『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』を読んでみた


----------書籍情報----------------

書籍名:1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド
著 者:中島輝

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はじめに

まず、私は自分では自己肯定感は比較的高い方ではないかと思っています。しかし、前回の読書レポートでも書いた通り、感情の波が激しく、モチベーションが長続きせずに、習慣形成をすることが難しいという課題があります。

自己肯定感についても、調子が良いときは高く持つことができていても、感情の波が落ちている時は、自己肯定感も下がってしまい、その時にうまくパフォーマンスを発揮できなくなっているのではないかと思いました。

そのため、より安定した強いメンタルを鍛えるために、この本を読んでみました。

メンタルが強い人の特徴

♢自分の感情を「メタ認知」する

メンタルが強い人は、自分の感情に執着したり流されたりせずに、自分の中で何が起こっているのかを客観的に見つめることができます。本書では、このメタ認知を「もう一人の自分が頭上から自分の感情を眺め、客観視しているようなイメージ」と表現しています。

このように高い視点から客観的に自分の感情を見ることで、感情に流されずに冷静になることができます。

♢ネガティブな感情を建設的に使う

ネガティブな感情は悪いものとして捉えがちですが、うまく使えば、逆に計算能力や行動力を高めてくれるものであると本書では書かれています。

その方法は、建設的なメタ認知をすることです。以下の3つのステップで、メタ認知を建設的なものにして、ネガティブな感情を有効に使うことができます。

①内省・・・今の自分が疑問に思っていることを素直に問う。(例)「なぜあの場であんな発言をしてしまったのだろう」→「それはきっと〇〇だからだ」
②逆転の発想・・・内省で出てきた答えの、真逆の発想を問うてみる。(例)「不安が強いことで良いこともあるのでは?普段から、自分は他の人に比べて事前の準備に力を入れている」
③改善案・・・次回のチャンスがあれば、なにか「よくできること」はないか?(例)「そう考えると、今回は準備不足だった。次回は取引先のことをもっと調べていくようにしよう」

このように、「①内省→②逆転の発想→③改善案」というステップを踏むことで、ネガティブな感情を有効的に使うことが出来ます。逆に、ポジティブな感情だけでも、失敗を「まあいいか」で片付けてしまい、次に繋がらないことがあります。

♢メンタルが強い人の行動はすべて「実験」

本書では、アメリカの思想家「ラルフ・ウォルドー・エマソン」のこんな言葉が引用されています。

すべての人生が『実験』なのだ。実験をすればするほど、うまくいくようになる

人には、何か行動を起こす時に失敗するのが怖くて予防線を張ってしまう「セルフ・ハンディキャッピング」という特性があります。

例えば、「上司に押し付けられた仕事で気乗りしていなくて」「今日の試験の勉強全然していなくて」などと周囲に言うことがありますが、このような発言は、「失敗しても仕方がない」という言い訳をするためにしてしまいます。

しかし、実際は行動を起こして失敗をしても取返しのつかないような深刻な事態になることは少なく、「なんだ、こんなものか」ということがほとんどです。

そのため、「人生はすべて実験」という風にとらえている人は、積極的に行動を起こすことができ、失敗に対する恐れも少なくなっていきます。

自己肯定感は成功に近づくためのハシゴ

本書によると、自己肯定感は、今どんな弱点を抱えていようとも、自分自身をしっかり支えてくれる「人生の足場」であると言います。

自己肯定感が高い人は、一時的に不安になってもすぐに自分を取り戻すことができる「マネジメント(調整力)」、間違った選択や失敗をしても、逆境を楽しみリカバリーすることができる「レジリエンス(修正力)」、力の足りない自分を認め、それでもうまくいくと信じ、行動できる「グリッド(やり抜く力」が身につきます。

この3つの力(調整力、修正力、やり抜く力)は人生がうまくいくためのスキルであり、この3つの力をささえるハシゴのような存在が自己肯定感です。

自己肯定感を下げる原因

自己肯定感を下げてしまう原因として、注意するべきことが2つあります。

1つ目は、「以前はこうだった」という経験の記憶に引っ張られるケースです。特に失敗した経験は強く印象に残り、失敗が怖くて行動できない、といったように、行動のブレーキになってしまいます。

