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狼だぬきの欠落、あるいは穴ぼこ

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#物書き

コンプレックスがなかったら文章なんて書かねえよ、みたいな雑文

 「あなたはなぜnoteを書いているのですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?noteだけで飯を食っているという人はごくわずかだと思うので、「生きるために」みたいなライスワークとして回答する人は少ないだろう。むしろ、金になるかならないかを置いておいても立ち現れてくるような表現活動の広場としてnoteというメディアはあるのだろう、くらいに考えている。  「あなたはなぜ文章を書くのですか?」という問いの置き換えてもいいかもしれない。ほとんど一銭にもならない「文章を書く」と

一人の起業家で独りの文筆家の「絶望」について

0:「起業」あるいは「夢追い」の絶望 世界は幾分キラキラしすぎている。そこに、文句を垂れようと思う。もちろん狼ダヌキ個人にとってという注釈が付くが。「そーしゃるねっとわーくさーびす」のせいだろうか、日本人の満たされない尊厳欲求は、インフレを起こしている。オンラインサロン加入だって、リクルートの内定だって、なんならタピオカだって、全部虚構なのに。  今、夢を語ることは尊いとされている。教養と思慮の深い一部の起業家によって、夢を追うことは実は泥をすするようなものだという認識も広

自分を説明したくないから、物を書くしかなかった

 自分のことを説明したくない。この感情がいつもコミュニケーションを邪魔する。社会への適合を阻害する。自我と社会に越えようのない絶望を生み出す。表面的に発してしまった言葉は、曲解され、あるいは深淵まで理解を誘うことなく関係性へ齟齬を生む。結果、ぼくは「コミュ障」の烙印を押される。コミュニケーションは関係性の問題なのに。  物事の説明は結構うまい方らしい。ずっとそう言われてきた。なぜ積分をすると面積を求められるのか、とかどうして日本の教育は画一一斉授業になったのかとか、東洋思想

「2091年」、あるいは2019年

2091年の世界。価値観になりたい。  権力は世界を豊かにしない、というのが狼だぬきの基本的な姿勢である。ピケティだって言ってた。r>gだから、格差は拡大し続ける。rもgもなんなのかはわからないけれど、偉い経済学者が言うんだから、おそらくそうなんだろう。つまり人間は、時間の累積が無機質に不公平を増やし続けるシステムに生きている。「持たざるもの」の子孫は不幸になる運命なのだ。緩やかに、それでいて複利的に。統計的な証明。統計は、あんまり嘘はつかない。嘘をつくのは物書きの役割だ。

物書き的な視点、その意味のなさ

「小説家とは、多くを観察し、わずかしか判断を下さないことを生業とする人間です」 (『職業としての小説家』村上春樹 )  物を書くというのは、話すに足りない、些細でどうでもいい世界の変化をなるべく丁寧に描写し、それが暗示する心の繊細な機微をできるだけ伝わる形へと変換することだ。海外旅行で使う、電圧変換プラグのように。一方にとって意味があるものを、他方にも価値ある何かへと変換させる手続きのプロセスと結果である。部分的に。  noteに文章を書き起こすようになって、6日目になっ