ACEiとARBによる糖尿病性腎臓病の進行予防

糖尿病と腎臓病を持つ成人に対するアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の治療効果と安全性を比較したコクランレビュー。

  1. プラセボや無治療と比較して、ACEiは全死因死亡率と治療中止率に影響を及ぼさないかもしれないが、腎不全を予防する可能性がある。

  2. プラセボや無治療と比較して、ARBは全死因死亡率に影響を及ぼさないかもしれないが、腎不全、血清クレアチニン値の倍増、微量アルブミン尿から顕性アルブミン尿への進行を予防する可能性がある。

  3. ACEiと比較して、ARBは全死因死亡率、治療中止率、心血管死亡率、腎不全、血清クレアチニン値の倍増に対する効果は不確実である。

  4. ACEiとARBの併用療法と比較して、ACEi単独療法およびARB単独療法の効果は不確実である。

  5. 異なるACEiやARBの比較、低用量と高用量のARBの比較はほとんど評価されていない。ACEiの用量比較を行った研究はない。

  6. ACEiとARBの副作用はほとんど報告されていない。

著者らは、データの限界と含まれる研究の質の低さから、糖尿病と腎臓病を持つ人々におけるACEiやARBの利益とリスクを評価できなかったと結論づけている。

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