『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』を読んで分かった、キーワードマーケティングの勝ち方

■本レポートの抜粋


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リスティング広告でもSEOでも、キーワードマーケティングを成功させるために重要な思考は、「いかに自分の商品をキーワードで売るか」ということではなく、「キーワードの需要に合った商品を売る」という発想です。

また、キーワードでものを売るには、需要があるキーワードで、かつ競合が少ないニッチなキーワードを見つけなければいけません。

本レポートでは、滝井秀典さんの著書『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』を読んでの学びを参考に、ものを売るためのキーワードの見つけ方や、コンテンツの作り方について考えていきます。
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----------書籍情報----------------

書籍名:1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方

著 者:滝井秀典

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■はじめに

私は現在お客様のオウンドメディアの企画・運営をしていますが、記事を何十本と書いているうちにぶち当たった壁、それが「ネタ不足」。お客様のサービスに直結するキーワードを軸に記事の企画を考えていくと、必ずどこかでネタが頭打ちになります。

さらに、オウンドメディア(コンテンツマーケティング)の重要な役割は「潜在顧客に認知してもらうこと」。キーワードの軸を広げていく時にもっと潜在層に向けたキーワードを拾っていきたいが、どこに広げていったらいいのか?ということがよく分かりませんでした。

そこで、今回はSEO関連の本としてTwitterでおすすめされていた滝井秀典さんの『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』を参考に、売れるためのキーワードの広げ方やコンテンツマーケティングのあり方を考えていこうと思います。

本書はリスティング広告向けの内容がメインと思われますが、基本的な「売れるキーワード」の考え方はSEOにおいても共通するのではないでしょうか。

■お客様の需要からビジネスを作る

私が本書で最も重要だと思った考え方は、「「商品をどうやってキーワードで売るか?」という発想を、「検索キーワードに合った商品は何か?」という考えに逆転させる必要がある」というものです。

これは、言い換えれば「お客様の需要に合った商品は何か」を考えるということです。

インターネットの世界では、お客様の需要は検索キーワードとなって表れます。そのため、検索キーワードを見ればお客様が求めていることが分かり、検索キーワードに合わせた商品を売れば、自ずと買ってくれるお客様がいるということです。

著者滝井さんは、この考えを理解する例として「リーバイスはジーパンを初めから持っていたか?」という問いかけをしています。

ジーパンは、リーバイスの創始者リーバイがテントを持って金掘現場に向かっていた時に、一人の採掘者から「そのテントの丈夫な布でジーパンを作ってくれないか」と頼まれたことがきっかけで生まれた商品だと本書では紹介されています。

ゴールドラッシュ時代のアメリカ西部では、すぐに破れない丈夫なズボンが求められていたのですね。

現代では、検索キーワードを見て、このジーパンのようにお客様が求めているものを見つけ、それに合った商品を売らなくてはいけません。

次は、その検索キーワードからお客様が何を求めているのかを知る方法と、お客様が求めているものが分かりやすいキーワードについて考えていきます。

■検索キーワードに隠れたお客様の心を読む

キーワードマーケティングで成功するには、お客様が検索する言葉の裏側にある「心」を理解し、お客様が持つ深い悩みを解決してあげることが必要だと本書では述べられています。

では、どうやって検索キーワードからお客様の求めているものを知ることができるのでしょうか。

ちなみに、私はクライアントのオウンドメディア記事のSEO対策キーワードを考える時に、まずは軸となるキーワードを決め、サジェストツールを使って掛け合わせキーワードのリストを作成します。

そのリストの中には、お客様の求めているものが分かりにくいキーワードもたくさんあります。例えば、「転職」が軸キーワードだった場合、「転職 やめとけ」というようなキーワードがサジェストで表示されます。

サジェストに表示されるということはある程度検索ニーズのある言葉なのですが、キーワードを見ただけではお客様の求めているものがいまいち分かりません。

転職のリスクを知りたい、転職しなくてもいい方法を知りたい、失敗しない転職の方法を知りたいなど、様々な検索意図が想定できるキーワードです。

本書では、このような検索者が置かれている状況を推測しにくいキーワードは、購買行動に結びつきにくいといわれています。

本書によると、検索者の求めていることが分かりやすく、購買に直結しやすいキーワードは、動作を表す「アクション言葉」ということです。

本書では、アクション言葉の例として、「浮気調査」「ホームページ作成」「美容整形」「地震対策」といったキーワードが挙げられています。「調査」「作成」「整形」「対策」が、動作を表す言葉になっているのですね。

