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横浜F・マリノスは経営的にはうまくいってるの?多分前編

昨日(2020年4月27日)に横浜マリノス株式会社の決算公告が出ました。(参照https://catr.jp/settlements/19dac/147643
BS(貸借対照表)の一部で、ハイライトとしては以下の通りです。

純利益:1989万7000円
利益剰余金:▲3320万4000円
総資産:21億7800万4000円

一瞬、「利益剰余金」がマイナスって大丈夫なのか?とか思いがちですよね。なかなかわかりませんよね。純利益が2000万円くらいでて、利益剰余金が3300万くらい赤字だから、1300万円くらい赤字だったのか?とかいろんなことを考えちゃうかもしれません。

上記にも書いた通り、これは、BS(貸借対照表)の一部で経営的な数字のごく一部です。なので、この数字だけを見て心配したり安心したりというのは、ちょっと気が早いってやつです。一般的にイメージしやすい「売上がどれだけ増えた」とかが表現されているのはPL(損益計算書)の方でして、それは2020年1月期はまだ発表されておりません。

Jリーグが発表している「Jクラブ個別経営情報開示資料」を見ると、いわゆるPL(損益計算書)が掲載されておりますので、そちらを見ることをオススメします。てことで早速見てみましょう。

2018年度はコチラ
2017年度はコチラ


項目の簡単な説明

項目について簡単に説明します。

営業収益:売上!単純にいくらお金が入ったかです。その内訳で「スポンサー収入」「入場料収入」「Jリーグ配分金」「アカデミー関連収入」「物販収入」「その他収入」となってます。イメージはつきやすいとは思います。

マリサポが気にしているであろう「DAZNマネー」は「Jリーグ配分金」で計上されていると思います。川崎のJリーグ配分金が2018年度で爆上げしていることから推定してます。
もう1つ「移籍金の収入(主にマル、山中)」は「その他収入」に入るかと考えております。基本的に他に計上項目が無いことから推定。ただし、案件によって、一括払い、分割払いがあるので、どの年度に計上されているかはわかりづらい。
営業費用:支出!単純にいくらお金が出ていったかです。その内訳で「チーム人件費」「試合関連経費」「トップチーム運営経費」「アカデミー運営経費」「女子チーム運営経費」「物販関連費」「販売費および一般管理費」となってます。一部わかりづらいのがありますね。

チーム人件費が「監督・選手・コーチ・スタッフ」のどこまでを占めるのかが想定しづらいです。これが、トップチームだけのものなのか、役員および従業員やアカデミーのコーチスタッフも入るのかも、ちょっとわかってません。ただ、ビッグネームの加入や移籍などで大きく上下するのは間違いないです。前年やチーム間比較で見るべきかなと考えてます。逆に言えば、ここに該当しない人件費は「販売費および一般管理費」に相当します。
もう1つ「移籍金の支払い」も「チーム人件費」ではないかなと想定してます。これは浦和の2017年度と2018年度の比較で推定してます。
営業利益:営業収益-営業費用!粗利ってやつですね。単純に営業活動でどれだけ儲かったかです。はっきり言いますね。クラブが単純に設け体質なのか否かはここだけを見てればいいです。

横浜F・マリノスはどうなっているのか?

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2017シーズンと2018シーズンの比較表を作ってみました。
単純に言えば、営業利益が600万→1900万になった!儲かった!クラブ経営的にはうまくいったでOKです。あとは会社経営なので。

営業収益の内訳を見て特筆すべきは「その他収入」が約3億円アップしていることです。これは、マルティノスの移籍金が大きくポーションを占めてると想定してます。パクジョンス、前田直輝あたりに移籍金が発生していれば貢献してると思います。

営業費用では、チーム人件費が2億円アップしてますね。これは主にボスおよびその周りが入ったことが大きいかなと思います。パッと見て、選手の総年俸に大きい変動要素が見られなかったので。まぁ、2017年の10番だった人は年俸高かったっけなぁ。誰だっけ?

あともう1つ、よく「○○億円規模」のクラブなんて表現を目にすることも多いかと思いますが、これが事業規模ってやつですよね。今なら、神戸が100億円規模のクラブになりかけてるっていうアレです。そういう意味で言えば、マリノスは50億円規模のクラブ。2018年度の資料を見てもらえれば、わかりますが、ランキングで言えば神戸(97億)、浦和(75億)、鹿島(73億)、川崎(60億)に次ぐ規模です。50億前後で、名古屋(55億)、G大阪(52億)、横浜FM(51億)、F東京(48億)と続いていきます。

これは何が言いたいかといえば、マルティノスだったり、山中だったり、伊藤翔だったり、持ってかれた先がやっぱり事業規模がマリノスより大きいクラブということです。選手を引き抜かれなくするためには、まず収益拡大を頑張ることが1つのKPIとなっているかもしれません。広瀬陸斗も鹿島にあっさりと持ってかれましたしね。

僕ら一般サポーターが頑張れるところは、「入場料収入」と「物販」。あとは、スクール生を増やすことで「アカデミー関連収入」。でも、あと20億増やすのって大変そうだと思いますが、でも51億の収入のうち約20.5億と半分に貢献してるんです。そして、それはおおよそ「チーム人件費」相当。

2019年度どうなっているんだろう

そして、15年ぶりの優勝を遂げた2019シーズンの決算がどうなっているのだろうか?大きなお金が動いていそうなトピックスについてはこんなカンジだと思います。(過不足あればぜひ教えてください。)

・中澤の引退
・伊藤翔、山中の移籍:計上がいつだろう?多分、2019年度。
・飯倉の移籍
・伊藤槙人、中川風希の移籍金
・チームバスの購入(リースかも)
・メルコリゾートとのスポンサー契約:他にもたくさんあるが、個人的には一番大きいと想定
・レッズ戦のトラブルにおける制裁金:200万円だけど。小さいか否かではなく、批判するとか否かではなく、気にしたい。
・チアゴとティーラトンの買取り:これも計上がいつだろう?多分チアゴは、2019年度。ティーラトンは2020年度じゃないかと想定
・優勝関連物販はいつ計上だろう?川崎の物販を見ると、これも2020年度なのではないかなぁ?発注ベースではなく、納品ベースでの計上。

重要:DAZNマネーは2020年度!

恐らくですが、チアゴの買取はメルコさんの話で前に進めたと思うし、ティーラトンに関してはDAZNマネーを当てにできると判断したのではないかと想定してます。

ということで、メルコマネーもあって、2019年度は60億円規模までたどり着いたのではないかと想定します。本来であれば、2020年度に70億を目指せる立ち位置だったとは思いますが、この状況だと厳しいですよね。ただ、そんな状況でも實藤を獲得したり、アクロニスというスポンサーを獲得出来たり、いろんなことをうまく回せていると思います。

僕ら一般サポーターは、待つしかできないですが個々人が出来うるサポートを淡々とかつ熱い気持ちでやっていきましょう。

長くなりましたが、いったんはこの辺で。


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