「話を聞かない男、地図が読めない女」を読んだら男性の気持ちがちょっと分かった

■本レポートの抜粋


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人間は様々なセグメントで分けられますが、その1つが性別の違いです。性別が違えば考え方や感じ方、適切な接し方も異なります。本書では、男女の脳の違いや適切なコミュニケーションの取り方の違いが学べます。

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----------書籍情報----------------

書籍名:話を聞かない男、地図が読めない女
著 者:アラン・ビーズ+バーバラ・ビーズ
訳:藤井留美
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■はじめに


性別、育ってきた場所や文化、社内のポジションや役職など、人間は様々なセグメントで分けることができます。

先日社長から、他人の立場に立ってコミュニケーションを取るには、それぞれのセグメントの違いを理解し、相手のセグメントに合わせたコミュニケーションの仕方する必要があると教えていただきました。

まず、人間の最も大きなセグメントは性別です。私は女性ですが、クライアントや社内の男性と話す時や男友達と話す時に、女性と話す時とは違う違和感を感じることがあります。

相手が男性でも女性でも円滑なコミュニケーションを取るため、また、女性として自分の言動に意識するべきところを把握するため、今回は「話を聞かない男、地図が読めない女」という本を読み、男女の違いとそれぞれの性別に合った関わり方について考えてみました。

■狩猟採集時代からの進化の違い

本書では、男女の違いは狩猟採集をして生活をしてきた時代にさかのぼると書かれています。昔は、男性は狩りをして、女性は育児や周囲の人との関係作りをするというのが男女それぞれの役割でした。

その結果、男女はそれぞれの役割に合わせるように脳が別の進化の仕方をしてきたと言います。そのため、男女では脳のつくりがそもそも違っているのです。

男性は獲物を狩るため空間把握能力に優れていますが女性はそうではありません。地図や方向を把握することが男性の方が得意なことが多いのはこのためです。

また、女性は天敵となる動物から家を守るため、どこから天敵が襲ってこないか、視野を広く持ち広範囲を把握することが得意ですが、男性は1点に集中して獲物を追いかけるため、広範囲を把握することは得意ではありません。その代わり、自分の顔が向いている方向であれば、女性よりも遠くのものを見る能力に優れています。

よく、「女性は後ろにも目がついている」と言われるのはこのためで、女性は視野以外の音などの感覚も敏感に察知するといいます。

そのような生活の役割の違いに合わせて、男女の脳は異なる進化をしてきました。このような前提を知っていれば、より男女の違いが理解しやすくなります。

■非言語コミュニケーションに敏感な女性と鈍感な男性

本書では、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションについて下記のように書かれています。

一対一のコミュニケーションでは、メッセージのおよそ六〇パーセントを非言語コミュニケーションが占めているという。声色は二〇パーセント、言葉にいたってはわずか七~一〇パーセントにすぎない。

そして、身振り手振りや声色、視覚など言語以外の信号を統合させ、相手の言動の真意を解釈する力は女性の方が長けているといいます。

そのため、男性は女性に嘘をつくことができませんが、女性は男性に嘘をつくことが容易であるとされています。

また、男性は言葉の意味をそのまま捉える、女性に「怒っている?」と聞いて「怒っていない」という答えが返ってきたらその通りに捉えます。

そのため、男性はよく女性に「言いたいことがあるならはっきり言え」という苛立ちを持ち、女性は男性に「私の気持ちを察して気遣ってくれない」と苛立ちます。

この違いをしっかりと理解し、男性に言いたいことがあるのなら、察してほしいとは思わずに、しっかりと言葉で伝えることが重要だと思いました。逆に、女性と話す時には、言葉以外のしぐさや声色をしっかりと観察し、言葉の裏側にある真意は何かを考えながら会話をしていこうと思います。

■男性は一度に複数のことができない

狩猟採集時代、女性は子供の面倒を見ながら木の実や果物を採る必要がありました。そのため、女性は複数のことを同時にする能力が進化してきたと本書では書かれています。

一方男性はそのようなことをする必要が無かったため、複数のことを同時に行うことは苦手とされています。

そのため、男性はテレビを見ながら他の人の話を聞くことはできませんし、車を運転している時に他の人がうるさく話しているとイライラする傾向があります。

また、それは会話の仕方にも同様の傾向が見られます。

女性は複数の物事を一度に処理できるため、1つの話題を話している途中で違う話題を挟んだり、相手の話を聞きながら自分の話をするなど複数の話題を同時並行して話したりすることができます。

しかし、男性はきちんと論理が組み立てられた話で、かつ1つずつの話題しか理解することができないといいます。

そのため、話の論点があちこちに行く女性の話は理解できずにイライラしてしまいます。また、男性は自分でも1つの話を論理立てて話そうとしているため、きちんと終わりまで聞いてもらわないと話している意味がなくなってしまいます。そのため、話の途中で遮られてしまうとストレスを感じてしまうのです。

この違いを知っていれば、例えばクライアントと打ち合わせをする時に、男性の担当者と話す時は、1つずつ議題を進め、1つの議題が終わって相手が理解してから次の議題に移るといった話し方を意識することができます。

