乳がん検診:米国予防医療専門作業部会(USPSTF)のためのエビデンスレポートとシステマティックレビュー

【重要性】乳がんは米国女性のがん死亡の主要な原因である。検診マンモグラフィが死亡リスクを減らすことは確立されているが、集団検診ガイドラインに最適な検診開始年齢、間隔、方法は不明確である。

【目的】米国予防医療専門作業部会(USPSTF)のために、異なる乳がん検診戦略を比較した研究をレビューする。

【データソース】2022年8月22日までのMEDLINE、Cochrane Library、2024年3月までの文献サーベイランス。

【研究選択】英語論文、検診戦略を比較したランダム化臨床試験と非ランダム化試験、検診の害の拡大基準。

【データ抽出と統合】2人のレビュアーが独立して研究の適格性と質を評価。中程度および高品質の研究からデータを抽出。

【主要評価項目と指標】死亡率、罹患率、進行がんへの進展、インターバルがん、検診の害。

【結果】7件のランダム化臨床試験と13件の非ランダム化試験が含まれ、2件の非ランダム化試験が死亡率を報告。非ランダム化試験のエミュレーション研究では、74歳以上の検診で死亡率に差はなかった。年1回と2年に1回の検診間隔で進行がんの発見率に差はなかった。3試験がデジタルブレストトモシンセシス(DBT)とデジタルマンモグラフィを比較。DBTでは初回検診時の浸潤がん発見率が高かったが、インターバルがんに有意差はなかった。次回検診時の進行がん(ステージII以上)リスクは、個々の試験でDBTとデジタルマンモグラフィで有意差はなかった。試験と非ランダム化試験の限られたエビデンスから、DBTでリコール率が低いことが示唆された。高濃度乳房の女性をMRI検診に無作為に割り付けたRCTでは、インターバルがんリスクの減少と偽陽性のリコールと生検の増加が報告されたが、長期的な進行乳がん発生率や罹患率、死亡率は得られなかった。補助的超音波検診のRCT1件と非ランダム化試験1件で、偽陽性の増加とインターバルがんの差はなかった。

【結論と関連性】主要な研究がまだ完了しておらず、相対的ベネフィットを評価するために必要ながんステージの変化や死亡率の結果を報告した研究が少ないため、乳がん検診戦略の有効性を比較するエビデンスは決定的ではない。

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