電子健康記録を用いたCKDケアのための集団健康管理

慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした電子健康記録(EHR)を活用した集団健康管理介入の有効性を評価するための無作為化比較試験の結果を報告した。
研究の目的は、中〜高リスクのCKD患者において、EHRを用いた集団健康管理介入がCKDの進行抑制とエビデンスに基づくケアの改善に与える影響を、通常ケアと比較することであった。
介入群の患者には、腎臓専門医による電子コンサルテーション、薬剤師主導の薬物管理、患者教育といった多面的な介入が提供された一方、対照群の患者は通常のケアを受けた。
主要評価項目は、推定糸球体濾過量(eGFR)が40%以上減少するか末期腎不全に至るまでの時間でしたが、介入群と対照群の間で統計学的に有意な差は認められなかった。
しかし、二次評価項目の一つである、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシン受容体拮抗薬の使用については、介入群で有意に増加した。
一方で、高血圧管理や安全でない薬剤の使用、有害事象の発生率には両群間で差がなかった。
著者らは、COVID-19関連の問題が研究結果に影響を与えた可能性を指摘している。

この研究はEHRを用いた集団健康管理介入がCKD患者の一部の薬物処方を改善する可能性を示唆しているが、CKDの進行抑制や高血圧管理における有効性は示されなかった。

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