaleのRTA解説動画を見て「自分もやってみよう!」となった方(もしくは技術的な内容を知りたい方)に向けて書いていこうと思います。

英語版とは何ぞや

英語版とは言っても言語設定を英語にするとかそういうことではないです。
簡単に言えば、

英語版→英語表示のみ対応しているバージョン
日本語版→日本語表示に対応しているバージョン

だと思ってください。

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ちなみに、SRCでUndertaleのリーダーボードを開くとこんなフィルタが付いています。
このフィルタにおける

1.00-1.001が英語版
1.02+が日本語版

だと考えてください。

これを頭に入れてお持ちのUndertaleを起動してセーブデータ画面を開きましょう。

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(セーブデータの内容はともかく)だいたいの人はこんな画面になってると思います。(上がPC/PS版、下がSwitch版)
このどちらも日本語で表記されているので日本語版ということになります。
ちなみに、画面下部のバージョン表記でも判断できます。(ただしPS版の初期バージョンに1.0と1.001があるがどちらも1.02+扱いなので注意)

英語版はいわゆる旧バージョンですがsteamから簡単にダウンロードできます。(PC版限定です。ゲーム機版ではできません。)
ライブラリのUndertaleの画面から、歯車マーク→プロパティ…→ベータと選択すると

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こんな画面が出ます。
この中の「old_version_100 - old_version_100」と「old_version_101 - old_version_101」がそれぞれ1.0と1,001に相当します。
それぞれ選択すればダウンロードが始まります。ただし元のUndertaleフォルダを上書きするのであらかじめフォルダをリネームするか別の場所に移動させることをお勧めします。(場所はC:\Program Files\(x86)\Steam\steamapps\common)

仕様の違い

無駄に長い説明を終えたところで違いを説明していきます。

①日本語への対応

…まぁ当たり前ですね。このゲームはキャンセルキーでメッセージを最後まで送る機能がありますが、一部のメッセージはその機能が使えません。日本語の方が文字数が少ないのでそのようなシーンでは日本語版の方が有利です。
なお文字数の差だけで1分~2分ほど差が出ます。これだけを見ると日本語版の方がよくね?となりそうですが次に行きましょう。

②同時押しへの対応

このゲームでは決定キーがZとEnter、キャンセルキーがXとShift、メニューキーがCとControlに割り当てられていますが、英語版の一部バージョン(厳密にはMac/Linux版の1.001)ではその片方を押した状態でももう一つのキーを押すと反応してくれます。
これ自体はそんなに重要ではないですが2つのキーが独立して反応することを利用して一つの役割キーを毎フレーム入力することが可能になります。
これ以降の差異は全てこの仕様を前提としたものになります。

③文字送りの難易度

①でさらっと触れましたがキャンセルキーでメッセージを最後まで送れます。決定キーで次のメッセージに進むのでRTAではキャンセル→決定→キャンセル…と入力することになります。英語版では②での仕様を利用してX→Z→Shift→Enterと入力するのがメジャーです。が、日本語版でこれをやろうとすると同時押しの制約に引っかかってところどころ反応しないことがあります。(代わりにZ→ShiftかX→Enterの連打を行う人がほとんどですがこっちの方が圧倒的に疲れます)このゲームのRTAではメッセージを送る速度は非常に重要なので(1秒間で送れるメッセージ数が1上がるだけで全体で15秒~30秒短縮できます)この差は結構大きいです。

④使えるバグの差(N、TPルート限定)

このゲームにはパンチカードというアイテムが存在していてこいつがいろいろなバグを引き起こすのですが、やはり英語版では②の仕様を利用して多くのバグを使えます。この中には中ボスや長いイベントをスキップするものもあり、N、TPルート全体で4分ほど早くなります。

⑤遅延の存在

日本語版ではあろうことか常に1フレームの遅延があります。(30fpsなので約0.03秒)
だからなんだと思われるかもしれませんが、このゲームのRTAはピクセルパーフェクトとフレームパーフェクト技を多用するので感覚と少しずれがあるだけで結構問題になります。

さらに日本語版特有の問題があり

カテゴリごとに最速機種が違う

というものがあります。バグなしではリセットが必要な場面で多重起動ができるPC版、NとTPルートでは英語版と同様のバグが使えるPS/Xbox版(一応PS版の方がちょっと早い)Gルートでは設定ミスで長い移動シーンをカットできるSwitch版(理論上はラスボスをスキップできるXbox版)が最速となります。
特にGルートは手間なしで20秒の短縮が得られるのでそのほかのプラットフォームは強制的にその分ビハインドを負うことになります。上位記録を狙うにはこれらが実質必須となるのでお金がそこそこかかります。Xbox one(series X/S)とPS4(5)は現在ほぼ売っていないですし非常に面倒です。
多分ここが一番面倒だと思います
PC版とゲーム機版の分離はよ

まとめ

③の仕様は走者の指に優しい仕様ですし、④の仕様はより競技性が増えますしそのほかの点でも全体的に英語版の方が有利です。日本語版が有利なのは①だけです。
「英語なんて読めんぞ」という方も基本的には難しい単語を使ってないのであとどうせRTAだとメッセージなんて読まないので問題ないと思います。
なにより海外の走者が多いのでその分英語版のルート構築が盛んでいろいろ楽しめるといえるのも大きいです。(日本人走者が少なすぎるだけとも言う)
ちなみに英語版のなかでも上記の恩恵をフルで受けられるのはMac/Linux版の1.001だけですがWindows版もパッチを当てることで同じ仕様にすることができるので問題ありません。(SRCでも許可されています。パッチはSRCのresourcesから)

そんなわけで自分としては英語版をおすすめしたいという記事でした。


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