2つ目は、他の人と比較してしまうケースです。同僚や先輩、上司と比較して「自分はダメだ」と思ってしまうと、消極的な行動につながり、自分や周囲に対するネガティブな感情が高まり、自己肯定感は低いままになってしまいます。

自己肯定感を支える6つの「感」

まず、自己肯定感を取り戻すには、「誰にでもこのようなスランプはある」と考え、自分自身の状況を認めることが重要です。

さらに、自己肯定感を支えているものとして、以下の6つの「感」があります。

1.自尊感情:自分には価値があると思える感覚

2.自己受容感:ありのままの自分を認められる感覚

3.自己効力感:自分にはできると思える感覚

4.自分を信頼して行動する感覚

5.自己決定感:自分で決定できるという感覚

6.自己有用感:自分は何かの役に立っているという感覚

自己肯定感を高めるテクニック

ここからは、自己肯定感を高めるテクニックとして本書で紹介されているものの中で、自分が取り入れたいと思ったものをピックアップしてまとめていきます。

♢感情の歪みに気づく「見つめなおしメモ」

ネガティブな気分になった時には、ネガティブに振れるきっかけとなった出来事を振り返り、浮かんだ考えをパッと書き出し、その思考が、「6つの感」のどれをグラつかせているかをチェックします。

♢課題を細分化する

自分が抱えている課題やコンプレックスを「克服しよう」とすると、ネガティブな感情のまま終わってしまうことがあります。しかし、コンプレックスを認めた上で対策を練ると、改善のための材料に変えることができます。

そのためには、漠然としたコンプレックスを、より細かく具体的にかみ砕く(チャンクダウン)することが有効です。

例えば私は打ち合わせの時に緊張してしまい、一方的に話し続けてしまうことがあります。

その現象がどのような時に、どのように起こるのかを細かくかみ砕くと、事前準備が足りていないから緊張してしまった、相手のことをよく知らないまま本題に入ってしまった、相手が何を考えているのか分からなくて不安になったというような状況が見えてきます。

このように細かくかみ砕くことで、「次は話すことをもっと細かくメモしておこう」「本題に入る前に必要な情報を聞いておこう」「ここまで話したら、一回相手の感想を聞いてみよう」など、対策を取ることができます。

♢今日よかったことを3つ書き出す

本書によると、チャンスや幸運は少なからず誰にでも訪れるものだけれど、自己肯定感が低い時はそれに気づきにくいと書かれています。

そこで、1日の終わりやリラックスできる時間に、些細なことでも「今日あったよかったこと」を3つ書き出す習慣を持つと、「自分にはいいことが起こる」「今日も楽しみだ」という意識を形作ってくれ、以前は大変だと思っていたことも、楽しめるようになってくるということです。

♢未来の自分から今の自分を見る

これは、以前社長から教わった「ヒーローズジャーニー」の話に似ています。自分のなりたい未来を想像し、そこから今の自分を見ることで、今は大変な状況にあったとしても、それは理想の未来を得るための通過点でしかないと感じることができます。

♢散歩の習慣をつくって、1人で考える時間にする

1人の時間は、クリエイティブな思考を生み出すために有効な時間です。例えばシャワーを浴びる、散歩をするなどの時間に、何かテーマを1つ決めてそれについて考えるようにすると、仕事中は煮詰まっていたことがぱっと思いつくことがあります。

まとめ

前回の読書レポートとも共通することですが、自分の思考や感情を整理するためには、自分の感情を書き出して可視化し、分析することが有効だと思いました。

そのため、ネガティブな感情のきっかけは何か、6つの感のどれを揺らがせるものなのかを紙に書き出して、まずは自分の感情を認めた上で、対策を考えていく癖をつけます。

また、今日の反省点は日報で振り返っていますが、良かったことを書きだすことは今までやっていなかったので、それも今後は試してみたいと思います。

また、この自粛期間中に、近所を散歩する時間が多くなったのですが、気分転換になって気持ちが良いと思いました。これからはただぼーっと散歩をするのではなく、何か1つテーマを決めて、自分の中で考える時間にしてみようと思います。

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