逆に、女性の担当者とメールをする時には話題を小出しにせず、同時に複数の要件について話を進めた方がストレスを感じさせないかもしれません。

■男性は聞くよりも見る方が得意

本書によると、女性は文章を目で見て理解するよりも話を聞くことの方が得意で、男性は話を聞くよりも見る方が理解がしやすいといいます。

この違いを理解していないと、男女ともに「言ったはずなのに聞いていない」ということが起こってくると予想できます。

違いを理解していれば、例えば男性には口頭だけでなく文面でも確認を取る、女性には文面だけでなく口頭でも説明するというようにコミュニケーションの工夫ができます。

■会話の目的は男女で異なる

会話をする目的は男女で異なると本書では書かれています。

女性にとって会話は楽しむためのものであり、人間関係を作り、友人を増やすためのものです。また、おしゃべりが自体が目的となるほど女性はおしゃべりが好きだといいます。

そのため、女性が相談する時は問題が解決するかどうかには意味がなく、ただ話を聞いてもらいたいだけなのです。

例えば「青い靴とゴールドの靴のどちらがいいか」と女性が聞くときは自分の中ではどちらが良いか全て決まっていて、それを後押ししてもらいたいだけであるため、どちらが良いかは答える必要はないのです。

逆に、男性は「問題解決型思考」を持っているため、人の話を聞くときは論理的に話を分析し、目的を持って話を聞こうとします。

そのため、女性が悩みを相談すると、男性は「相手の悩みを解決して気持ちを楽にしてあげたい」と思い、解決策を提案したり、相手が分かっていないことを理解させようとしたりします。しかし、女性はただ話を聞いてもらいたいだけなため、「解決策は求めていない」となってしまいます。

■男性に話を聞いてもらいたいなら議題と時間を最初に伝える

先ほどの、「女性は解決策を求めてはいない」という話はよく聞く話ですが、こうした話題が出た時に、「男性は女性の気持ちが分かっていない」という結論になってしまう傾向がある気がします。

しかし、この本を読んで、男性の気持ちを分かっていないのは女性も同様だと気が付きました。男性は問題解決型思考を持っているため、自分がしてほしいと思うことと同じように、女性の悩みを解決した方が良いと思って話を聞いてくれているということが分かりました。

また、本書では、男性は悩みを相談されると解決策を考えなければいけないと自然と思うため、女性の話を聞くことにプレッシャーを感じると書かれています。

そこで、本書で述べられている男性に話を聞いてもらうコツは、予め話したい議題と時間を伝えておくということです。

「悩んでいることがあって気持ちを楽にしたいから、解決策は何も考えなくていいからただ話を聞いてほしい。今日の夕食の時に話を聞いてくれない?」と言えば、男性は解決策を考えなければいけないというストレスから解放されて、気軽に話を聞こうという気持ちになるといいます。

これはプライベートの例で説明されていますが、最初に目的と時間を伝えるということは仕事の中でも相手のストレスを減らすために意識して使っていきたいと思います。

■他人と話す女性と自分と話す男性

悩みがあって落ち込んでいる時、女性は他人に話しながら自分の考えを整理し、解決策を導き出しますが、男性は逆に一人で静かに考えて解決策を導きたいと考えています。

男性が悩みがある時に一人になりたいと思う理由は2つあります。

1つは、先ほど述べた、男性は複数のことを同時に行えないということです。自分で考えることと人と話すことを同時に行うことにストレスを感じるため、一人になってじっくりと考えたいのが男性です。

もう1つは、男性は失敗している姿を相手に見せることを敗北と考えるため、一人で考えて解決の糸口が見つかってから人に話したいと考えています。

そのため、女性が悩んでいる時には口では「大丈夫」と言っていてもつっこんで話を聞いてあげた方が良く、逆に男性が悩んでいる時は一度一人にして自分で考える時間を作ってあげた方が良いと本書では書かれています。

■男女の興味関心の違いと会話のネタ

本書では、同性と話す時の会話のネタは男女で大きく異なると書かれています。

女性は結婚、恋愛、職場の人間関係など、人間にまつわる話題が中心で、男性はものごとの話題が中心だといいます。ものごとの話題というのは、スポーツやニュース、自動車や機械の話などです。また、人間に関わることでも、誰が何をしたとか、あの人はこれが得意だとか、人間そのものよりもその人が何をしているかということに関心があります。

私が男性と話す時に会話があまり続かないと思っていたのは、この違いを知らなかったからだと思いました。

これからは、雑談で女性と話す時は人間に関わる話を中心に、男性と話す時はものごとについての話を中心にして、会話が盛り上がるようにしていきたいです。

■ビジネスで男性と話す時

女性は感情表現が豊かで、相手の話に大げさにリアクションを取ったり、相手の感情を鏡のように自分の表情に映したりします。

しかし、これをビジネスの場面でも行うと、男性からは「信頼性が低く、権威がない」ととらえられてしまうことがあるといいます。

そのようば場合は、表情をあまり変えずに相槌をうち、あごを下げて、大げさな抑揚をつけずにゆっくりと話した方が信頼感を与えられます。

■まとめ

男女ではそもそも脳のつくりが違っているということが分かっていれば、異性の言動が理解できないと感じても、思いやりのなさや無神経が原因ではないと分かり、ストレスを感じることはなくなると思います。

その上で、今後は下記のことを実践していきたいと思います。

・男性には「察してくれるはずだ」と思わず、言いたいことははっきり言う

・男性に話す時は、話題は1つずつ、きちんと筋道を組み立てた話し方をする

・女性の相談を聞くときは、相手の中で決まっている結論を探し出し、それを後押ししてあげるような言葉をかける

・女性が「大丈夫」と言っていても詳しく話を聞く

・男性が一人で悩んでいても、自分から話してくれるまでしつこく話を聞かない。

・ビジネスの場面で、特に男性と話すときは、落ち着いた声と口調でゆっくりと話す

・男性と雑談をする時は、ものごとについての会話や、ビジネス、ニュース、スポーツ、機会などの話題を出してみる

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