このようなアクション言葉は、お客様の置かれている状況が限定的になり、反応率は倍以上になると本書では書かれています。

SEO対策をしながらオウンドメディアを運営する目的の1つには認知を広める、潜在層を教育して顕在層に引き上げるといったことがあるでしょう。しかし、最終的には購買者の増加が目的にあるはずです。

購買に直結するキーワードはどちらかというとリスティング広告で対策するものという認識を私自身持っていましたが、ではSEOでは購買率を全く意識しなくて良いのかというとそんなことはありません。

SEOには広告費はかかりませんが、もちろん人的コストはかかります。さらに、SEOで上位表示を狙うのであれば検索者の検索意図を的確に捉えることが必要不可欠です。

そのため、SEOでもこのようなアクション言葉を網羅して対策し、検索意図に的確に答えるコンテンツを作成し、購買率を追っていくことも重要なのではないでしょうか。

■キーワードマーケティングでは絶対に1位を取れ

本書では、リスティング広告でもSEOでも、まずは位置を取ることを必須目標にしなくてはならないと述べられています。

著者滝井さんは様々な業界のホームページで検証をしたところ、検索結果に一位表示ができれば、クリック率は10%前後、コンバージョン率は1%以上になるという法則を見つけたといいます。

さらに、掲載順位が1位下がるごとに、クリック率は約30%ずつ下がっていくとの述べられています。30%ずつ下がっていくということはつまり、掲載順位1位と2位の間のクリック率に一番差があり、なんとしても1位に掲載しないと損をしてしまうということになります。

また、SEOで掲載順位1位に表示できていれば、リスティング広告は出さなくても良いのか?と考える人もいます。

しかし、本書ではSEOで1位を取っていたとしても、リスティング広告を出した方がいいとされています。

著者滝井さんは、SEOで1位表示をしていても、その上にリスティング広告を出していればお客は増えるという検証結果を出しています。つまり、SEOがうまくいっているからといってリスティング広告を出していないと、今すぐ購入したいという顧客を逃してしまうことになるのです。

もう一つの理由は、SEOよりもリスティング広告の方がコントロールがしやすいということです。SEOは広告費はかかりませんが、その分アルゴリズムの変動などによって順位が激変しやすく、コントロールしにくい部分があります。一方、リスティング広告は入札単価で順位を調節できるため、絶対に落としたくないキーワードの順位をある程度守ることが可能なのです。

一方で、リスティング広告だけを行っていてSEOをしていないと、新規の潜在顧客層が枯渇してきてしまい、いずれ新規顧客が尽きてしまいます。そのため、リスティング広告とSEOどちらがいいという話ではなく、結論はどちらもやった方が良いということになるでしょう。

■需要は高いが供給は少ない「ニッチ」なキーワードを狙う

検索結果の1位を獲得するには、強力な競合がまだ参入していないニッチなキーワードを狙う必要があります。しかし、ニッチすぎて検索ニーズがないと意味がありません。キーワードマーケティングで成功をするには、需要が高く、かつ競合が少ないニッチなキーワードを狙う必要があると本書では述べられています。

本書では、売れるキーワード(クリティカルキーワード)のパターンは8つあるとしていますが、ここでは、その中でSEOで対策するキーワードで1位を狙いやすそうなパターンを見ていきます。

・問題発生言葉
購買意欲の高いお客様は問題を解決したいという思いがあるため、「浮気」「脱毛症」など問題そのものを表すネガティブな雰囲気のキーワードは反応率が高くなると本書には書かれています。

こういった問題発生キーワードが購買に繋がりやすいのは、なんとなく情報を集めたいというような浅い欲求ではなく、なんとか問題を解決したいという緊急性を帯びた状況に検索者が置かれている場合が多いためです。

しかし、私のクライアントの中には、こうした「浮気」など、単語単体でネガティブなキーワードになりにくいサービスを持つ方もいます。

その場合は、例えば「リスティング広告 売れない」「パソコン 壊れる」「成績 落ちた」など、掛け合わせキーワードでネガティブなキーワード作ることも有効かもしれません。

・秘密にしたい言葉
本書では、「浮気調査」「転職」「脂肪吸引」など、周囲の人にばれたら困る、恥ずかしいので言いたくない言葉はインターネットと非常に相性が良いとされています。

