【読書レポート】「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

本レポートの抜粋

私たちは、成し遂げたいことがあっても、「やる気が出ない」「嫌なことがあった」といった感情に左右されてしまうことがあります。

本レポートでは、書籍『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』の内容を元に、どうしたら感情に支配されずに、余計なことを考えずに自分の求めるゴールだけに集中できるかということを考えていきます。

----------書籍情報----------------

書籍名:「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!
著 者:苫米地英人

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はじめに

私は、うまくいかなかったり、他人の言動が気になったりすると、それがずっと気になってしまい、不安や怒りの感情に支配されてしまうことがあります。その結果、冷静に物事を考えることができなくなり、仕事のパフォーマンスが落ちてしまいます。

今回は、感情をコントロールし、気持ちをうまく切り替える方法を知りたいと思い、本書を読んでみました。

抽象度(視点)を上げて感情をコントロールする

本書では、負の感情に支配されてしまうのは、視点が低いために視野が狭く、傷ついている自分のことしか見えていないからだと書かれています。本書ではこの視点のことを「抽象度」と呼んでいます。

抽象度が低いと、例えば理不尽だと思う理由で上司に怒られて傷ついた時に、「理不尽に怒られてかわいそうな自分」しか見ることができません。

しかし、抽象度を上げることで、自分ではなく上司の気持ちを考えることができ、さらに、上司がイライラしている原因は会社のやり方にあるということが見えてきます。

このように、抽象度を上げることで全体の状況の中の自分を客観視できるので、なぜこのようなことが起こったかを冷静に考えることができます。

私は今までイライラした時は相手の気持ちを考えようとしていましたが、それだけではうまく理解できないことがありました。それは、相手(と自分)が置かれている全体の状況も俯瞰して見るということが出来ていなかったからだと思います。

ゴールに必要な感情だけ許す

では、抽象度を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。本書では、抽象度を上げるには「本当に達成したい」と思える「ゴール」が必要であると書かれています。

本当に手に入れたいゴールがある人は、そのゴールを達成するために必要なこと以外は視界に入りません。

本書では、感情に振り回されてしまうのは、ゴールがなく、一瞬一瞬がゴールのためになっていないからだといいます。

ゴールに向かうための原動力になる感情は、前向きでポジティブな感情だけです。恐怖や嫉妬など、ゴールに関係ない感情は捨てるべきであると著者は述べています。

また、私は、「楽しい」「嬉しい」というような幸福感をゴールとしているところがありますが、本書では、幸せな気分になることは、本当のゴールにはならないとしています。

なぜなら、何か好ましくないことが起こったら幸せな気分はなくなってしまうので、そのように風向きが変わっただけでなくなってしまうゴールには、全力で向かっていくことができないからです。

たとえ周囲の状況が変わっても、変わらずに追い続けたいと強く思えるゴールを持っていないと、感情に振り回されてしまいます。

すべての感情を娯楽にする

しかし、感情は自然に湧き上がってくるもので、抑えようと思って抑えられるものではありません。

元々、人間に備わっている「怖い」「危険だ」という感情は、自然界で身を守り生命を維持するために必要なものでした。しかし、現代では、常に死と隣り合わせという状況はめったにありません。

そのため、現代において感情の動きは生命の維持とは関係のないもので、生命とは関係ないものを本書では「娯楽」と呼んでいます。

したがって、負の感情が湧き上がってきても、それによって生命を脅かされることはないのですから、必要以上に恐れてその感情に飲み込まれる必要はありません。

「悲しみや怒りも人生の味わいだ」という風に、娯楽として味わえば良い、と本書では書かれています。

感情の波のもとを観る

それでも感情が波立ってしまうときは、その波のもとが何であるかを吟味することが有効であると本書では書かれています。

感情が暴走してしまうのは、暴走の始まりを意識できていないからだといいます。暴走の始まりを意識していればコントロールして暴走を防ぐことができます。意識をするためには、自分の感情の動きを客観的に眺めることが必要です。

本書では、腹が立っている時には、腹が立っている原因を具体的に、詳細に分析することが必要だと書かれています。

例えば、同僚に見下すようなことを言われて腹が立ったとしたら、「嫌なことを言われたから」というだけで終わりにせず、「ライバル視している同僚に言われたから腹が立つ→あの人と私ではタイプも仕事のやり方も違う→自分は自分のやり方でやればいいんだ」というように、冷静になれるまで分析をします。

感情を感じないようにするというよりも、なぜそのような感情になっているかを、抽象度を上げて客観的に分析することで、感情をコントロールすることができるのです。

いたずらに恐怖を感じないで行動する

先ほども記述したように、現代では死と隣り合わせの恐怖は通常はありません。しかし、恐怖はゴールの達成を邪魔する原因になります。

そこで、本書では、恐怖でクリアな頭を乱されてきたら、下記のようなルールを自分に課すことと書かれています。

「オレは何があってもビビらない」と自己イメージを高め、「すべての感情を娯楽にする」「ゴールに意味のある感情だけを自分に許可する」

また、いたずらに恐怖をただ感じていても、どうすることもできません。

できることは、恐怖の原因を消すための行動をすることだけです。

例えばクレームが怖いなら、クレームが来ないような行動を取り、もし来てしまったら、それに向き合って適切な行動をすることで恐怖は消すことが出来ます。

やらされ感がパフォーマンスを下げる

以前社長も仰っていたことですが、やりたくないことを無理やりやらされていると思うと、パフォーマンスが下がり、できない理由を作ります。

本書では、まずやりたくないことをやらなければいけなくなったら、仕事の効率が落ち、そのために他の雑務や対応に追われて時間が無くなり、どんどんやらない理由を無意識のうちに作っていくということが書かれていました。

