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【エッセイ】思い込みの枷 / あなたの信念に興味がある

2021年11月になった。今年もあと2ヶ月で終わるらしい。そして僕が今年出した音源は一枚。
去年大量に音源をリリースしたせいで、どのくらいのペースでリリースするのが普通なのかが全くわからなくなっている。

いや、そもそも「普通」ってなんだ。僕は別に、「普通のリリースのペース」が存在するとして、別にそれに合わせる理由もない。それでも「普通」に寄りかかろうとするならばそれは、単純に僕自身が安心したいだけなのかもしれない。ならば尚更、そんな「普通」を意識することの無意味さに、そろそろ気づかなければならない。気付くのが遅くないか自分...

まぁなんにせよ、今年もう一枚ミニアルバムをリリースする予定だ。前回と前々回のアルバムがフルだったので、「Orange Morgue」を出した時点で「次のアルバムはミニアルバムにしよう」と決めていた。

今回のアルバムは、これまで僕が一人で作ってきたものの中では、一番「生(き)」の状態に近いものだと思う。多少アレンジはしているものの、とにかく歌の質感と言葉の置き方にこだわった。そしてまぁ暗い。今回も、いつまでも前を向けない、身体だけが大人になってしまった人間のみっともなさを、肌でご体感頂けるはずだ。

弾き語りのトラックもある。この曲はアコギをかき鳴らしている。このような曲を作るのは久しぶりである。というのも、アコギが長いことボロボロで正直まともに弾ける状態ではないまま何年も気づかないふりをしていたため、引き倒す曲が作れなかったのだ。その修理から帰ってきたアコギは、見事なまでに生まれ変わり、煌びやかな音の伸びと最高の弾きやすさ(まぁ弾きやすさは僕にしか関係ないから申し訳ないのだが)をもって、今回の作品に収まっている。楽器のメンテナンス・リペアの重要性を、キャリア10年を越えてようやく知るという至らない僕である。楽器がお好きな方はここまで読んで憤慨してスマホを折っているかもしれない。すみません。


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