突如「株価は過大評価」の大合唱 ー 「上級投資家」の意図は何だろうか。
どうしたことだろう。アメリカを中心に突如「株価は過大評価」の大合唱である。ゴールドマンのレポートにヘッジファンドのお歴々等揃い踏みだ。
怪しい...。多分株のオペレーションが上手くいっていないのだろう。フライング気味に株買いが続いており、まるで「コロナ後」のV字回復は確実、と言わんばかりのラリーだ。「上級投資家」も十分買えずに不満が溜まっているのではないか。
今年2月に「パンデミックは株買い」と大手米証券会社がこぞって「買い推奨」したことを覚えていらっしゃるだろうか。
確かにその時点でパンデミックはアジアに限定されている印象ではあったが、「損切丸」ではその胡散臭さを指摘しておいた。あの辺が同じ事を言い出す時は要注意なのである。その後パンデミックがここまで世界中に拡散して大惨事になるとは思っていなかったのかもしれないが、それでもその後の株式相場の惨憺たる状況は見ての通りである。
「損切丸」ではこの異常なラリーの原因は「過剰流動性+機械取引」と理解しているが、あんな秒単位の先回り”買”プログラムを作ったのは彼ら自身であり、随分儲けたはずだ。それが不満ならAIもHFT(高頻度取引)も止めてしまえば良い。お金をばらまいているのはFRBであり米国政府なのだから、「株の買われ過ぎ」が問題ならそちらに文句を言えば良い。
確かに「ドル余り」については一巡しつつあるようなので、相場が調整しそうなタイミングではあるが、*今回も「売り推奨」しておいて下値ではパックリ口を開けて待っているのではないか、との疑念が拭えない。
*「ヘッジファンド」とか「投機筋」とかいうと、一般には地下室で蠢いている「ショッカー」のようなイメージを持たれているようだが、トレーダーや運用担当者は意外に論理的でまともな人間が多い。大手になるほどそうだ。だから今の相場にイライラしているだろう事は想像に難くない。
騙し騙され、口八丁手八丁の投資銀行業界に20年以上もいるとどうしても表に出ていることの「裏読み」をしてしまう。一種の「病気」だ(笑)。反面、特に「ゲーム化」が進む株式市場への不満が鬱積しているのも事実だろう。まともな投資家ほどこの相場には納得いっていないはず。
だからといって彼らの思惑通りに相場が動くとは限らない。今回のようなレポートが一斉に出るのは、株を十分に買えていない投資家が多いことの証左でもある。「上級投資家」がいつも相場に勝つとは限らない。個人やローカルトレーダーでも勝つことがあるのがマーケットの良いところでもある。
「押し目待ちに押し目無し」
ただ今の株価が世界的に割高であることは間違いないので、特に全てをひっくり返す「デフォルト事象」には注意して取り組むのが良いと思う。
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