使えない一円玉って何
駅前のすし屋ですしを買い、630円のうち「十円」分を五円玉と一円玉で払おうとしたら、「うちは一円は扱ってないので」と断られた。お金として扱われない一円玉って、一体何なのだろう。
消費税の導入によって、一円の価値が見直されたなんてうそ。バスの乗車賃を払うときにも、五円玉を二枚、十円の代わりに混入したら、「あっ、困るな」と言われた。かと思えば、あるとき、急な呼び出しで出かけ、バスに乗ったら、財布の中に一万円札しかない。運転手さんは「つり銭がないから、またこの次にしてください」という。運転手さんも、私も困った。
バスの中に一万円札の両替機も置いたらどうだろう。だって、その時の一万円札は、使えない一円玉と同じだったのだから。
格好つけたがる年ごろの息子たちは、一円玉や五円玉で財布がふくらんでくると、空き缶などに放り込み、たまってくると私にくれる。かくして、私は買い物に出かける時、左手に一円玉と五円玉を握り、レジでつり銭をもらう前に、ごそっと先に置く。