「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」を読んでみた

■本レポートの抜粋

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失敗は想定外のところから発生したと思いがちですが、実は失敗は予めリスクを予想して回避することが可能です。本レポートでは、仕事を速く、そしてミスをしないようにする方法を「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」という書籍の内容を元に考えていきます。

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----------書籍情報----------------

書籍名:仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?
著 者:飯野謙次
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■はじめに

私はいつも仕事で、「確認やタスクの抜け漏れ」「うっかり期限を超過してしまう」「期限ぎりぎりで慌ててタスクを完了する」といったことで悩まされています。しかも、毎回何がミスの原因だったかを考え、「次は同じことをしないようにしよう」と思っても、同じようなミスをしてしまうことがあります。

「ミスをしないように慎重にゆっくりやろう」と思いますが、それでは仕事が回りませんし、周りには「仕事が速くてミスも少ない」という人もいます。

そこで、ミスをしないように、かつ速く仕事をするにはどうしたら良いかを考えるため、本書を読んでみました。

■失敗を防ぐヒントは過去の失敗にある

ミスは「こんなことが起こるなんて思ってもみなかった」ということから発生すると思われますが、実は本当に想定外のことが原因で起こるミスはほとんどないと本書では書かれています。

「同様の失敗が今も起こり続けているのは、かつて起こった類似の失敗が共有されていないから」(P135)
あるいは、過去に起こった失敗がうまく体系づけられていないために、同類のこととして捉えられていない」(P136)

つまり、1つの失敗をした時に原因と対策をしっかりと明確にし、同類のものを分類して傾向をつかめば、同じような失敗が起こりそうな時に早期に気が付いてリスクを回避することができます。

私は今まで失敗をした時に原因と対策を考えてもしばらくすると分からなくなってしまい、過去の複数の失敗を体系づけて同類のものを分類することができていなかったと思います。

今業務の振り返りとしてノートに失敗したことやその原因、もっと良い方法で仕事をするにはどうしたら良いかを書いていますが、それだと時系列にしか書けず、後から見直した時にどのような種類の失敗だったのか、分類するのが難しくなってしまいます。

そのため、会社で行っているケース報告と同じように、失敗をしたらその原因と対策をスプレッドシートに書き出し、過去に同類の失敗があることが分かったら、簡単にコピペで移動してまとめられるようにしようと思います。

■「以後気を付けます」という決心は無意味

失敗をした時に、「今後は同じことをしないように注意する」と、迷惑をかけた相手にも、そして自分自身にも決意表明をしますが、人の注意力には持続性がなく、決意を新たにすることではミスはなくせないと本書では書かれています。

人間は機械ではないので、注意力を持続することができず、同じやり方をしている限り、注意力では同じミスをなくすことはできません。

そのため、ミスが出た時は、やり方や仕組みを変える必要があります。

■漏れがなくなるチェックリストの作り方

現在、Webページの納品前、原稿の校正にはチェックリストを使用して、複数人でチェックを行うようにしています。

しかし、それでもミスを完全に防ぐことはできず、時には重大なミスに誰も気付かなかったということもあります。

本書では、そのような場合にはまずチェックリストの項目の作り方を見直すべきであると書かれています。

著者は、アメリカと日本のチェックリストの作り方を比較すると、アメリカのチェックリストの方が優秀であると考えています。

その理由は、アメリカのチェックリストの項目は「非常に小さなステップが1つずつ項目かされている」ということです。

本書で提示されている例では、日本のチェック項目が「水槽内の水量を確認する」と書いてあった場合、アメリカのチェック項目は「水槽Aの水面は、赤い線より下にある」「水槽Aの水面は、青い線より下にある」というように、チェックする内容を細かく細分化して記載がされています。

そのため、1つの項目に対して「ここまでは確認したけどここからはまだ未確認」ということが起こらないのです。

制作物の納品前チェックや校正のチェックリストも、デフォルトのリストとして全ての案件に共通するリストを作成したら、案件ごとにもっと細かい項目を追加したシートを作成することが必要です。

なぜなら、案件によってページの作り方や設定項目やルールが異なるためです。

■「思い出せる」という過信は捨てて全部書き出す

私は、当日の仕事の期限をギリギリになって思い出し、慌ててやるということがあります。

本書では、このような仕事の漏れに関して、記憶に頼ってはいけないと書かれています。人間の脳は「頑張らないとできないこと」や「新しい挑戦」以外は活動領域から押し出すようにできていると言います。

