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勝つための粘りの上手戦術【囲碁AI・絶芸に学ぶ次の一手013】

 このシリーズでは、ネット対局「野狐囲棋」にいる囲碁AI・絶芸の対局の名場面を紹介します。不利に思える局面を一瞬で覆していく妙技をご覧ください!

囲碁AI・絶芸とは
 絶芸はテンセント・ホールディングスが開発した囲碁AI。野狐囲棋のアカウントは「絶芸指導F」。現在は中国国家チームのみが検討などに使える。なお、棋士であれば置き碁(2子局、絶芸が白番)で対局できる。

【テーマ図:打開する糸口】
 左辺の白が封鎖された局面。白はコウで粘れるものの、単純な進行では勝機がありません。そこで、絶芸はチャンスを残しながら戦う石運びを見せます。

【正解図:ギリギリの活路】
 白1、3と右上でコウ材作りにいったのが巧妙。部分的には黒4で白がツライ姿ですが、本命の狙いは白5以下のコウ争いを決行することです。

 黒8と抜かれた後、白9から11とコウを抜き返すのが一連の狙い。黒12から14と外側を整備されるも、左辺を生還させられたので、大きな確定地を与えずに打ち進められています。

【参考図1:下手側の怖さ】
 黒1と解消したいところですが、白2以下で万全の状態にされると、AやBと追及する手段が厳しくなるため、下手側として怖い進行です。

【参考図2:工夫不足】
 単に白1、3とコウを仕掛けるのは、黒4以下で左辺と右上を整備されて、白から勝負できる場がなくなり、白の勝機が薄い進行。

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