アーモンドの摂取が運動後の回復に貢献

 世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約7600のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)は、アーモンドの摂取が、運動後の回復時の筋肉痛を軽減し、垂直跳びを行った際の筋肉のパフォーマンスの向上につながることを示唆する新しい研究結果を発表した。この結果は、アーモンドの摂取が運動後の筋肉の回復にどのように影響するかを調査した先行する研究を発展させたもの。

 『Frontiers in Nutrition』に掲載された本研究は、25人の軽度の過体重の中年男女を対象に、8週間・毎日57g(2オンス)のホールアーモンドを間食する介入群と、同カロリーの無塩プレッツェル86g(3オンス)を摂取する対照群に分けて、8週間後に30分間の下り坂トレッドミル走行試験を行い、筋肉に損傷を与えることで、アーモンドの摂取が筋肉の回復にどのように影響するかを調査した。カリフォルニア・アーモンド協会は、この研究に資金を提供してきた。

 研究者らは、トレッドミルのテスト前、テスト中、テスト後の3つの時点で、被験者の筋機能、筋損傷と炎症の血中マーカーを測定した他、視覚的尺度を用いて自覚された筋肉痛を測定した。また、ベースライン時と8週間のアーモンド摂取後に、心代謝系の健康マーカー、体組成、気分、食欲、幸福感などの心理社会的評価も測定した。

 本研究の結果は、介入群では、累積72時間の運動回復期間中、爆発的な運動(垂直跳びチャレンジ)を行った際の筋肉痛が約25%軽減された。この自覚された筋肉痛の軽減により、垂直跳びチャレンジの際の筋肉のパフォーマンスが向上した。心代謝系の健康状態、筋肉の損傷/炎症、気分、食欲の指標に関しては、介入群と対照群で有意差は認められなかった。

 本研究の限界は、軽度の過体重で、時々体を動かすけれども、トレーニングしているアスリートではない非喫煙者の参加者を対象としていることから、この結果を他の人口動態や健康状態のグループへ一般化することはできないことにある。

 キングス・カレッジ・ロンドンの運動代謝栄養学上級講師のオリバー・C・ウィタード(Oliver C. Witard)博士は、次のように述べている。「私たちの研究は、アーモンドの間食が、激しい運動後の体力回復を助けるための常食として、時々運動する人に勧められる食材であることを示唆している。アーモンドは、タンパク質、良質な脂肪、抗酸化物質であるビタミンEを含む栄養価の高い、フィットネスに最適な食品だ」

 手のひら一杯分のアーモンド(28g)には、4gの植物性タンパク質、13gの良質な不飽和脂肪とわずか1gの飽和脂肪が含まれている。

 ウィタード博士の研究は、定期的にアーモンドを間食することが、時々運動する健康な成人の運動回復にどのように影響するかを調べた先行する研究に加わるものだ。

 ウィタード博士は、また次のように述べている。「運動習慣を継続することは容易ではない。そのため、人々が身体的に活動的になり、それを維持するための食事戦略を取り入れることは公衆衛生にとって重要。私たちの予備的調査結果は、アーモンドを間食することで、運動に不慣れな人々が新しいトレーニング・プログラムを継続しやすくする可能性があることを示唆するという点で、励みとなるものだ。」

 アーモンド1オンス(28g)には4gの食物繊維と、15の必須栄養素(マグネシウム(77mg、DV18・3%)、カリウム(210mg、DV4%)、ビタミンE(7・27mg、DV50%)など)が含まれており、健康的でアクティブなライフスタイルを送る人に最適なスナックだ。


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