境界性パーソナリティ障害と統合失調症における聴覚性幻覚の現象学的比較：システマティックレビュー
境界性パーソナリティ障害（BPD）と統合失調症（SZ）における聴覚性幻覚（AHs）の特徴比較と、BPDにおけるAHsを対象とした心理学的介入に関するシステマティックレビュー
1. BPDにおけるAHsは、SZと誤診されやすく、適切な治療提供に課題がある。
2. レビューの目的は、SZと比較したBPDにおけるAHsの現象学的特徴と、BPDにおけるAHsを対象とした心理学的介入を特定することである。
3. 18件の研究が採用基準を満たした。
4. BPD群は、SZ群と比べ、持続性と反復性のあるAHs、高い声関連の苦痛と全能感の評価、早期発症が特徴である。
5. BPD群は、より重度のうつ病と不安、高い小児期トラウマ発生率、否定的な自己スキーマを報告した。
6. 認知行動療法対処戦略強化（CBT-CSE）は、BPDにおけるAH関連の苦痛を軽減する可能性があるが、更なる研究が必要である。
7. BPDにおけるAHsの誤診を防ぐため、DSM-5はBPDにおける精神病症状の広範な発生を認識する必要がある。
8. 診断プラクティスの改善と治療へのタイムリーなアクセス促進のため、明確化が必要である。
9. BPDにおけるAHsを対象とした心理学的介入の開発と試験が求められる。
このレビューは、BPDとSZにおけるAHsの現象学的特徴の違いを明らかにし、BPDにおけるAHsの適切な診断と治療の必要性を示唆している。今後は、BPDにおけるAHsを対象とした心理学的介入の開発と評価が重要な課題となるだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？