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丘の上文化祭(ON THE HILL 1周年)終わる

 ON THE HILLで開催されていた1周年記念イベント「丘の上文化祭」の2DAYSが終わった。

 来なかったみなさんのために雰囲気を解説しておこう。

 雰囲気はSAVE KAKOGAWA FES(SKF)の小さいバージョンだ。あの開放的な雰囲気に、クラフトやアート系の割合を増やした。それもすべてがハイ・クオリティをかならずしも目指しているわけではない。

 バラバラのものを混在させ、それをナゾの空間認知能力を持つ岡本亮(ごぞんじおれの弟ね)がまとめてみせるという、かなりケッタイな1周年記念イベントである。

 お客さんはふだんの朝市とはまったくちがい、亮のアート系、岩本卓也君のミュージック&カルチャー系、おれの自然&リベラルアーツ系の知人・友人たちがごちゃ混ぜ。そこに「なんとなくおもしろそう」な雰囲気を察知した朝市の常連のお客さんも混じる。複数の文化の交易路の交差点にあるバザールみたいな集まりになった。

 アート人種だけの集まり、音楽人種だけの集まり、リベラルアーツ人種だけの集まりだと、多様性に乏しくなる。ぜんぶ混じってひとつの空間を作るからこそ「○○系イベント」などと軽々には表現しがたいものになった。

 先鋭的な人たちだけが作るエッジーな雰囲気ではぜんぜんない。卵かけごはんに醤油だけではなくマヨネーズとバターとカツオ節をぶっ込んでみたらたいへんうまかったが、人には説明しにくい味であった──そんな感じである。

 このSNS時代、同じような人種が集まろうと思えばいくらでも集まれる。たとえば朝市をナチュラルで環境配慮型にして健康的にやろうとおもえば簡単にできるし、まあそれはロジックで考えるタイプのお利口な人間が作る「ああなるほどね。わかるわかる」な雰囲気になるだろう。

 しかし今日のはちがった。感触を説明しろといわれても困るような、たいへん定義しづらい集まりである。来れば分かるが来ないと一生わからない。

 なにしろ株式会社ムサシの社員とダバダバズボンのヒップホップファッションのカップルがビール片手に談笑していて、その向こうでは今年の元旦に家が焼け落ちた東吉野の神野大門君が「火の用心」の手ぬぐいを売り、空間にはDJが選んだレコードがなぜか歌謡曲を奏で、その足元に行儀のいいラブラドールレトリバーが何頭も寝そべっている。

 そういう空間である。だいぶ長々と書いてしまったが、やっぱり説明するのはめんどくさい。まあはやい話が、弟がまたヘンなものを作ったので、次回やるときはみなさんぜひ来てね。

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