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紙でできることは紙で菓子包装で最先端をゆく 日本製紙

 同社の紙製バリア素材への取り組みは、基礎検討から数えると10年近く前。2017年10月に日本で初めて紙製バリア材『シールドプラス』の正式販売を開始した。再生可能な資源である“紙”を基材としながら、酸素や水蒸気に対し優れたバリア性を持ち、内容物を保護して品質を維持。同時に内容物の香りを保持し、匂い漏れや匂い移りを抑える環境配慮型バリア素材だ。

 長年の販売実績は技術の信頼の証しともいえる。2019年3月には、食品軟包材として初めておせんべいの個包装に採用される。自然・健康を大切にする焼菓子製造・販売企業の長良園(岐阜県岐阜市)の『もっとやさしい鵜飼せんべい』だ。2019年といえば8月にネスレ日本が『キットカット』の外装を紙化する発表で話題を呼んだが、それ以前に個包装の紙化を実現したのだ。同年の日本パッケージングコンテスト(公益社団法人日本包装技術協会主催)で菓子包装部門を受賞した。

 無添加チョコレート専門店「Conche」(静岡県静岡市)では、2020年1月から『カカオ70%ブラックチョコレート』をはじめ、お菓子の個包装に使用している(写真)。

 同年10月に『シールドプラス』は『シールドプラスⅡ』へリニューアル。グラビア印刷に適応した片艶紙(白)をベース原紙に追加。バリア性の耐屈曲性を向上させて、ピロー袋やガゼット袋など、より多様な包装形態へ対応可能になった。

 加えて同社は2019年、フィルムなしでヒートシール性を付与した、紙だけでパッケージができる『ラミナ』も開発し、翌年製品化。リサイクル可能なので循環型社会に貢献できる。〝紙でできることは紙で。〟を合言葉に、「紙化ソリューション」を推進し、今後は包材のリサイクルにも積極的に取り組む。


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