今はほとんどの人が1人1台スマホを所持している時代です。

通常スマホの中身は他人から見られることもありませんし、周囲の人にばれることなく好きなことを検索できます。

また、このような他人に秘密にしたい言葉というのは、悩みも深いことが多いのです。

そのため、問題発生言葉と同じように、高い反応率が期待できるのです。

・専門用語、マニアックな趣味
ここまでは反応率が高いキーワードについて紹介しましたが、競合がいないニッチなキーワードを対策することも重要です。

ニッチなキーワードとして狙い目なのが、専門的な業界用語やマニアックな趣味に関するキーワードです。

例えば、「SEO対策」「クリック単価」というような専門用語は、マーケティング担当者や経営者など、限られた人しか知らない単語でしょう。また、B to Cサービスであっても、「社交ダンス」のような趣味は比較的マニアックで、メジャーな趣味と比べるとニッチなキーワードです。

こういった専門的、マニアックなキーワードでは競合の参入も少なく、1位が狙いやすくなります。

■ニッチで売れるキーワードを見つける方法

本書では、ニッチで売れるキーワードを見つける実践的な方法も紹介されています。ただし、本書が発行されたのは2006年であるため、キーワードツールなどは現在メインで使われているものではないものも載っています。

そこで、私は本書で紹介されていた中で現在でも通用する下記の方法を取り入れて、売れるキーワードを見つけていこうと思います。

・テレビ番組表を眺めてキーワードを抽出する
情報番組などで特集が組まれた後、視聴者はそれに関するキーワードをインターネットで検索します。Twitterのトレンドを見ても、テレビ番組と連動していることがよく分かります。

ということは、1週間先のテレビ番組表をチェックしておけば、ちょうど検索数が高まるタイミングに記事を用意することができ、多くの新規顧客をサイトに誘導することができるのです。

・Amazonのベストセラーからキーワードを抽出する
本書では、出版のベストセラーは現状のマーケット心理を表しているから、Amazonでベストセラーランキングを眺めると大きな需要の流れが調べられるとされています。

Amazonのサイトのベストセラータブをチェックして、クライアントのサービスに少しでも関連するキーワードはないか、取り入れられるキーワードはないかのヒントを得ていこうと思います。


■キーワード需要に合った商品がないなら作る

冒頭で、「リーバイスは需要からジーパンを作った」という事例を紹介しました。

しかし、「いくら需要が高くても、検索キーワードに合わせて商品を作るのは難しい」と思いますよね。

本書では、現在の商品にキーワード需要がなかったら、キーワード需要に合わせて「フロントエンド商品を作るべき」と述べられています。

本書で挙げられている例の一つとして、「税理士コンサルティング」というキーワードの需要が無いのであれば、「節税」というキーワードで「節税マニュアル」を販売できるとしています。

本書では、一度商品を購入してくれた新規顧客は10~20%の確率で他の商品も購入してくれるとされています。そのため、まずはキーワードニーズに合わせてフロント商品をつくり、顧客リストを獲得し、バックエンドへ引き上げていくことが利益を生み出すために重要になってくるのです。

オウンドメディアでは、ホワイトペーパーや動画コンテンツなどのフロント商品を売る(もしくは無料で提供する)手法は今や王道ですが、ユーザーの興味を引き、かつニーズのあるフロント商品となると、往々にしてアイディアが枯渇しがちです。

そんな時は、需要の高いキーワードからまずは調査して、そこから逆算すれば、ニーズの高いフロント商品を作り出すことができます。例え無料であっても、フロント商品に価値を感じてもらえなければ、10%の引き上げ率も期待することはできません。

しっかり需要を把握し、求められるフロント商品を作ることが重要です。


■まとめ

本書を参考にして、今後お客様のコンテンツマーケティング支援において、下記のことを実践していきたいと思います。

・検索キーワードに隠れたユーザーの心を理解し、悩みを解決できるコンテンツを作成する

・掲載順位1位掲載を最初の目標にする
・「対策」「調査」「代行」など、検索意図が分かりやすいアクション言葉が含まれたキーワードを網羅する
・人に秘密にしたい問題、悩みの深い問題のキーワードを網羅する
・業界専門用語、マニアックな趣味に関連するキーワードは積極的に対策を行う
・SEOをご依頼いただいているお客様にはリスティング広告もやっていただく
・テレビ番組表、Amazonのベストセラーをチェックし、ニーズが上昇しているキーワードに対応するコンテンツを用意する
・現在の商品にキーワード需要が無い場合、キーワード需要から作れるフロント商品を提案する


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