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緊急検証!10周年

こんばんは。オカルトエンタメ大学・運営代表の小柳です。

6月18日に公開された特番『緊急検証!怪運・呪物鑑定團』ですが、ジワジワと再生され続けており間もなく20万回に届きそうです。

ご視聴頂いた皆様、本当にありがとうございます。


この番組、CSファミリー劇場というチャンネルで2012年から放送開始となり、不定期特番としてしぶとく続き、今年でなんと10周年を迎えました。

そんな記念年に、ちょうどオカルトエンタメ大学もチャンネル登録者が10万人となり、ダブル10記念として「新作はYoutubeでやっちゃおう!」という事を会議の中でノリで決めて今に至ります。

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ここで少しだけファミリー劇場とオカルトエンタメ大学の関係を説明させて下さい。元々私は、ファミリー劇場の部署で番組制作をしてまして、2012年にこの『緊急検証!』をスタッフと一緒に立ち上げました。

以降、この番組を長らく担当しまして、何本も新作を作ってきました。そして2019年1月に公開された『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』という映画版を以って私は担当から離れます。


その後、ファミ劇場からも離れまして同じ会社の別部署に異動しました。そこでしばらくはオカルトと全く関係のない仕事をしてたのですが、そこからさらに色々あり、当時新しく出来た今の部署(ザックリ言うと新規事業開発部みたいなところです)に異動しました。

「何やってもいいから儲かる事をしろ」

と言われたので、儲かるかは分かりませんが自分が好きな事はオカルトだからオカルトの仕事しよう、と思いました。そして2020年8月にYoutubeでオカルトエンタメ大学を立ち上げて今に至ります。

私が番組から離れた後も、ありがたい事にファミ劇の中で別の担当が新作を作り続けてくれました。なので、2020年8月以降は同じ会社の別部署で、CSのオカルト番組とYoutubeのオカルトチャンネルが2つバラバラで運営されていたのです。

※もちろんうちの会社はオカルト事業の会社ではありません。

開始以降、皆さまのおかげもあってオカルトエンタメ大学は軌道に乗り、登録者や再生数も順調に増えていきました。Youtubeブームに丁度重なったのも大きいと思います。

そんな中、その少し前からファミ劇はCS放送だけではなく独自の有料ネット配信サービスを始める事になりました。理由はCS放送のビジネスモデルが徐々に時代的にしんどくなってきたからです。

それが、昨年から言い続けてきたファミリー劇場CLUBです。

これはCS放送ではなく、ネット配信です。ただし月額定額の有料サービスという仕組みは同じです。ファミ劇としてはここで新しい収益源を作りたい、という意図があります。そのためにはコンテンツが必要です。

という事でオカルトエンタメ大学でそのコンテンツを作り、それをファミ劇CLUBで配信。代わりに制作費を頂く、という形になりました。別部署でバラバラにやってましたが、共同事業となったのです。

こちらとしてもYoutubeの広告収益だけで運営をしていくのはなかなかシンドイ事もあり、丁度良かったという事もあります。


さっきから社内の生々しい話をし過ぎなので、ここらでやめときますが、そもそもは同じ会社の中で小さいながらもオカルトの企画をしているならば力を合わせて一緒にやろう、というのが一番大きな理由です。

で、そんなファミ劇CLUBのコンテンツとして、それまでCS放送でやっていた『緊急検証!』を、次の新作からファミ劇CLUB初でやろう、という方針になったわけです。

そこで私と一緒にオカルトエンタメ大学をやっている後輩の山田が番組担当になりました。

私は直接、制作に関わっていませんが山田は同じチームなので間接的に関わっています。一度、番組とファミ劇から離れたわけですが、こうしてまたこの番組に関わる事になるとは、オカルト的に言えば運命なのかもしれませんね。

昨年制作した以下の3本は山田を中心としたオカルトエンタメ大学制作、配信はファミリー劇場CLUBになります。



そんなこんなでもう10周年なわけで、ファミリー劇場に無理を言ってYoutubeでの無料公開をお願いしました。これを機により多くの方に、この番組の魅力を知って頂く事が、お互いのためにも、また番組のためにもなると思ったからです。

今のところ約20万回再生ですが、まだまだ増えそうです。言ってしまえばCSのマニアックな番組が、こんなに沢山の方に見て頂けるなんて10年前は夢のまた夢。

ここまで続けられたのは、沢山のスタッフ、出演者の皆様、そして視聴者のおかげです。改めて本当にありがとうございます。引き続き、この番組を宜しくお願い致します。



さて。この番組には色々と思い出があるので、その一つをここで記したいと思います(ここからが記事の本番になります)。

あれは2012年に番組を立ち上げた時の話。第1作目は『日本の怪村』というタイトルでして、その名の通り怪しい村にまつわる都市伝説をテーマにした内容でした。

今ではこの番組、スタジオで専門家がプレゼンするというフォーマットですが、立ち上げ時は当然どんな番組になるかが決まっていませんでした。「日本の怪村」というテーマだけが先に決まっており、それをどう番組にするか?は全く見えていなかったのです。


ロケにするか?

