エッセイ2021.2.22「濃霧から」
エッセイを書きに外に出た。
最近はなぜか家で文章を書くことが捗らないので、安く冷たいものが飲める店に入り、作業に入る。店を決める基準はシンプルで、支出が200円以内に収まり、人が少なく、騒ぐ人たちが極力いない場所、に限る。
しかしこれらの条件が全て上手に揃うことはほとんどない。200円以内に収まるかどうかは自制心の問題としても、店内が騒がしかったり、人が席を埋め尽くしていることは多々ある。
それでも僕は家に引き返すようなことはしない。家に引き返したらまた、他にもやらなければならないことの数々であっという間に頭がいっぱいになって、エッセイそのものに手をつけなくなってしまうからだ。
今日は日本全国どこにでもあるハンバーガーチェーン店で、アイスティーなるものを注文した。店員は無愛想で、小銭を入れるトレイをなぜかこちら側に置いてくれなかったが、正直どうでもよかったので表情を変えず腕を目一杯伸ばして200円を入れた。まぁ、なにかしらの理由があるのかもしれないし、なにもないのかもしれない。小さなことでいちいち気にしたり傷ついたりする僕らのような人種は、このような他人の一挙手一投足に、あまりにも振り回されすぎる。
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