今まで自分は「時間が無いからできない」「苦手なことだからできない」と思っていたことも、もしかしたら自分で無意識のうちにやらない理由を作っていたのではないかと思いました。

人の幸せを考えることが、やりたいことを見つける近道

本書では、「やりたくないのにやらされている」ことをやることは無駄で、本当にやりたいことだけに向かっていくべきであると述べられています。

しかし、本当に自分がやりたいことを分かっている人はそんなに多くはありいません。

本書では、本当にやりたいことを見つけるには、自己中心的な世界から抜け出し、「自分は人を幸せにするために何ができるか」を考えると良いと書かれています。

本書によると、「人間の幸せとは、自分だけが幸せな状態であることはあり得ない」といいます。

人は、自分が美味しいものを食べて幸せを感じた時よりも、自分の作った料理を他人が美味しく食べてくれた時の方が強い幸せを感じることができるといいます。

そのため、「お金持ちになってハワイで暮らしたい」という自分だけの幸せは弱いゴールであり、「自分の能力によって他人にお金持ちになってほしい」という方が強いゴールとなるのです。

私は好奇心が強く、今までいろいろなことにチャレンジはしてきましたが、途中でなぜか興味が薄れ、中途半端でやめてしまうことが多くありました。その原因はまさに、自分1人が幸せになることしか考えていなかったからかなと思います。

自分だけの幸せを追いかけていると、結局どこかで虚しさを感じてしまい、モチベーションがなくなってしまうと思いました。これからは、自分自身の幸せだけではなく、「自分が何をすれば他の人の役に立てるか」「他の人を幸せにするために、自分に何ができるか」という視点で、ゴールを考えてみます。

過去ではなく未来の自分から考える

人間の脳には、現状を保とうとする機能があります。その方が楽で、心地が良い状態であるからです。つまり、コンフォートゾーンに留まっている状態を作ろうとしているということです。しかし、それではゴールに向かっていくことはできません。

現状を保とうとする脳の機能を「ホメオスタシス」といいます。ゴールに近づくには、このホメオスタシスをゴールを達成している未来の自分の状態に働かせることで、今の現状ではなく、未来の状態が「コンフォートゾーン」になります。

ゴールを達成した未来の状態がコンフォートゾーンになれば、そこにホメオスタシスが働き、その状態になるための思考や行動をするようになります。

ゴールの達成を臨場感を持ってイメージする

では、未来の状態をコンフォートゾーンにして、ホメオスタシスを働かせるためにはどうすれば良いのでしょうか。それは、ゴールの達成を「臨場感を持ってイメージする」ことです。

脳は、より臨場感が高い方を「現実の自分」として選ぶと本書では書かれています。

例えば長座体前屈伸をするときに、何も考えずにやるよりも、「自分の体は骨の無い柔らかいこんにゃくだ」とイメージした時の方が高い記録が出ることがあります。

これは、未来の自分をより具体的に臨場感を持ってイメージしたことで、脳がそっちの自分が現実だとに認識するからです。

まだ手に入れたことが無い未来を臨場感を持ってイメージするには、過去の経験を重ねることが有効です。例えば、新卒で入社したばかりの頃はいつか社長になりたいというゴールを持っていたのに今は無くなってしまったという場合は、新卒時代のやる気に満ち溢れていた感情を社長になった未来の自分に投影することで、未来を鮮明にイメージすることができます。

ポジティブな自己対話をする

ゴールの達成に集中するためには、「どうせ自分にはできない」といった、過去の自分に基づいたネガティブな自己評価は無駄だと本書では書かれています。

そして、それは「あなたはこれが苦手だから気をつけなさい」というような親などの周りの人からの刷り込みによっても起こります。

そのため、他人の言葉も、受け入れることと受け入れないことを吟味し、ゴールに必要ものは排除することが必要です。

しかし、一番注意するべきなのは自己対話です。

自分で「自分はできない」という評価をしてしまうと、それが本当の自分であると脳が認識し、できない自分がコンフォートゾーンになってしまい、その状態にとどまるための行動をしてしまいます。

例えば失敗をしたときには、「こんな失敗をするから、自分はこれが苦手だ」というのではなく、「こんな失敗をするなんて自分らしくない」と考えるようにすることが有効です。

まとめ

感情は、目標達成やリスク回避のための動機になるため、大切なものだと思います。しかし、今回本書を読んで、感情を大切にすることと、感情に飲まれて支配されることは全く異なるということが分かりました。

私は負の感情を原始時代の人間のように大きく捉えすぎてしまって、身動きが出来なくなってしまっていたと思います。しかし、実際は、クライアントや上司に怒られても、人に嫌われても、チャレンジして失敗しても、生命が脅かされることはありません。

そのため、怒りや恐怖を感じたら、まずは「これは死ぬほどのことじゃない」と冷静になり、自分や相手が置かれている状況全体を、視点を上げて客観的に見るようにします。そして、なぜそのような感情になっているのか、原因はどうやったら消せるかを考える癖をつけようと思います。

また、このようなモヤモヤを抱える原因は、自分が本当に達成したいゴールに全力で向き合えていないからだということも分かりました。

そして、ゴールを本気で追えない理由は、自分の達成したいゴールを「自分だけの幸せのため」で考えてしまっているからだと思います。

今後は、ゴールを考える時に、自分の幸せだけではなく、どうしたら自分の行動で他人を幸せにできるかという視点で考えてみたいと思います。

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