フェイクドキュメント風にするか?

再現ドラマにするか?


など、全然フワフワしていました。

何度か打ち合わせをする中で、プレゼンというスタイルだけは決まりました。ただ、その時に話していたのは、収録はスタジオでやらずに、とある場所でやろう!という事。

まぁ話しをしていたのは私だけで、この企画を最初に相談した、当時の制作PであるY女史からはかなり強く反対されました。

ちなみにその場所とは、


犬鳴村


です。

そうです。あの犬鳴村です、


映画にもなってますし、オカルトエンタメ大学の受講者で犬鳴村を知らないなんて人はまずいないと思いますが、念のための概要を以下に記します。

・地図や行政記録からは抹消されている。

・村の入り口には、「この先、日本国憲法は通用せず」と書かれた看板がある。

・村の広場には破壊されたセダンが置かれており、近くの小屋には骸が山積みにされている。

・村人は外部との交流を一切絶っている。

・過去に若いカップルが犬鳴村に入り、惨殺されたことがある。

・村に通じる道には罠が仕掛けられており、罠に引っ掛かると村人が襲い掛かってくる。


当時の私は、この村の存在を60%くらいの確率で信じておりました。

そこで、村の看板の手前で、プレゼンターに色々な怪村プレゼンをしてもらい、その後に村に潜入するロケをしよう!みたいな事を、前述のY女史に熱く語ったのです。


しかしです。何故か、私が熱く語れば語るほど、Y女史は冷めていくのです。

これが当時の私には理解不能でした。


何故こんなパワフルでエキサイティングな企画に興奮しないんだろうか?

なんて薄いリアクションなんだろうか?

Y女史、アナタは本当にクリエイターか!?そして犬鳴村を舐めてるのか!?


と思っていました。


余りにもしつこく私が言うのでY女史は面倒くさそうに

Y「で、その犬鳴村ってどうやって行くの?」

私「いや、それが分からないんだ!でも探せばきっとある!」

Y「・・・・・」

という感じで会話になりませんでした。


とりあえず出演者とスタッフを九州まで連れていってロケをする場合どのくらいの制作費になるのか?という事で、Y女史に見積を叩いてもらいました。


すると!!

私はその見積を見て驚愕しました。

もう犬鳴村があるとかないとかどうでもいいくらいの金額になってしまったのです。

私「高すぎやしないか?」

Y「これだけの人数を九州に連れて行ったら交通費と宿代が半端ない」

私「でもさすがにこの金額は・・・!」

Y「じゃあ犬鳴村の住人にコンタクト取って、あご・あし・まくら代を払ってもらってよ。テレビで告知するからって言ってさ」

私「犬鳴村は外部との交流を一切絶ってるんだよ!ひっそりと生活してんのに、テレビで告知でされて喜ぶわけないだろ」

Y「じゃあ諦めて下さい。それか、かかる経費を会社に説得して下さい」

私「・・・・・」


私は会社に

「すいません、犬鳴村という恐ろしい村の前でロケをしたいんです。まだ村の場所は分かりませんし、村人に撮影クルーが襲われるというデメリットもありますが、実現出来たらギャラクシー賞も夢じゃありません。なので制作費を下さい」

と、言える勇気はさすがにありませんでした。


そして犬鳴村の場所を色々な人に聞いたり、ネットで調べてたり、グーグルマップで調べてたり色々試してみましたが、全く詳細が掴めない。

本当に犬鳴村はあるんだろうか?と何度も疑いました。

しかし諦めたくなかった私は頑張って探したのです。


そんな私の姿を見たY女史の、生ごみを見るかのような目は10年経った今でも忘れません・・・。


少し経って私はY女史に言いました。

「スタジオでやりましょう・・・・」

この台詞を言う時の敗北感といったら・・・。今思い出すだけでも泣けてきます。


しかし。Y女史のクールさが結局スタジオという選択肢に番組を落ち着かせ、それが今の『緊急検証!』のスタイルに大きく関わる事になるのです。


Y女史。あの時はありがとうございました。もうしばらくお会いしてませんが、お元気ですか?


そんな緊急検証!10周年の新作『緊急検証!怪運・呪物鑑定團』を宜しくお願い致します。



今日まで最後まで読んで頂きありがとうございました。

オカルトエンタメ大学 運営代表・小柳


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