なので、仕事の期限は頭で記憶をしようとせずに、Todoリストにして目に見えるところに書き出しておき、終わったものから消していくことが有効です。

また、どうしても抜けやすい業務はGoogleカレンダーに登録し、リマインド機能を使うことも有効です。

■「持ち物をなくす・やるべきことを忘れる」をなくす方法

本書では、持ち物をなくすことを防ぐためには、多くのものを持たないことが有効であると書かれています。確かに自分自身を振り返ってみると、鞄の中身が沢山入っていたり、デスクに多くの書類を出していたり、多くのファイルをローカルフォルダに保存していたりしたときに物がどこに行ったか分からなくなってしまいます。常に必要なものは何かを確認し、必要最小限のもの以外は持ち歩かないようにしようと思います。

また、持っていくものを忘れるという場合には、持ち物を靴の上に置いておくなど、それを持たないと外出できないようにするといった工夫をすることができます。

また、やるべきことを忘れる場合には、2日ごと、毎週などという習慣ではなく、毎日やるべきことをチェックして、習慣にすることが有効です。日にちを空けると忘れてしまい、習慣にすることができません。

チェックすることを1つのブックマークフォルダやシートにまとめておき、毎日一度にチェックするような仕組みづくりが有効です。

■仕事の工数の見積もり方と期限の引き方

私はいつも、仕事の工数の見積もりと期限の引き方に余裕がなく、ギリギリになってしまいます。

工数の見積もり方に関しては、もしもその作業が初めてやる作業であれば、自分が調べる時間も含めて余裕を持って見積もっておくことが重要です。または、依頼者に「どのくらい時間がかかりそうですか」と聞いてしまうことも1つの手だと本書では書かれています。

また、作業に本当にかかりそうな時間よりも相手に伝える期限は長めに伝えるものですが、ここのバッファの取り方について、本書では「2倍で期限を引いたらバッファを持ちすぎと考えてよい」と述べています。

これを読んで、今まで自分はいかに最初からギリギリで期限を引いていたかが分かりました。

■認識のズレをなくす方法

仕事の依頼者と作業者の間で作業内容や期限についての認識の相違が起こることも、仕事のミスの原因になります。このような認識のズレをなくすためには、相手の言葉を明確な表現に変えて確認を取ることが必要です。

例えば「この仕事を3日後までにやっておいて」と言われた場合は、「〇月〇日の何時までに提出するということですね」など、明確にして確認を取ります。

■「計画不良」が全てのミスの原因

本書では、結局「計画不良」が全てのミスの原因であると書かれています。そして、計画不良をなくすためには、計画をどう間違えたか、どのリソース配分が間違えていたのか、どの点で読みが甘かったのかを必ず追求し、明確にしておく必要があります。

■逆に「どうやったらミスができるか」と考える

ミスを回避するためには「どうやったらミスが回避できるか」ではなく、「どうやったらミスが起こりうるか」ということを考えることも有効であると本書では書かれています。

仕事である目的を達成したいと思ったとき、その目的が達成できなくなる場合はどんな時だろう、なんの要因が邪魔になる可能性があるかをシミュレーションすることで、回避するべきポイントが分かります。

■まとめ

本書の内容をふまえ、今後は仕事を速く、かつミスを防ぐため、下記のことを行っていきたいと思います。

・失敗をするたびに、原因と対策を1枚のシートに書き出して同類のものを分類分けする

・チャットワークのタスクだけではなく、仕事の時に常に見ている行動結果表にやるべきタスクを全て一覧で書き出して、終わったら斜線を引いておく

・毎月の決まったタスク(行動計画表や請求書作成、原価入力など)は予めGoogleカレンダーに入れておき、期限の3日前にアラートが出るようにする

・初めての作業で仕事の工数が見積もれない場合は、自分の調べる時間も踏まえて見積もることと、分からなければ依頼者や上司にどのくらいかかりそうな作業かを聞く。また、毎回発生する作業はすぐにぱっと作業の見積もりが出せるように項目に書いてそれもシートにまとめる。((例)記事の企画作成、記事の確認と校正、施策立案など)

・習慣づけたいことは必ず毎日チェックする

・チェックシートの項目を1ステップずつ細かく作成する。案件ごとにオリジナルのチェックシートを作成する。

・失敗が起こった時は、まず計画不良を疑う。そして「計画不良が原因だった」で済まさずに、どの時点で見積もりが甘かったのかを明確にして失敗シートに記入する。

・作業依頼者との認識の相違が起こらないよう、自分の明確な言葉に変えて確認を取る。また、重要な事項は口頭で話した後に文面でも確認を取る。


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