硬膜穿刺硬膜外法と標準的硬膜外法の比較: プログラムされた硬膜外ボーラス投与により維持された分娩鎮痛を受けた患者を対象とした前向き二重盲検無作為化臨床試験

分娩時の硬膜外鎮痛において、プログラムされた間欠的硬膜外ボーラス投与(PIEB)を用いて鎮痛を維持する際に、硬膜穿刺硬膜外法(DPE)と標準的硬膜外法(SE)を比較している。

DPEは、硬膜を穿刺することで、硬膜外腔により直接的にカテーテルを留置する手技である。一方、SEは、硬膜を穿刺せずに硬膜外腔にカテーテルを留置する。DPEは、SEと比較して、分娩鎮痛の開始時に onset (効果発現までの時間)と質を改善することが一部の研究で示唆されているが、鎮痛の維持期にもこの利点が持続するかどうかは不明であった。

この研究では、400人の分娩予定者を対象に、DPEまたはSEのいずれかを用いて鎮痛を開始し、PIEBを用いて鎮痛を維持した。PIEBは、一定量の局所麻酔薬を一定の間隔で自動的に投与する方法である。この研究では、8mLのropivacaine 0.1%とsufentanil 0.5µg/mLを40分間隔で投与した。

研究の結果、ロピバカイン消費量、疼痛スコア、産科的・新生児的転帰など、ほとんどの評価項目でDPE群とSE群に有意な差は認められなかった。患者満足度スコアはDPE群で統計的に高かったものの、その絶対差は小さく、臨床的に意味のある差ではないと考えられる。

PIEBを用いて分娩鎮痛を維持する場合、DPEとSEのどちらを用いても同等の効果が得られることが示唆された。

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